個人開発者のワクワク駆動スタートアップへの道
10年以上前、自分でWebサービスを開発して運用している人たちに憧れていた。自分のアイディア一つとプログラミングの力で、ビジネスを作り、それをどんどん大きくしていく。自分もそういうステージに立ちたいと切望した。
しかし、大学卒業時にはそんなスキルは無く、いわゆるSIerで6年近く新卒文系プログラマとして基礎から学んだ。といっても仕事は金融系で、Web系とは程遠い現場だったので、Webに関してはほとんど独学だ。深夜まで勉強して、PHPの入門書を読みふけりながら、座ったまま寝ていたり、横になって読んでいたら寝落ちして落ちてきた本が顔にぶつかって目を覚ましてはまた読んで、といった生活をしていた。
その後転職して、念願のWeb系の仕事に就くことができた。少しずつできることが増えて、数年経ったある日、一念発起して一人で企画・開発・リリースして、Webサービスを立ち上げた。
アイディアはあるけどプログラミングができなくてそれを実現できないプランナーと、エンジニアとして働いてはいるが作りたいものが見つからない(でも何かを作りたいという願望はある)エンジニアのマッチングサイトで、SeekGeeksというWebアプリだ。初めてのWebアプリということもあって、たいした機能は無い。本当にマッチングするだけだ。それでも一生懸命作った。そして何より、面白かった。ワクワクした。いや、過去形で語るのは適切ではない。今もなお、面白いし、ワクワクしている。
その後もいくつかWebアプリを作ってリリースした。企画からリリースまでのスピードは最初に比べたら随分と速くなった。ウデはともかくとして、これで自分は10年前に夢見ていた「自分でWebサービスを開発して運用している人たち」になれたわけだ。今ではこういう人たちを個人開発者と呼ぶらしい。でも、これはまだゴールではない。自分のアイディアとプログラミングで、Webサービスは作った。しかしまだビジネスには至っていない。自分が立ちたかったステージは、ビジネスを作れるエンジニアだ。そしてこの次のステージは、今ではスタートアップと呼ばれているものなんだと思う。10年前そんな言葉は無かった(と思う。少なくとも流行ってはいなかった)。実にワクワクする言葉だ。そして何より、憧れる。10年経っても、その気持ちはまったく色褪せてはいない。随分と時間はかかってしまったが、今度こそ自分はそのステージに立ちたいと思った。
自分には世界を変えたいだとか、人類の新たな未来を創るだとか、そんな大それた目標は無い。でも、ワクワクする。憧れる。それでいいと思う。ワクワク駆動スタートアップ、憧れ駆動スタートアップだ。正直、個人開発からどこをどう変えていけばそうなれるのかはまだわからない。だけど、それでも。今自分にできることはきっと何かあるはずで、まずはそれを見つけたい。千里の道も一歩から。すでに一歩は踏み出した。次の一歩、さらにその先の一歩を、ワクワクしながら進んでいきたい。
