DMM.make AKIBA

Osamu Ogasahara
5 min readOct 8, 2015

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昨日はいきなり店舗話を差し込みましたが「行動・動作・環境変化のデータ化」がモノの再発明や新たな価値を産み出す可能性の1つかもしれないと期待を持っていただけたらうれしいなと。
さて、メイカーズ進化論・序章の公開4回目、本日分です

この3年の中で一番集中したプロジェクトだったDMM.make AKIBAのことを少し。よく5億円の設備って表現で紹介されていますが、当たり前ですが、実際は工事やもろもろあって10億円ちかくかかっています。(他社が検討した時に5億じゃ出来ねぇよってなるからおもしろいかなと、この表現を放っておいたのは内緒)

10億円をかけて秋葉原にオープンしたモノづくりの拠点

モノづくりの拠点にした場所は、古くから世界有数の電気街として知られる秋葉原という街です。今でこそサブカルチャーの聖地に変わりつつある秋葉原ですが、昔から電子工作を趣味とする人々に愛され、マニアックな電子部品が買える場所でもあります。
2,014年11月、その秋葉原にハードウェア開発に必要な最新機材を取りそろえた拠 点をオープンしました。「DMM.make AKIBA(ディーエムエムドットメイクアキバ)」です。 これは「DMM.make」のプロジェクトの一環です。DMM.comの亀山会長の協力を得て、メイカーズを支援し、そのプロダクトのグローバルディストリビューションを担わしてもらおうと「DMM.make」を立ち上 げ、僕はその統括プロデュースを2015年7月まで任せていただいていたのです。
ウェブサイトやスマートフォンのアプリといったソフトウェアを作るIT企業であれば、 パソコン一台で済むかもしれません。しかし、電子機器などを作るハードウェアスタートアッ プには、どうしても設備などに大きな初期投資 がかかります。また、製品として仕上げるためには、一社では抱えきれないほどさまざまな機材が必要となります。
この DMM.make AKIBA には、小型電子機 器の量産試作において必要と考えられるものはすべてをそろえました。3Dプリンターはもちろん、工作機械から製品として出荷するのに欠かせない性能検査をする機器まで、必要なものはすべてあります。オープンにかかった費用は総額約10億円で、製造設備だけで5億円を超す規模です。数百台程度の数量であれば、この場所で小型電子機器を生産することができます。モノづくりに不可欠なものをすべてそろえることで、モノを作らない言い訳ができない施設にしたかったのです。 秋葉原のオフィスビルの3フロアにシェアオフィス、イベントスペース、シェアファクトリー、軽食を出すカフェが入っており、延べ床面積は約2,000平方メートルと、サッカーフィールドの半分ほどの空間に凝縮されています。

なぜ国内外から月一〇〇〇人が秋葉原を訪れるのか?

おかげさまでオープン以来、モノづくりを行うたくさんの方々に入居していただいており、たくさんの新しいモノが生まれています。彼らこそが「メイカーズ」です。本書ではまさに今、現在進行形で起きているモノづくりの変化を描写するため、この DMM.make AKIBA から生まれたさまざまなモノを紹介していきます。きっと面白がっていただけると確信しています。僕自身が直接関わっているスタートアップも多く、ポジショントークと受け止められるかもしれませんが、海外事例などもご紹介することでなるべく偏りを減らしていきたいと思います。 この秋葉原に新しいモノづくりの一大拠点を作るというプロジェクトは、ありがたいことに国内外から注目をいただいています。世界中から見学や打ち合わせに訪れる人が絶えず、月に1,000人ほどの方々が来訪されます。
特に多いのは海外から視察に来る大手IT企業の幹部たちです。出資や買収など現実のビジネスに関わることでもあり、具体的にお話しできないこともありますが、たとえばマイ クロプロセッサーの世界最大手で米国に本社を置くインテルは視察に来たその日に入居を決められました。IoT(Internet of Things)を実現するための極小コンピュー ター「Edison」を活用するためのスカラシップ(支援制度)を、僕が経営す る「ABBALab(アバラボ)」を含めた三社で実施しています。挙げられる範囲ではほかにも、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAPなども視察にとどまらず、ここでイベントなどを行っていただいています。 日本でも「超音波モーター」の研究開発を続けている1968年創業の新生工業が、新規事業のチームを DMM.make AKIBA に置いています。また、面白いところでは堀江貴文さん率いる宇宙開発チームがロケットの開発をしていたりします。
こうしたグローバルIT企業や従来のモノづくり企業がなぜメイカーズの一拠点に関心を寄せるのでしょうか。会社の規模や売り上げを言うには及ばず、彼らの技術力や開発力は新興のメイカーズたちより圧倒的に上のはずです。しかし、大企業にできなくてメイカーズにできることが実はあります。こうした疑問も、本書を読み進めるうちに解けていくはずです。

しかし、DMM.make AKIBAにはホントにいろんな方々が来ていただけます。TSUTAYAの増田社長が来られて「DMMがねぇ、これをねぇ、へぇ〜」って言われた時はなぜかニヤつきましたw

明日は、なぜ僕が「ABBALab」というプロトタイピングへの投資会社をやりはじめたか。をご紹介できれば。

ABBALabの投資先事例は本書のなかで。
読んでみたい方はこちらから予約していただけるとw

メイカーズ進化論・序章を一部Medium公開用に改変

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Osamu Ogasahara

㈱nomad 代表取締役 / ㈱ABBALab 代表取締役 / ㈱Cerevo 取締役 / awabarオーナー / DMM.make エヴァンジェリスト / さくらインターネット㈱ フェロー