1936年の東京航空写真の白塗りは

荻窪圭
3 min readMay 10, 2017

国土地理院の地理院地図では国土地理院が用意した様々なデータを重ねて表示できるのがたまらんのだが、そこに1936年(昭和11年)の航空写真が追加されたのである。

地理院地図サイトで「情報」ボタンから、空中写真→1936年頃とたどればいい。

http://maps.gsi.go.jp/

昭和11年の東京が浮かび上がる……のだが、この時期特有のアレがあるのである。真っ白(あるいは真っ黒)に塗りつぶされた箇所があるのだ。

これ、すべて皇族関係の土地。

おそらく、空から皇族の土地を観るなんて不敬である、的な理由だったんじゃないかと思う。違うかな。専門家の方ぜひ。

もうちょっとあとの地図だと「戦時改描」といって軍事施設や水道施設など敵に知られてはまずい箇所を書き換えられてたんだが、淀橋浄水場がそのままなのでちょっと違うようだ。

皇族の土地といわれても、どこがなんだったのか気になるので、大正時代の地図を元に調べてみた。たぶんこんな感じ。

北白川宮邸は、昭和11年には李王家邸になってたが、一応大正時代の情報をそのまま地図には描いておいた。だから正確には北白川宮邸→李王家邸だ。他に間違いがあったらご指摘を。

各宮邸は大正時代のもの。昭和11年とは一部異なる。

いやあ、こうして調べるのって面白い。

1936年は郊外を観るのも楽しい。まだ開発されてないのでいろんなものが残ってる。

これは多摩川台の古墳群。野毛大塚古墳や八幡塚古墳なんか航空写真でわかるくらいぷっくりしてる。他にも古墳はあるけど、写真を見て古墳だとわかるものだけ印を付けてみた。

いやあ、飽きませんな。

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荻窪圭

デジタル系フリーランス。原稿書いたり写真を撮ったり。這いつくばって猫に近づけ。東京古道散歩。古地図とめぐる東京歴史探訪。デジカメ・iPhone・iPad・Mac・ガジェット・猫・自転車・古道・古地図。仕事募集中。