2014年秋に千代田区とNTTdocomoが共同で実験をはじめた「ドコモバイクシェア」。
その後正式にスタートし、自治体+ドコモバイクシェアの組み合わせで、いくつかの区が乗りだし、最近になって「区をまたがっての利用」ができるようになった。
これがものすごく便利なのだが、便利だと思える地点に辿り着くまでが大変。とにかくとっかかかりがひどい。まず使い方がよくわからない。
はじめてドコモバイクシェアを使おうとした人がその手続きの面倒くささやわかりづらさに腹を立てて、詳細な事実確認を怠ってついこんな記事を書いちゃうのも分かるレベル(笑)。
ああそうだよね、と。かなり筆が先走ったり迸ったりしてツッコミドコロ満載な内容ではあるけど気持ちはわかる。
でもまあ、詳細を確認しないで書いてるとこ多いので、使い慣れてる人からこんなカウンターブログも出てきた。
でもさ、記事に「まちがい」はいっぱいあるけど、それ以上に腹立つことの方が多いのであるよ。
たまたま仕事でドコモのシェアサイクルを使った記事を書くことになったので、じゃあやってみるべ、と試したのである。
・これ、iモード脳の人が作ったんちゃう?
2015年の春、一度使ったことがあるのだが、そのときの印象は「これ、iモード脳の人が作ったんじゃないか」ってことで、UIや手順のわかりにくさがとても前時代的だった記憶がある。
ロクな体験じゃなかった。
あのときは、次の待ち合わせ場所へ行きたいのだが、駅までが遠い→あ、目の前にシェアサイクルがある→これを借りて駅まで走ればいいじゃん!
とその場で気楽にはじめたのである。
そしたら悪印象しか残らない。
1)初期登録がめちゃめんどくさい
まず「会員登録」しなきゃいけない。会員登録には住所氏名などの基本情報に加えて、クレジットカードも登録しなきゃ行けない。
2)借りる手続きがめんどくさい
会員になったら、サイトにログインして、駐輪場を選び、そこにある自転車一覧からひとつ選んでパスコードを受け取って自転車についてる操作パネルでパスコードを入力してやっと解錠されて利用開始。
……って、めんどくさすぎる。目の前に乗りたい自転車があるのに、いちいちサイトでどれに乗りたいか入力してパスコードを「メールで」貰わなきゃいかんのですよ。
なにそれあほか。目の前にテンキーがついてる自転車があるのにそれはパスコードを入れるためだけかい。
3)返却場所を探してしまった
返却はサイクルポートに行わなきゃいけなくて、それは特に問題ないのだけど、地図がわかりづらくて探しちゃいました。
もうですね、手続きと返却でもたついたおかげで遅刻しそうになりましたよ。
そのときの顛末はこちらへ。
・再度登録から挑戦
で、再度挑戦。
前回はAndroid機から作業したのだが、今はモバイルSuicaを使って借りられるそうなので、iPhoneを使ってレンタルと返却しようと思い、あらたに会員を作り直すことにしたのである。
以下は「Felicaに対応したiPhoneで使う。月額会員でも1日パスでもなく、1回会員」という条件で。
家で会員登録しておけば現地でとまどわないだろうという読みで開始。
では会員登録しよう……どこでしたらいいかわからない(笑)。
とりあえず、ドコモバイクシェアに行くが、会員登録のメニューがわからない。
理由は簡単。
「ドコモバイクシェア」で会員登録するのではないのだ。
「ドコモバイクシェアを使っている、サービスのどれか」で会員にならねばならないのだ。だから使いたい自治体のコミュニティサイクルのページへ行くのである。
ややこしいのが、たとえば中央区で会員になれば、そのあとは渋谷区でも新宿区でも使えるようになる事。
まあとりあえず、千代田区で自転車を借りる予定になってるので「ちよくる」で会員登録することにする。
今は公式のアプリがあるのでそれを使うとじゃっかん簡単。
このアプリ、未だに6 Plusや7 Plusの高解像度ディスプレイに対応してないという時点で萎える。
がんばってここから「公式サイト」へ行く。まずこの時点で「会員登録」がメニューにないのがダメ。わからんわ。
「使い方を」最初に読んでおかないと作業の流れがつかめないのである。
とりあえず公式サイトへ行くと、webブラウズである。アプリが高解像度に対応してないのでなんとも間が抜けた感じなのがダメ。
ここから会員登録したい地域を選ぶ。
選ぶとログインしろっていってくるんだが、その前に会員登録である。下の方にスクロールして会員登録を選択。この時点でdアカウントを持ってるとちょっと楽できる。
dアカウントを持ってないなら普通に会員登録する。
住所氏名電話番号その他をいれる。まあこの辺は良くも悪くもなし。
連絡用メールアドレスはiPhoneで受けられるものならなんでもいい。
クレジットカードの登録は必須。ApplePayでの支払いもモバイルSuicaでの支払いもできないのだ。
このように、初期手続きがめんどくさいので、あらかじめ自宅なりなんなりでやっておくべきなのである。現地でやろうとすると途中で「めんどくさいからやめた」となる。
・会員証の登録ってなんだ?
最後に「会員証の登録」について聞かれる。これがよくわからない。
会員証ってなんだ?
えっと、もともとこのシステム、専用のICカード(Felica)を発行すればそれを使って簡単に借りたり返却したりできるのがウリなのだ。
でも今は「モバイルSuica」を会員証として使える。
つまり「モバイルSuicaを使ってワンタッチで借りられるようにしたいのか」と聞かれてるわけ。そんなんわからんわ。
そういういちいち調べなくてもわかるようにしといてくれ。
で、終わったと思ったら、メールで「パスコード」が送られてきた。
まだ終わらないのだ。なんだこれは。
「現地へ行って、STARTボタンを押し、続いてENTER ボタンを押してからモバイルSuicaを自転車のICカードリーダーにあて、パスコードを入力してモバイルSuicaとドコモバイクシェアのシステムを紐付けたら」やっと準備完了なのである。
めんどくせーーーー。
めんどくさい。ああめんどくさいめんどくさい。
・一度会員証を登録すればあとはチョウカンタン
だがしかし、一度会員証として「モバイルSuica」を登録すればそのあとは簡単。
次からは、自転車を見つけて「start」を押し、iPhoneを当て(もしモバイルSuicaをエクスプレスカード登録してなければ、手動でSuicaをアクティブにする←めんどくさい)てTouchIDで認証するだけで借りられるのだ
おっとそのまえに、まず電源ボタンを押して「バッテリー残量を確認する」のは大事。
中にはほとんど残ってないのもあるから。バッテリーが残ってる自転車を借りないと電動アシストの意味なし。
自転車を駐輪するときは鍵をしめる。すると「ご利用の自転車が施錠されたことを確認しました」っていうメールが届く。
解除するときはEnterキーを押してモバイルSuica(なぜEnterキー?)。
このへんの操作系はひどい。頻繁に使う機能はもっと明示的にしないと!
大手門前で韓国人女子(だと思う)の旅行者がロック方法がわからなくて困ってたもの。教えて上げましたですよ。
ちなみに、鍵をロックした場所がサイクルポートなら「返却」扱いになる。そうじゃないなら一時駐輪。自転車がGPSと通信回線を持ってるのでできるわざだ。
追記:返却か一時駐輪かは、サイクルポートにあるビーコンと自転車で通信して判断してるそうで、それがうまくいかないと返却扱いにならない。サイクルポートに自転車があふれてて、端っこにしかおけないと、電波を受信できなくて一時駐輪扱いになる可能性があるので注意。
最終的に「返却しました」メールが届くのを確認してひと安心。
というわけで、
・最初の会員登録がめんどくさいの済ませておくこと
・モバイルSuicaで借りられるようにしておくこと
・借りる前にバッテリー残量をチェックすること
の3点さえ留意すれば、よいかと思います。
で、なぜこんなに会員登録関連の手続きが「イライラ」するのか。作業の内容自体はそんなに理不尽じゃないのに。
これ、ユーザーインタフェースが壊滅的に前時代的なのである。
手順がわかりにくい・不親切・日本語がわかりにくい・用語がわかりにくい・いったりきたりしづらい・アプリがわかりづらくて使いづらくてダサいのである。
特にアプリで「借りる」をタップしちゃいけない。モバイルSuicaを会員証として登録してあるなら、この項目は不要だ。
ああ、ドコモさんもサービス開始から2年以上たってるわけで、アプリもそろそろ高解像度対応して、デザインと内容を見直して欲しいと思う次第である。
めんどくさいので具体的には書かないけど(そういうコラムを依頼してくれたらやります。これ以上は仕事の領域なのであしからず)。
ついでに、バッグに「finn」を入れておくと、さっとバイクにスマホを取りつけられていいかと思う。