3.4.2 制作準備からリリースまで

オホーツク島
5 min readFeb 3, 2017

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協力者を募る中で、遠隔ミーティングなどを通じてより具体的にイメージを共有するため、7月10日にステートメントを制作した。この頃は、筆者の複数の知人が「どこかの田舎に自分たちの村をつくりたい」という話をしていたことを踏まえ、北海道オホーツク海側地域に根深くある既成概念やしがらみに囚われず、新たな取り組みを行うことができる場をつくりたい、という思いを込めて「オホーツク村」という名称で制作を進めていた。この名称でインターネット上を検索すると、同じ名称のもの、近い名称のものがいくつか見つかったが、いずれも筆者の感覚ではさほど有名なものではなく、大きな影響力があるものとも感じなかったため、この名称で進めることとした。

7月12日にIAMASにて教員との四者面談を行い、そこで「物語を制作してイメージを共有する」という方法を試してはどうか、というアドバイスを受ける。それをもとにステートメントを「村のものがたり」へと変更し、その後鈴木さんと共有した。

その後7月25日に鈴木さんと直接お会いし、ステートメントを受けたロゴグラフィックをご共有頂く。その出来栄えが非常に良く、筆者のスキルであるステートメント制作や少々のウェブ制作スキルでは伝えきることのできない部分を伝えることのできるデザインの力を目の当たりにした。また鈴木さんも、地域の活用されていない資源が有効に活用されるように、地域のまだ知られていない素敵なものがもっと知られるように活動していきたい、自分の地元から離れていても自分の地元のためになることがしたい、という筆者と共通の課題意識を持っていたため、メディアを制作すること、3.2で掲げたようなビジョンを目指して活動していくことに価値を見出すことができた。こうしたスキル・意識の共有を経て、共同で制作を行うこととなった。

その後、筆者の知人であり、メディア制作の相談をしていた北海道オホーツク海側地域在住の方より「『オホーツク村』というお土産物販売会社があり、地元の要人などとも取引があるため、そことぶつかることがあると良くないかもしれない」という情報とアドバイスを受ける。それを受け、筆者の別の知人であるウェブサービス立ち上げ経験のある方に「名称が被るのは避けるべきですか」と相談すると、「名称がそれでなきゃいけないよっぽどの理由がない限り、いいことがないので極力避けるべき」という回答を得たため、名称を変更することとした。既存の会社や団体などと被らないものでそのイメージを引き継げるもの、そして制作していた「村のものがたり」を引き継げるものとして複数検討した結果、「オホーツク島」という名称に変更した。その旨を鈴木さんに共有し、再度新たにロゴを制作して頂くこととなる。

この名称変更を経て鈴木さんにロゴデザイン、およびウェブサイトデザインを制作して頂き、8月19日に図のロゴを送付して頂いた。ウェブデザインに関しては、筆者が選んだTumblrテーマを先に共有し、そこから相談しながら技術的に可能な範囲で、工夫できる範囲で調整していくこととした。自分のイメージを押し付けることによりアウトプットに制限を設けたくなかったため、「島のものがたり」のイメージに沿ったものを制作して頂くようお願いしていたが、少しイメージが柔らかすぎるように感じたので、鈴木さんと相談した結果、筆者のイメージに近い「PARK MAGAZINE」「IN&OUT」「soar」「another life」という4つのウェブメディアを共有し、そうしたものに沿ったデザインを考えて頂くこととした。

当初は8月末にリリースを予定しており、鈴木さんから修正したデザインを頂いた時点で公開する予定であったが、北海道オホーツク海側地方には滅多にこない台風が、2016年8月後半に立て続けに3つ直撃(北海道には9年ぶりの台風上陸、同じ年に台風が3つ北海道に上陸したのは観測史上初めて)し、鉄道線路が流出して1ヶ月ほど札幌に繋がる幹線鉄道が不通になったり、川の氾濫により基幹産業である玉ねぎ畑が流出するなど、オホーツクの交通網や農業生産者などが大きな被害を受けた。その直後のタイミングでリリースするのは地元の人に「空気を読んでいない」と思われる恐れがあったため、8月25日に少しタイミングを遅らせる決定をした。

8月26日に鈴木さんから修正したデザインを頂き、キリの良いタイミングである月初、9月1日にウェブサイト、およびTwitter、facebook、Instagramの各SNSアカウントを公開することにより「オホーツク島」をリリースした。デザインの変遷は図18の通りである。

図18 ロゴデザインの変遷

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