モブキャラとミロのヴィーナス
昨今の好きなイラストレーターを数えていくと、共通点が見いだせたのでいろいろ考えてみたところ、“モブキャラという立ち位置” の需要が高まりつつあるのではという結論に至ったことと、とりあえず好きなものをコレクションしておきたいという気持ちでまとめました。
モブキャラという立ち位置” について、wikipediaによると「モブキャラとは、漫画、アニメ、映画、コンピュータゲームなどに登場する、個々の名前が明かされない群衆のこと」とある。今回まとめたイラストは、雑誌や教科書において挿絵として配置され、我々に情報を追加してくれるような役割を持つイラストばかりだ。我々の生活の中で気づかないうちに「いつものイラスト」といった感じで入り込んでいる。
それでは、以下にイラストレーターの紹介。
白根ゆたんぽ
雑誌の表紙で見ることも多くなってきた白根さん。2色刷りページでの特集等に出てくるイラストを手がけていることも多く、よくよく調べてみると「このイラストもそうだったのか!」という場面がいくつかある。
しかし、私が白根さんのイラストを認知したのはエッチなお姉さんのイラスト。スタイルの良いお姉さん達が怒りもせず笑いもせず、露出度の高い水着や下着でいろんなポーズをとっていて驚愕した。それでも中学生並の性に対する好奇心で、隅から隅まで見てしまう。
1968年 埼玉県深谷市生まれ 桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒業後フリーのイラストレーターとなる。 活動の内容等はblogをご覧下さい。www.tis-home.com
綺麗な肌や計算され尽くした髪型ではあるが、存在そのものは「普通」なのである。だから、白根さんのイラストを見ているとその彼女達の状況が気になってしまう。何故、裸なのか、股を広げたりしているのか、女の人同士で抱き合っているのか。…でもそういうことをしているのが、何か特殊な事情がある人では無い。
何か特殊な事情がなくてもやってるのだ。
とりあえず白根さんのTシャツ欲しい。
上田三根子
キレイキレイやぼくなつでお馴染みのイラストを書いている上田さん。時々算数の教科書で文章問題の説明の為に出てきたりする。私がその教科書を使っていた時は、「この絵なら教科書に使っても良い!」って、どんな目線で言ってたのかわからないけど親に豪語していた思い出がある。
明るくポップな画風と、お洒落なセンスは人気が高く広告・雑誌の仕事に加え、エッセイ、コメンテーターと幅広い分野で活躍。 LION「キレイキレイ」シリーズ、プレイステーション用ゲーム「ぼくのなつやすみ」シリーズのキャラクターでおなじみ。www.tis-home.com
日本人が描かれているという印象に加えて、欧風な感じがするオシャレなイラストが多い。インテリア、洋服やヘアスタイルの趣味がとても好き。だから、このキャラクターの趣味って何かなとか、今日はどんな一日なのかなって想像したりする。1コマだけのストーリー集とかあったら素敵だな。画集欲しい。
あと、なぜか3D化されることが多いよね。しても不自然じゃないからなんだろうなあ。
みふねたかし(いらすとや)
「フリー素材 イラスト」 で検索するとトップで上がってくるのがみふねたかしさんの 「いらすとや」 というウェブサイト。大量のイラストが保管されてあり、<検索>機能や、<ランダム>とか、サイトの作りの配慮も素晴らしいと思う。もちろんロイヤリティフリーで画像を使わせてもらえるから、最近は公共施設の張り紙で良く見かける。
イラストのタッチが自然で万人に受け入れられやすいと思われる反面、時折、哀愁の漂う画像がポンと出てきたり、カルチャーを感じる画像が出てきたりするから、見ていてとてもおもしろい。
無料で使えるかわいいイラストの素材集です。個人利用・商用利用ともに完全無料。季節のイベントのイラストや動物や子供のイラストなど、使いやすいイラストが盛りだくさん。透過PNG形式で、組み合わせも簡単です。www.irasutoya.com
LINEスタンプがすごい良いんですよね。(私のお気に入りはいらすとやパーティーです..。)
Noritake
本当に大量にNoritakeさんのイラストがBRUTUSなどの雑貨系雑誌でよく見かけられた。とりあえず表紙でよく見た。
資生堂の花粉症対策周りの治療薬にも起用されたり(http://medical.shiseido.co.jp/ihada/)、脇汗対策の医療(もしくはクリニック)系の広告にもアニメーションで出てきたりしているところ(http://waki-ase.jp/)を見ると、クリーンでマットなイメージを彷彿とさせるNoritakeさんのイラストがぴったりなんだろうなと思う。中目黒のあたりで通りからよく見えるコーヒー屋さんのキャラクターなどもデザインされていて、常におしゃれになってしまってすごいと思う。
イラストレーター・Noritakeのウェブサイト。広告、書籍、雑誌、ファッション、壁画など国内外で活動。モノクロドローイングを軸に様々な企画に携わる。イラストをもちいたノートなどのプロダクト制作もおこなう。noritake.org
Noritakeさんが作っている雑貨もおもしろいから知らない人は知ってほしい。
田中寛崇
gomnagaさんの描く女の人は、いつでもどんなときも弱音を吐かない気丈な人というイメージがある。自分が今何処にいて、どうしたくて、何が起きているのかを見つめる眼力を感じてしまう。私は弱いので、そういう女の人を連れて帰りたい。
本の装丁に起用されていることが多く、書店でもよく見かけるようになってきた。本の装丁は、本のタイトルとその後ろのイラストとの組み合わせにある。読者はまず手始めにその要素で本の内容を探る。一瞬の出来事かもしれないが、帯を外した後でも、本を読み終えた後でも時間をかけてそれがたくさんできるのがgomnagaさんのイラストだと思っている。
でも実は、そういう女の子を持って帰れちゃうわけですよ、ステッカーなら。これを例えばPCのリンゴマークとかの上に貼って座らせておきたいわけです。(リンク先はマグネットタイプ。)
モブキャラは普段、そのキャラクターの設定や状況を明かさない。なぜなら、主人公となる為のストーリーがそもそも無いからである。あくまで群衆の(時には読者、時にはある特定のペルソナを持ったキャラクターになる。)1人であり、際立った特徴を持たない人間として存在している。
だからこそ、彼らのイラストの中でその人間や状況の背景が気になってしまう、見たいと思ってしまう、勝手な妄想で好きになってしまう。高校の時に「何故ミロのヴィーナスは美しいのか。あれに手や脚が付いていたら良いと思う?」という話をされたことがある。良い感じで付いてたらそれはそれで良いと思ったのだけど、きっと万人が共通の「良い」手や脚を想像していないだろう。具体が無いからこそ、各自で勝手に補完して考えていられるところも“モブキャラ”を支持したい点.