ほぼ日の有価証券報告書

を読んでみた。しっかりIPOの有価証券報告書なんて見たことがなかったのでなかなか気付きがあり、面白い。

http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu0000029ewp-att/03Hobonichi-1s.pdf

まず有価証券報告書に書かれている順序だが、事業のところでは

  1. 売上
  2. 販売状況
  3. 課題
  4. リスク

と続く。なるほど、お金に関わることの次に、いきなり課題とリスクが列挙される。どんな想いで会社をやっているとか、そういうのはまだ出てこない。

そしてようやく7までいったところで、企業のビジョンとなる「やさしく、つよく、おもしろく。」というメッセージが出てくるのだ。大人の世界は世知辛い。


1998年6月に「ほぼ日刊イトイ新聞」がスタートしたらしいが、私はおぼろげながらに記憶がある。あのテレビに出てた糸井重里が、インターネット上で毎日配信するらしいというニュースを何処かでみて、サイトも訪れた記憶がある。Internet Archiveで最古のページは1999年2月であった。

まだ高校生くらいだった私には「あぁきっと、お金が余ってて好きなことやって暮らせてうらやましいなぁ」くらいに思ってた気がする。まだブログやインターネットメディアという文化すら無かったような時代に、毎日更新を個人で配信するというのが驚きではあった。それからタイムワープして、今では超パイオニアだったとよく分かる。きっと当時で、インターネットの可能性を見いだせていたのだろう。


なぜ「ほぼ日」が上場するのか、それは糸井重里の引退を意味している。

早く社長から解き放ってくれ、というのが僕の意思。

このメッセージは数年前から糸井重里は言っていて、何年も前から上場可能な企業にすることを準備していた。自分にはさほど先がないので、組織を公器なものにして、イズムを継承させていきたいという気持ちは若輩者ながら想像はつく。しかし本当に可能だろうか?


有価証券報告書に戻ると、4リスクの(2)–②に「代表取締役への依存について」という項目がある。(1)–①は「ブランド力の低下」だという。私の中でトップオブリスクは(2)–②の糸井重里への依存だと思うのだが、皆さんはどうだろうか?

前述通り、糸井重里は超パイオニアだ。20年近くもほぼ日刊でメッセージを打ち込んできた世界では、彼が全てであり、世界そのものだ。私はそう思う。それを(2)–②で伝えようとすることが苦しく感じる。やっぱり(そこは、ほぼ日の考えではなく)大人の世界なのだろう。


「ほぼ日」は本当に上場することで、糸井重里への依存を脱却出来るだろうか。確かに利益率は高い、高利益企業なのかもしれないが、IPOが絶対的引力から抜け出せる推進力になるのだろうか。正直、いまの私は懐疑的である。だからこそ、いい意味で期待を裏切ってもらおう。入口があまりにも見事だったので、出口戦略も成功して欲しいと願っている。

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