仕事とはすべからく地味である

派手に見える仕事もあるけど、世の中の仕事の大半は地味なんじゃないか。起業してから、そんなことを良く思うようになった。
大企業メーカーにいたサラリーマン時代は、「憧れ」で入社したこともあり、仕事とはきっと派手なもので、毎日があらゆる刺激に富むものだと信じ込んでいた。そんなこともあって、日々、地味な(そう見える)仕事が与えられるのは自分の能力が足りないから、とずっと思っていた。
でも起業して、自ら目標を持って仕事に取り組み、そこそこの実績を積むようになって分かったのは、仕事というのは派手なのはほんの一瞬で、90%は日々の地味な作業の積み重ねだということ。しかも、その派手に見えるのは、メディアに取り上げられる・賞を取るといったようなもので、良いプロダクトを作るということ、すなわち向き合うべきユーザのベネフィットを最大化することには関係がない。
地味な作業というのはネットサービスでいえば、バグが出ないように地道にテストするとか、SNSに日々ブログを書くとか、ユーザからのメールにしっかり返事をするとか、ユーザインタビューを繰り返すとか、一つ一つは「作業」である。もちろん、その大枠には「世の中をこうしたい」とか「ユーザさんの喜ぶ顔が見たい」とかあるけど、日々の仕事はそうした大枠を念頭に置きつつも、黙々・着々と作業に徹するのだ。
こうしたことは、やってみないと分からないことだと思う。
マーケティングに興味があるという人がその仕事を初めて取り組んだ際、戸惑うことが多いように感じる。それは、「マーケティング」というクリエイティブでカッコいい感じのワードと、やってみて分かる実際の中身(数値分析や記事をひたすら書きまくるなど)の地味さのギャップが大きいからじゃないかな。それに比べると、「プログラミング」というのはイメージと実情が近い分、仕事にしてみても戸惑いは少ない(期待値コントロールが上手くいっている)。
地味なことを続けるためには、プロダクトや会社に愛がないと続かないし、その延長に自身の成長や目標の達成が欠かせない。個人と企業のベクトルを合わせるのは、経営者の重要な仕事の一つだ。
そして、地味に見えるけど面白さを感じることができた仕事は、その人にとって天職に違いない。そういう仕事を見つけるためには、まずは地味だから嫌だかとか言わず、どっぷり使ってみるしか無い。そして、続けていくうちに得意になれば儲けもの。それがその類の人にしか分からない面白みのある”ツウな”仕事になり、天職になっていくのだ。
