Vol. 5 ロボットは音楽を進化させるか

昨日の巨大ロボット対決は、とても面白かった。

俊敏な動きはないものの、見た目通りのパワーが激突するのは、それだけでも見る価値がある。割とガチな感じのミサイルやら電動ノコギリまで登場し、ハラハラさせられた。

音楽でロボットと言えば、人型のロボットが演奏するものから、楽器を自動演奏をするものまで様々ある。

1985年のつくば万博に登場した、演奏ロボット「ワスボット」。楽譜を読み取り、エレクトーンを演奏するロボットだ。

子供心に、「ロボットに楽器を弾かせて、何の意味があるんだ?」と思っていた。

それから30年経つと、

こんな超絶技巧を弾いたり、

人間の歌手とセッションしたり、

さらには指揮までもロボットがやるようになる。人がロボットに指示するのではなく、ロボットが人に指示を出す時代!

とはいえ、やはり見た目はロボット。これだけでは、シンギュラリティに至る予感はまだしない。それでも30年前に比べれば隔世の感はあるし、これだけ駆動技術が進歩すれば、これからは身体性や情動といった、よりアーティストらしい分野の研究を視野に入れても良いだろう。

ロボットが感動を生み出せるのか?産総研の後藤先生によれば、音楽が生み出す感動には3つの要因があるという。

  1. コンテンツ自体の感動
  2. オリンピック的感動
  3. 文脈的感動

詳しくは論文を参照頂くとして、ロボットが生み出す感動はどれだろうか。「2. オリンピック的感動」を生み出す力は、「今は」なさそうだ。だけど、初音ミクに泣かされる時代は既に来ているわけだし、未来には「2. オリンピック的感動」もあるだろう。

また、ピアニストの松橋 朋潤氏によれば、ガーシュウィンは、自動ピアノの演奏速度を好きなように変える遊びをしていたことで、あのようなラグタイムを身につけたという(論文)。ロボットとの共奏は、新しい演奏スタイルを生み出すための一つの可能性といえる。

ストリーミングが全盛期の今、ライブの価値が高まりつつある。自動演奏ピアノがラジオやレコードの代わりになったように、ロボットミュージシャンが家や街中でのライブの代わりになる日も来るかもしれない。あるいは、Robotic Art として人が作り出す芸術とは違う世界を見せてくれるのだろう。

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