TwitterとBlogの中間であり媒体となる存在
Mediumの立ち位置
Mediumは「寄稿」という印象を受ける。
Twitterは、当初はマイクロブログなどとも呼ばれていたが、文字制限のないMediumは、ブログになったわけではない。ブログの場合は「自分の領域」という部分が多いが、Mediumは他人の庭であるという感覚が強い。
独自ドメインが使えなかったり、カバー写真とプロフィール情報くらいしかカスタマイズできない点などもそうであるし、書き溜めていくとアーカイブが探しにくそうなのも、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアに近い。
カスタマイズができない代わりに、投稿のしやすさや文章に集中できる投稿のしやすさなどは、ブログより気楽な存在なのかもしれない。
「中間」を意味するMediumの名のごとく、Twitterなどのマイクロブログと、自分の領域であるブログの中間を狙ってるようにみえる。
ただ、双方の良いとこ取りを狙えるが、中途半端な存在になってしまうのではないかという危険もある。そこにどのような付加価値を付けるかだが、そこは、クローズドベータの段階で、プロのジャーナリストや著名なライターや作家に声をかけ、質の高い文章を集めていったところで、コンテンツの質を保とうとしたようだ。
また、面白いのは、ユーザーに対して独自のアルゴリズムや人の手による評価付けをして、コンテンツを見つけやすいようにする仕掛けがあることだろう。
Mediumにログインすると、Reading Listが表示される。いわば、Twitterのタイムラインのような存在だが、ここに興味のありそうなコンテンツが表示されるようだ。
Twitterのアカウントと連携しているので、Twitterのフォローやフォロワーの情報も加味はされているだろうが、Twitterのようにフォローしている人だけではなく、アルゴリズムなどを通して、興味のありそうなコンテンツをピックアップしてくれるのだろう。まだまだ、日本語のコンテンツは少ないのだが、機能すれば面白い気がしている。
もう1つ面白いのは、コンテンツ全体だけではなく、段落ごとや選択した文字に対してコメントを残せる点だ。コメントは自分だけのメモとしても機能するようだが、公開もできるようである。選択した文字はTwitterにポストもできるようだ。
ブログと違ってコメント欄や懐かしいトラックバックという機能はないが、最初からソーシャルメディア(特にTwitter)ありきの設計になっているのが大きな特徴のような気がする。
現在のWebマーケティングの主流は、自社のコンテンツをストックして育てていく方向にあると思うがゆえに、Mediumのようなサービスは中途半端にならないか危惧していたが、Mediumには「媒体」という意味もある。
Twitterなどのマイクロブログと、ブログの中間の存在として、コンテンツ提供者がソーシャルメディアを通じて世間にアピールする媒体として上手く機能すれば、このMediumは面白い存在にはなるだろう。
同じように、著名人などを集め、日本版も開始したハフィントンポストと、良質のコンテンツを提供するという目的は近くも思えるが、やはりハフィントンポストはブログであり、Mediumはもっと気楽な存在であると思える。
問題は、一般ユーザーにも開放したことで、質が保てるかどうかだ。特に、日本語のコンテンツには「プロ」に先行して登録してもらい、コンテンツの質や方向性を作ることをできていないので、Mediumのめざす、質の高いコンテンツが作っていけるかどうかが気になるところ。
きっと、アルゴリズムの出来が左右するような気はしている。
個人的には応援したい。