東武線牛田駅と大晦日の浅草
大晦日の浅草に行く話。
我が家には行事が少なかった。お盆や正月なると父親の実家にいくか、大晦日になると浅草に行くというくらいだった。
浅草に行くには隣の関屋駅から東武線の牛田駅に乗り換えていくのだが、お互いの線路は交差しているし駅も歩いてすぐの距離にもかかわらずホーム同士で接続しない作りになっている。
牛田駅は京成に比べてもかなり古めかしく(当時は木造だったはず)、夜になるとかなり暗く、蛍光灯の白い明かりが構内の薄緑色のペンキで塗られた壁に反射して不気味な感じを出していた。
いつだったか覚えていないが、これも小さいときの記憶だ。母親と姉と自分だけで大晦日に浅草にでかけた年があった。
今夜は大晦日だから電車が朝まで動いてるんだし、電車にのって出かけようという話になった。
母親と姉と自分だけでの深夜のお出かけで、とても寒くて、大晦日だけの二十四時間運行の電車にのって(終電以降の電車に乗れる日は年に一度)とワクワクしていたその日は、いつもなら不気味だと感じていた牛田駅がとても魅力的に感じた。改札を通る時には、はじめて行く遊園地にでも入るのかという位楽しい予感をもっていたのを覚えている。(今思うと簡単に興奮する子供だ)
浅草につくと、初詣でごったがえす雷門から浅草寺までの行列客にまじって並んでみたり、密集している小さな呑み屋を外からのぞいて歩いたりした。途中で美味しそうなキムチを売ってるお店でチャンジャを買ったのも覚えている。(過去食べた中で一番美味しかった、多分初めてたべたチャンジャなので思い出補正なのかもな…)初詣をしたかどうかは定かではないけが、浅草寺のもうもうと煙をだしているやつの匂いと、、おみくじを引いた記憶があるので、かなり近くまでいったんだろう。
さんざん浅草散策をした後、その日は肉ぎらいな父親が一緒ではなかったからなのか、三人でおいしく焼肉を食べて帰った。
大晦日には電車にのって出かけないともったい無いという気持ちを今でも持っているんだが、たぶんこの頃の記憶が原因だ。
深夜の電車、乗ったことない人はのってみるといいかもね。
