Takahashi Kayoko
5 min readMay 28, 2015

Ingress で歩くという移動手段を”取り戻した”件。

Ingressを始めたのは、iOS版リリース当日かそれくらいで(2014年7月11日にリリース)OSMの古橋さんと電車で移動してる時に「こういゲームが始まったんだ」と教えてもらったのがきっかけでした。

当時はそれほどポータルも多くなく、間隔の開いたポータルとポータルの間を歩くことがそのうち日課になりました。

今は世田谷の野沢に住んでいるわけですが、いまやポータルの数も多く、ポータル三点を結んで塗り絵をするためにえーとこことここをつなぐとでっかいのができるな〜といっては歩く、、的なことを繰り返しているうちに、ここ数ヶ月は1日に3万歩、少ないときでも2万歩くらい歩くようになりました。

この変化には自分でも驚いていて、もともとはインドア派の引きこもりです。うごくのきらい。その昔ロードレーサーに乗っていた頃は1日100キロとか走っていた時代もありますが、自転車でさえも10キロも走れば「遠いところに行った」というイメージ。

Ingressというゲームは「実際に歩いて移動」に最適化されていて(都内については)。今は、妹から譲ってもらったミニサイクルなども持ってはいるのですが、それでも基本は歩いて移動しています。

少し前まではちょっと遠い近所はバスに乗ったり、電車を利用していたのですが、、、やってみたら「なんだ歩けるじゃん!」という事実を知ってしまったのです。わざわざ公共交通機関を使うより、自分の足で歩いた方が好きなところで立ち止まれるし、好きな方向に行けるし、街の様々なことに気がつく機会がとてもとても多いのです。

かくいう私、かつてはDr.Sのウォーキングインストラクターの講座を受けて1年間無償ではありますがクラスを持っていたことがありまして、それはそれで面白かったし痩せたんですけど、当時もたいした距離は歩きませんでした。

こうやって歩くようになってみて「歩く」というのは器質的な能力より「頭の中にどこに行くかが考えられるための地図があり方向性をもつこと」(これが情報なんだな)ことなんだと気がつくわけです。素晴らしい歩き方を覚えるより(これもよいのだが)、Ingressによって脳内にIngressという地図がインストールされたことによる変化の方が格段に大きかった。

Ingress以前は、公共交通機関を起点にして「ここから何分」という位置認識だった。が、いまは自分を中心に半径何キロに何があるか、別の地点にあるどことどこが等間隔なのかみたいなことをポイントを変え何度もなんども見てそして実際に何度も歩くことで、俺地図の深度が深まっていくわけでその結果、1日10キロの徒歩移動は当たり前になってしまいました(まぁ時間もかかってますが)

振り返ってみれば、いつのまにか公共交通機関というテクノロジーに、「歩くという移動手段」を知らない間に奪われていた(預けていたというのかもしれないけど)んだなぁと気がついたのがイマココ。それを取り戻させてくれたのもGoogleさんのテクノロジーであるわけですが。(今度は、Ingressのポータルに飼われているというらしい)

さらにゲーム的には青と緑で互いにポータルを奪い合い、線を引いて色塗りするのですが、その地図は時間とともに刻々と変わっていく。同じ土地なのに日々その地図は動き変化し続ける中で、自分のいる場所と行く場所を見つけていくこの繰り返しが、地図を通して地域の理解を深めてくれています。

久しぶりにお会いした方々にはこぞって「痩せた!」(当社比)と言われますが、痩せようと思って痩せたわけでもなく、Ingressで歩き続けた結果でございます。(Ingress友達はみなさんほんとうに痩せてしまっております)

今更ですが人の動きは与えられた「情報」によって変わるのだなということを身を以て体験しているわけで「空間情報科学」恐るべし!と思った次第です。

先のニコニコ超会議にて「ニコニコ学会β」第8回シンポジウムで空間情報をテーマとした「空間と凸凹と私」というセッションのコーディネーターを務めさせていただきました。私にIngressをインストールした古橋さんが座長として展開してくださいました。当時のニコ生のチャンネルへのリンクもありますので、気が向いたらぜひみてみてくださいね。

■ニコニコ学会β 1stセッション「空間と凸凹と私」

http://niconicogakkai.tumblr.com/post/115894754871/1st-more-4-25-13-00-14-00

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