かっこわるくても
四苦八苦。
生老病死と愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦。
人が生きることは、苦しみを抱えることとイコールです。苦しみから逃げようとすれば、自分の人生から逃げるしかなくなります。だからまあ、そういうものだと受け止めるしかありません。
でも、それをいくらか小さくすることはできるでしょう。
一番手近で厄介なのが、「理想の自分」というやつです。それが現状の自分と乖離していればしているほど、得られない苦しみは大きくなっていきます。
ただし、たった一度だけでも、「かっこ悪くてもいいじゃん」という気持ちを受け入れれば、その苦しみはずいぶん小さくなります。使いすぎた石けんみたいに小さくなります。
もちろん、理想を捨てる必要はありません。あこがれは灯台のように機能します。自分の道行きを照らしてくれます。でも、それはそれとして「今の自分は、今の自分でしかないからな」と受け入れれば、乖離による苦しみはぐっと減ります。
へたくそだろうが、かっこわるかろうが、今の自分にできることは今の自分にできることだけです。ただ、この事実を受け入れればいいのです。最終的な着地点が、とても上手なものだったり、かっこよい姿だったりするのは良いでしょう。でも、そこに至るまでの道のりは、やっぱりかっこわるいのです。
ただ、そういうのは不思議とかっこうわるくはありません。かっこうわるいけど、かっこうわるくないもの、というのがこの世の中にはあるのです。ええ、ほんとに。