冥王星を最初に探険するというミッションのなかでも本当に最高の瞬間でした。太陽系でも冥王星やその衛星はそれまでミステリアスでしたので、ニューホライズンズ号の探索が教科書をすべて書き換えると思われたのです。 – アラン・スターン
色彩を増幅させて見ると、冥王星の氷に満ちた世界は、単調で控えめな色調だとはとても言えないのがよく分かります。
また、こちらの天然色では衛星のカロンがくすんだグレーなのに対して、冥王星はもっと赤みが強いですね。
色彩を増幅させると、冥王星の至る所でこのような赤みの強い地域が存在することが分かってきました。
起伏に富んだ平地が広がる冥王星のハート型の地域は、氷のシャーベットのような山や蒸発が進む窪地によって削り取られた窒素の氷によって平らな表面が形成されており、ほとんど色調に変化がありません。
そのハート型の地域の外れにはもっと山がちな地域が広がっていて、地形も色調もわずかに違いが出てきました。
氷の山からなだらかな窒素の海へと移り変わるにつれて、これら2つの地域の境界付近では違いが顕著に出てきます。
しかし、最も顕著な色彩の多様性はクレーターが山脈に沿って存在する辺りで見られます。そこでは窒素と水が太陽光で昇華する一方で、メタンの氷は全く異なる反応を示しています。
すなわち、太陽の紫外線はメタンをイオン化し、その一連の作用によってソリンが生成されます。そして、そのソリンが赤色の炭化水素化合物としてそこらじゅうに沈殿するのです。
また白く見える地域は、真新しい白色のメタンの雪がソリンに富んだ地域を覆っているのです。
次回、私たちが冥王星を訪れる時は、見える色彩が今とは大きく異なっていることでしょう。
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この記事は、Forbesに最初に掲載されました。もしよろしければ私たちのフォーラムにコメントを残してください。また、私たちの初めての本:Beyond The GalaxyやPactreon campaignをチェックしてみてください。