高卒板前でもデジタル領域で社長になれる話

2015年に独立し、2016年末より法人を持ち、先日法人としてのサイトも立ち上げた。つまり私個人とは別人格の事業体を正式に持ったことから、内藤伸介個人としてのアウトプットの場を持ちたいと思い、複数候補のなかからmediumを採用し、発信および記録として活用していきたいと思う。
第1回目の記事に何を投稿しようか考えたのだが、初めて会う人に自身のユニークな経歴をとにかく聞かれるので、そこに触れながら「キャリア設計」というものについて考えていることをまとめていきたいと思う。

社会人としての経歴

18歳、2004年に実家近所のホテルにある和食料理店で働き出し、社会人として14年目の2017年末を過ごしている。
2010年まで和食料理店、寿司屋をはじめとし、知人の店にヘルプ(和食用語でスケ)として蕎麦、天ぷらなどの複数専門店で調理経験を積み、2010年秋から今のデジタル関連の仕事に転職をした。転職当時はアルバイトで、貯金もつきていてそれだけでは飯も食っていけない状況だったため、2011年春頃までは金曜夜と土日は西麻布の寿司屋にスケに入って食いつないでいたりもしたものだ。

転機

転職活動当時は24歳。割といい年齢かつ社会人経験も長く、実績も何もないのでとにかく書類と面接に落ちまくったものだ。書類落選が100件を超えた段階であまりにも通らないうえに手書き履歴書を書き続けて手首も痛くなったので、「どうせアピールポイントなんてないんだからおもしろいことを書いてやろう」と思い、自身が現役の板前であることと、AB型で左利きであること、趣味や思想を履歴書に詰め込みまくった。
するとおもしろ枠として書類がある程度通るようになったが、今度は面接で受からない。面接にいけるようになった当初は柄にもなくスーツを着たりもしたが、途中からそういうのも辞めた。とにかく自分らしくやることにして、当時は左耳にいっぱい空いてたピアスも全部つけて、好きなバンドのTシャツやワッペン、缶バッチをつけて面接にいったものだ。
2010年春に資金が尽きて転職活動を一旦やめ、お金に困った私は昔の先輩が働く西麻布の寿司屋に期間限定で働き出した。その年の秋に最終挑戦として転職活動を再開。ダメだったら海外で料理してやろうと思っていたら、転職一社目になるUNIZONBEXに、ディレクターとして拾ってもらった。

面接当時、「では本日はこれで、結果は後日に・・」と、後の先輩になる面接担当者がお決まりの言葉を発し、ああ落ちたなと思ったときに社長が放った一言。
「1つでいいから最後に質問して。質問しなきゃ帰れないと思っていいから。」というのが、自身のキャリア設計において、もっとも大きく明確な分かれ道だった。
その言葉に対して、「なんで何にもない自分に会ってくれたんですか?」というシンプルな質問をしたのをはっきり覚えている。詳細は省くが、そこから話が広がり、内定をもらった。
実は当時デザイナー志望で、ディレクターという職種のことを一切理解しておらず、Adobeを使うつもりだったのにOfficeとメールしか触らない日々に入社からしばらくは困惑していた。結果としては正解だったのだと思う。

いまの状況があるのもすべては、あのときの社長の一言であり、感謝してもしきれないのである。ありがとうございます。

なぜこの業種にきて、なぜ今もやっているのか

転職をした前年の23歳といえば、誰もが悩む年頃である。私も例に漏れず悩んでいた。いま思えば冗談半分でやっていたバンドもやめて、じゃあ料理を突き詰めるかというとそういう気持ちもなかった。
同期の調理師はこの年齢くらいに、カウンターで立っても恥ずかしくないくらいの、最低10万はするいい包丁を買いだす。私はそれを買うくらいならとびきりのギターを買いたかった。しかし、バンドもやめてしまった。どちらもやる覚悟もなかった。
また、大学に進学した同級生が新社会人として出発をした。学業に努力をしっかりした人たちは、当時外の世界に対して無知な自分でも知っているような有名企業に働き出した。それなのに、自分には何もなくなってしまったのだ。

転職の理由を聞かれた時に、冗談半分で「地元の刺青入ってる友達がやってる仕事がWebデザイナーということを知り、Webデザイナーってのは刺青も入れていいし髪も服装も自由なのか、と思ったから」と言っている。これは業種に対してのきっかけとしては本当なのだけど、一念発起で転職をしようという決定材料ではない。
一生続けれる仕事を見つける。やるからには稼ぐ。そのためには自分の強みと好きなことと向き合って、強みを伸ばしていける仕事を選ぼうと思った。当時分析した自分の強みは論理的思考力と吸収力であり、好きなことはインターネットと音楽やアートなどのカルチャーだった。Webデザイナーをやっている地元の友達が一番最初のきっかけではあるが、デジタルを取り扱う仕事に決めたのは自然な流れで、だからいまもなんだかんだで続けられているのだと思う。

これまでのキャリアにおける3つの転機

現在31歳、社会人14年目の私にとって、キャリアの大きな転機は3つあった。

まず、超がつくほど無礼で適当で生意気だった私を徹底的に『社会人』にまで育ててくれた飲食業界に入ったことだ。
技術や知識は言わずもがな、もっとも学んだことは、どんなに小さな仕事でも妥協を許さないことと、みんなが面倒でやらないことを自分がやること。その後のすべての仕事にこの精神は活きている。

2つめに、前述のとおり、UNIZONBEXに拾われ、この業種に入れたこと。
入社時に行うPCへのソフトウェアインストールやメールの設定はおろか、そもそもタイピングもまともにできない人間に入り口を提供してもらい、案件にアサインしてもらうことでたくさんの成長機会をいただいた。

3つめに、デジタルエージェンシーFICCに拾ってもらったこと。
忌憚のない言い方をすると、FICCの事業内容に対して、採用可否にあたって重要な指標になる実績はほぼないに等しかった。1次面接は応募職種に対して完全にミスマッチだったが、面接を通して「向いている職種がある」と、プロデューサー職でチャンスをもらい、最終的に内定までいただいた。
Webの制作ディレクターであった私にとって、マーケティング領域であるプロデューサー職についた当初は未知の横文字や3文字英語に苦しんだりもしたが、本当にたくさんの成長機会をいただいた。
誰もが聞いたことある数々のブランドとの直接取引のなかでマーケティング戦略設計を担当させていただいたり、自身が担当したプロジェクトがたくさんの業界誌に掲載されたり、セミナーに登壇したり、つい数年前まで飲食店で調理をしていた人間にはとても想像できないたくさんの経験を積ませていただいた。
育てていただいたのに出ていくことを決めた私の意思を理解いただき、背中を押してくれたFICCには感謝してもしきれないです。ありがとうございます。

なぜ独立して、いま何しているのか

ここまで読んでいただいてお気付きのかたもいるだろうが、私はというと、キャリア設計という観点で計画性があるようであまりない。2015年に独立したときもそうだ。

交流のあるかたは知っているのだが、独立直前は普通に転職活動をしていた。デジタル領域を取り扱う企業として常に最前線に立つ優秀な会社に在籍していたことから多くのことを常に学べていたのだが、そこではできない新たに学びたいことがあり、そのために別の環境を求めていた。そこに入るためのきっかけを探っていた。どうしても入りたい会社はなかなか窓口が見つからず、他にも数社お会いさせていただいたのだけど、学歴という壁がここにきて立ちはだかってきた。

高卒でまともなやりかたでいけるのはここまでなのか。それならまともな方法ではないことをやろう。つまり、キャリアを自分で作ってしまおうということと、せっかくなら思いっきりやりたいことをやろうと思った。そうして、2015年にRONKIWAWORKSを立ち上げた。つまり、営利団体としてのヴィジョンなど何も持たずに始めたのだ。

法人化したいま、何を考えているのか

ここまで振り返ってみて、改めて私という人間はいわゆるアントレプレナーシップのようなものとは正反対にいることがわかる。経営者として、社会に対して何かを残したいという崇高な思想など到底なく、自分と半径3mが豊かで幸せであることを重要視している。

それは法人化をしたいまも変わらない。お取引をさせていただいているクライアントと、協力していただいているパートナー、つまり半径3mに対して仕事を通して全力で向き合っている。私なんかに関わっていただくみなさまに絶対損をさせたくないと思っている。
そのために自分自身の成長には常に貪欲でいたいと思うし、自分が関わらせてもらうからこそ、どんなに小さな仕事でも、他の誰にもできないことを常にギリギリまで追い求めたいと思う。

ビジネスというのは時に打算的にならなければいけないときもあるが、こうして振り返ると改めてこれまで関わっていただいたみなさまへの感謝しかなく、だからこそいまのスタイルを大事にしたいと思う。

これが弊社のタグライン「DIGITAL PLANNING LABEL」に込められた思いであり、これからも引き続き実行していく弊社の事業活動なのです。

つまり私というのは、自分一人では成長できないくらいにはいい加減で普通の人間なのです。たくさんの人に助けられ、影響を受けて、今日に至りました。

これからも変わらず半径3mに対して真摯に向き合い、そのときに自分のできること、これから自分がやらなければいけないことを常に考えながらやっていこうと思っています。

最後に

記事主題とは関係なのですが、3点あります。

1点目:このブログでなにを書いていくか
この記事は一発目なので、これからどういうことを書いていこうかということ。あまり決めていないのですが、今回のように初めてお会いする方に仕事内容含めいろいろ聞かれることをまとめたり、学んだことをログとして残していこうと思っています。

2点目:弊社は常にパートナーを募集しています
そういえば表に出していなかったのですが、弊社はパートナーを常に募集しています。事業拡大というわけではなく、クライアントへ提供できるバリューをもっともっと増やしたいというのが大きいです。

3点目:いろんな方とお会いしたいです
もともと人見知りなうえに独立してからというもの若干こもり気味だったのですが、ここ最近人と会ってお話することの重要性を再認識しています。気軽に弊社へ遊びにきてください。気が合えば、一緒に1日限定居酒屋を開店することもできるくらいには自由でオープンな場所です。