イノベーションは危機感から生まれる

F Ventures 両角将太
2 min readSep 16, 2015

イスラエルから帰国しました。今回、イスラエルで開かれたDLDに参加してみて、様々な国のスタートアップと話してみて、危機感を非常に感じました。それは危機感がないという危機感です。

たしかに、市場が大きい日本国内だけで十分ビジネスになるので、あまり海外を見ようとしません。でも、イスラエルや韓国は元々市場が小さいから海外を見なければなりません。だから、英語ができる人が多いし、結果的に海外志向な時点で市場規模に大きな差が生まれます。結果、日本からユニコーン企業は出にくい環境に陥ります。危機感を感じなければなりません。ますますどの産業でもIT化が進み、スタートアップにとって国境はもう関係なくなると思います。

一方で、イスラエルでは危機感からイノベーションが起きてきました。雨が降らない環境であるため水資源の枯渇が大きな課題でした。その課題を解決するために、海水の淡水化技術、灌漑農業、空気から水を作り出す技術、など農業技術が発達しています。いまや自給率は93%以上と、日本の68%よりはるかに高いです。

また、イスラエルは敵国に囲まれているから軍事・防衛技術が発達していて、おかげでセキュリティ、画像認識、ロボティクス、ヘルスケア、分野が発達してきました。鉄壁に守られており、日本と同程度の安全を確保できています。

もっと日本は危機感を持つべきだと思いました。かつて、日本はイノベーション大国で、自動車などの製造業やインフラ事業では世界でも存在感のある大企業が多数生まれていました。ただ、イノベーションが起きて、便利すぎる世の中になってしまった今は不便さをあまり感じなくなり、危機感も感じなくなってしまったのかもしれません。

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F Ventures 両角将太

福岡拠点のベンチャーキャピタルF Ventures代表。東京やサンフランシスコでも、シード期スタートアップへの投資活動しています。大企業のオープンイノベーションも企画・運用のお手伝いしています。投資相談や協業相談はこちらまで→info@f-ventures.vc