雨の日には歩きましょう。普段とは違う街並み、風景があなたを迎えてくれます。
それは、雨に濡れ、いつもより緑の深みを増した、
いつもの公園の木々かもしれません。
はたまた、道端の上にいくつも現れる、
銀色の空を映し出す水たまりかもしれません。
見るだけではなくあなたは聞こえるでしょう。
次々と屋根に当たっては弾ける無数の雨を。
猛々しく流れる、近所の川を。
いつもより無口な、街ゆく人々の息遣いを。
彼らは、いつもとは違う音を聞くために、
いつもより少し、静かなのかもしれません。
そしてあなたは感じます。
その体のそばに水の気配を。少し不機嫌な風を。
そしていつもとは違う時間の流れを。
人はそれぞれが自分の時間を生きています。人と同じ時間は存在しません。
走るように時間を生きる人。
スキップしながら調子よく進む人。
のんびり休みながら歩む人。
時には、自分の時間とは違う、時間を体験してみませんか?
雨の中を歩くと、自分の時間とは異なる時間を発見できるかもしれません。
いつもの世界で、いつもとは少し違う世界を発見できることを、僕は願います。