リクルートとマッキンゼーを経て起業しました

Ryosuke Eguchi 江口 亮介
15 min readMay 26, 2019

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こんにちは、はじめまして。江口 亮介(えぐちりょうすけ)と申します。
この度リクルートとマッキンゼーを経て起業に至りました。

「TERASS(テラス)」という会社を立ち上げ、不動産/住まい領域の事業をやります。最後にご紹介させていただきますが、 コーポレートサイトもできているので、ぜひご覧ください。
https://about.terass.com/

まだ起業・シードラウンドの調達を受けただけで、まだまだ何も成し遂げていない私が起業について語ることもはばかられる部分ありますが、 リクルートからマッキンゼー、そして起業という現キャリアの中で、以下の人たちに参考になればと思い筆をとりました。
(また、以下内容についは私自身が経験をしたことを基に記載していますので、必ずしもその企業・業界の実態を示しているわけではない可能性があることをご考慮ください。)

「スタートアップ・起業に興味がある」
「キャリアの選び方について悩みがある」
「事業会社→外資系戦略コンサルというキャリアに興味がある」
「やりたいことが決められない・見つからない」
という方に特に読んでいただければ幸いです。

自己紹介

新卒リクルート
→ SUUMO営業配属(3年)
→ web企画(2年弱)
→ McKinsey & Company (Digital McKinsey) Associate ~ Manager (2年強)
→ 起業

というキャリアです。

(まだあまり知られていませんが、デジタル領域に親和性の高い人が集まったDigital McKinseyというチームがあります。こちらのNews Picksの記事に詳しいので、興味ある方はぜひ御覧ください。)

新卒リクルート

Photo by freddie marriage on Unsplash

なぜリクルートに入社を決めたか?
・特にやりたいことが明確ではなかったので、様々な業種の事業を行っている企業が良かった
・その中でも、若手でも責任がある仕事を持て、年功序列ではなく実力次第でその成果が評価されそうな会社のほうがやる気がでるはず
・社会的な意義がありそうなビジネスを行っている(そのため当時流行っていたガチャゲーム関連の会社は受けたものの違った)
・インターネット/メディアビジネスに興味があった(学生時代、イベント・フリーペーパー運営していた)

リクルート入社時は、よくある話ですが3年でやめて起業しようと思っていました。リクルートといえば営業だろということで、営業希望かつ、扱う商材の金額が高いものがよいということで、人材領域か住宅領域の配属を希望しました。
結果はSUUMO営業、SUUMOの広告枠を不動産事業者様向けに提案・制作手配をする役割。当初の担当は湘南エリア。

しかし、自信満々で入ったものの、なんと入社以来11ヶ月(1年目の2月まで)、一度も4半期ごとの営業数字(経目)が達成できない最悪の立ち上がり。
見事に鼻を折られた経験でした。
ただその後、12ヶ月目で初めて営業目標達成した後、約2年間は苦労もありましたが営業目標を定常的に達成できるように。

この時期の立ち直った経験や学びもぜひお話したいところではあるのですが、ここでは長くなるとあれなのでそのころの自分を簡潔にいうと、、
辛いし売れないわで早く成果を出して企画に行きたいという自信も打ち砕かれ、辞めてやろうかと思っていた社会人一年目の9月。

そのころは、営業なんて自分がやりたいことじゃない。と、じゃあ自分のやりたいことってなんだっけ。のハザマ。ただ、ここで逃げ出す自分は好きじゃない。というか、こんなに自分がうまくいかないのは、何かがおかしいだろと笑

そこから、良い意味で開き直ったというか、先輩方に助けてもらいながらクライアントの役に立とうと本当に思うようになった心情の変化があり、うまく回っていくようになりました。

その後大手企業も担当させていただくようになり、営業として3年間を経験した後、希望が叶いweb開発・企画の部署に。
担当商品の売上/利益増加をミッションに持ち、開発企画・予算獲得・開発要件定義・営業推進などを2年間担当しました。

転職してマッキンゼーに

なぜマッキンゼーへ転職したか?
・したいことは引き続きないが、とはいえは住宅領域に5年いたので、他の業界・業種も体験したかった
・営業・web企画ときたので、戦略や買収など、中長期の事を考える経験がほしかった
・グローバルで働ける経験を手に入れたかった(自分が知らない世界があるのが嫌だった)

上記の希望を満たせるであるグローバルコンサルティングファームへの転職活動をしつつ、同時にリクルート社内でグローバル関連の部署へ異動させてもらえないか働きかけていたりもしました。その中でご縁がありオファーを頂き、なんとなく私もフィット感を感じ、転職を決めました。

ここでの経験も語れば長いですが、、戦略・マーケティングとM&A(DD, PMI)関連のプロジェクトを主に担当させてもらい、転職理由で求めていたこと当然満たせ、そしてそれ以上に沢山のことを得れた非常に良いでした。

ちなみに私は帰国子女でもなく、英語は大の苦手でした。が、昔からそんな自分がいやで、リクルート2年目くらいから約3年間自主学習をしていました。入社後もとても苦労しましたが。。ここは別記事で語りたいくらいですので、このへんで。

2社ともに、入社前の期待通り本当に素晴らしい会社で、そこで働けて本当に良かったです。
どちらもエキサイティングな仕事がしたい、また「仕事の報酬は仕事」として成長したい、と思っている人には心から人におすすめできる組織です。

ちなみに、あまり共通点がなさそうな2社ですが、どちらも経験してみるととても似ていると私は思います。(リクルートは分社化して、各事業会社でかなり色が変わってきているようなので、あくまで参考ですが)

  • 主体的に行動することが求められる
    例: リクルートが好きなことば=圧倒的当事者意識、マッキンゼーLeadership
  • 非常にオープンで比較的フラットな組織(完全なフラットというのは組織として機能しないと思っています)
    例: リクルート=よもやま、マッキンゼー=1on1

当然、業態は全く違うので日々の働き方も異なりますが、組織/働き方の根底となる部分が似ているため、転職後大きく戸惑うこともありませんでした。英語以外。

なぜ起業に至ったたか

エージェントからの助言がきっかけでした。
自分のキャリアを振り返り、これからどうしようかな。を考えるために、適度な頻度で転職エージェントと会って話すことはオススメです。

全く転職の意図なくエージェントの方の時間を奪うのは良くないですが、「今の会社で引き続き努力しよう」、もしくは「このポジション/こういったことを経験するまではまだ頑張ろう」と、転職につながらなくても目標を再設定できる機会にもなります。

私の場合は、昨年2018年の夏、まとまって休暇を頂いていたため(一定期間における給料を減らしてまとまった休みがもらえる制度があります。大変良いです)、日系・外資、複数のエージェントと連絡をとってカジュアルに話をしていました。

その際、スタートアップ専門の転職エージェントであるFor Startups 清水氏ともビズリーチ経由で連絡を頂いたことをきっかけに、お会いすることに。

イケてるスタートアップの話でも聞きたいな、と思っていましたが、しばらく話をして

「江口さん、起業したほうがいいですよ」

と。そう言われ、
ふと、「そういえば自分、昔起業して自分でやりたいと思っていたな」と。そしてシード期(創業~立ち上がり期)向けのベンチャーキャピタルがあることを知り、紹介していただくことになりました。

転職エージェントがそんな(起業促す)こという?と思いましたが、ただその一言が新卒のときに抱いていた気持ちを思い出させてくれました。

なぜ起業したいと思っていたか?

話は前後しますが、前述のとおりリクルート入社時から3年で辞めて起業するぞと、今となっては特に根拠もなく息巻いていました。

私の家系は事業家/個人事業主/クリエイター系が多く、むしろ会社従業員がマイノリティーだったことが根っこにありつつ、

社会に「自分が」インパクトを出したい

という思いがあり、ぼんやり起業を志していました。ただ会社員になってからは、前述したとおり特に最初の1年間はそれどころでもなく、ただ営業として大事なノウハウと考え方を学ぶことができました。

ただリクルートという大きな組織・媒体運営に携わることで、今あるものをより良くするというのもまたとても意義のあることで、エキサイティング。そして社会的インパクトも大きいのではないか。そして実は自分にはそちらのほうが合っているのではないか、という思いがあり、「プロ経営者」を目指すキャリアとして経営コンサルタントへの転職を考えました。

ただ、起業をして事業を成長・成功させている友人や周りの人を見ながら、彼らに対する尊敬と憧れは未だあり、リクルートから転職して1年半が経ったころ、再度起業を志すことに。

数ヶ月間のディスカッションを経て

紹介されて数社のベンチャーキャピタル・投資家の方とお会いしました。その時は、特に固まった事業アイデアもなく。ただ手ぶらはさすがにアレなので、自己紹介とA4紙に3つくらいのふわふわなアイデアをベタ打ちで書いてミーティングを。最初書いた3つのアイデアは今や跡形ないですが。

そのときに出会ったのが、後に出資も頂くこととなるインキュベートファンドの村田氏。私が詳しくて好きな不動産領域を深ぼってみよう。ということで、そこから週1~隔週のディスカッションを定期的にすることに。アイデアも特にないこの私に時間を割いてもらえることが大変ありがたかったですし、毎回それなりのアウトプットを出せるように準備、議論を繰り返していきました。

とはいえまだまだ働いている身だったので、毎回早朝に時間いただき、その後出社するという流れ。宿題というか、それなりに自分で調べる・インタビューしたインサイトを持ち寄ってなので、休みの時間を使いながら事業アイデアを練り、解像度を高めていきました。

結果的に、住宅関連のアイデアに落ち着きましたが、社会人1年目にときにまさかこうなるとは思いもよらなかったでしょう。住宅・不動産なんて興味ないと思っていた自分が。ただ、「知る・好きになる・もっと知る」とはよくいったもの。経営コンサルティングという幅広い分野を扱っていたからこそ、一つの業界について深い知識があるからこその強み。そしてこれは解決したいという「やりたいこと」が生まれてくる感覚がありました。

そして冬頃、これはいけるだろう。やってみないとわかることはあるけれど、これはやってみたい。と思えるアイデア・アプローチが固まり、出資するからやりなよ。と。
まじか、と思いながら、ここまで来たらやるしかない。そしてやってみたい。

ただまだその時のプロジェクトも担当していたので、責任をもって遂行しながら、仲間探しなどの準備を進めていきました。

また、この事業やるなら、エンジニアと一緒に始めること。とも。確かになと思い、リクルートの同期のエンジニアや知り合いに当たりながら、紹介してもらったのが現CTOのMasa。少し話せばわかる頭の良さと、自分と違うタイプだからこそ良い。とはいえいきなり言われても、だと私も思うため、時間をかけて話をしていき、共に起業するに至りました。

まとめ:キャリアの考え方について

Photo by Toa Heftiba on Unsplash

私はここまで、「したいこと」がない人間でした。ただ、「なりたい自分」像があり、そこに向けて努力をしてきている人生だと思います。

様々な意見があるかと思いますが、「何をしたいか(What to do)」、がない場合は、それを無理やり作る、ないことを悩むよりは、自分は「どうなりたいか(What to be)」を考えるほうがよいと思います。

・どのようなオトナをかっこいいと思うか
・どんな状態の自分でいたいか
・年収は最低どれくらいほしいか
を考え、言語化するのがいいでしょう。別に仕事に関する目標でなくてもいい。素敵な家庭を持つことの優先順位を上げるのならば、そのためにその時点でやるべきことを設定して、アクションしてみる。努力してみる。

ここで重要なのは、「人に嫌われる勇気」で言われたように、「承認欲求の奴隷」になっていないか。
いわゆる、親、友人に「すごいね」と言われることを目的としていないか。そんなものは一時的なもので、いざ入社してみると日々日々の業務は地味で辛いものが多く、何を目的として働いているのか見失ってしまうでしょう。

例えば、広告事業が好きで、大手広告代理店に入った人は、仮に配属が人事・総務だった場合に、離職するでしょうか?
もちろんその先に異動もあるので数年は我慢しながらも、という人もいるかと思いますが、「その会社自体・企業文化が好きで、そこにいることが自己実現になっているから」「 自身で目的や理由を明確にできている状態」という状態のほうがよいでしょう。
このような理由からも、「どのような人になりたいか」を考え、そこに向けてそうなれるように努力することを私はしてきたと思います。

そして、もう1つ。定期的にそれを見直す。
今自分はなりたかった自分なのか、もしくはその過程にのっているのか。目標はまず設定することが大事で、変わっても良いのです。

そして道のりの中で、やりたいことが生まれれば、それに向かって進むのがよいでしょう。

何をやるか?

TERASSという会社を立ち上げました。現在役員としてCTOのMasaと、村田氏、そしてパートタイム的に手伝ってくれている5名とで事業を作っています。

起業/事業を作ることは手段であり、その結果成し遂げたい・変えたい未来があってこそ。

私は、住宅業界に携わりながら、自分でも居住用・投資用と不動産を購入し、リノベーションを2度経験し、売却もそして過去民泊運営も経験したきました。その中で感じた、住まい探し・生活をもっと美しく自由になるはずだ。そんな未来を作るために事業を作っていきます。

詳しくはサービスができてから伝えさせてもらえればと思いますが、ラグジュアリー・ハイエンド向けの物件に特化したメディアと業務支援サービスを開発中です。「美しい暮らし」を実現するための事業を展開していきます。

仲間募集中です!!!!!

- 超創業期のスタートアップで事業の立ち上がりから拡大を経験したい方
- 住宅・暮らし関連事業に興味がある方
- リクルート・マッキンゼーでの働き方を基にした組織で働いてみたい方

フルスタックエンジニア・デザイナー、プロダクトマネージャーを主に探しています。興味ある方はまずはご気軽に連絡いただければと思います。

https://www.facebook.com/egurieguri
https://twitter.com/eguri

また、学生インターンも募集中です。同様にお気軽にご連絡ください。

おまけ:不動産テック勉強会イベントで話します

2019/06/17 (月) 19:30~

Incubate Fund主催の不動産テック勉強会で私も一部話します。事業検討の際に、海外の不動産テックサービスをだいぶ調べたこともあり、知見を共有できればと思っています。

https://realestatetech-617.peatix.com/

お申込み好調につき、現在一般申込みはすでに締め切らている状況ですが、もし個別にご連絡いただければお席用意できるかもしれませんので、興味ある方はお早めにご連絡ください!

最後に僭越ながら、我が家です。リノベーションも、2回経験するとより理想の家造りができる。ただ最初はよくわからないので、相談に乗れるパートナーになれればとも思っています。

それでは、また。

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