サークル内部サイト”mates”制作を通じて自分の欲について考えてみた

Ryuichiro Akashi
9 min readDec 16, 2018

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みなさんこんにちは。明石龍一朗(あかしりゅういちろう)と申します。

designing plus nine(以下”DP9”)アドベントカレンダー16日目担当させていただきます。よろしくお願いいたします。

この記事では僕が言い出しっぺとして作った”mates”というサークル内部サイトの制作に当たる経緯と、その中で感じた僕の軸となる価値観について書きたいなと思います。

第1章 “mates”制作の経緯

matesとは

matesとは

DP9のメンバーが作品を投稿し、楽しむ場所です。

公開から1週間程度で100ほどの作品が掲載され(現在リニューアルのため閉鎖中)、それぞれのお互いの普段の制作活動を見ることができます。

初期の個人ページ

「これどっかでみたことあったけどこんなが作ってたんだー」とか「この子全然喋らないけどこんなことまでできるのかよ。」みたいな気づきを与えてくれるように設計しました。

サイト自体にはベーシック認証をかけていて、DP9のメンバーのみが閲覧できるようになっています。

「お互いのこと知らないってもったいない」から着想

この「DP9のメンバーが作品を投稿し、楽しむ場所」というテーマにした経緯についてお話しします。

DP9は東京大学と東京藝術大学のインカレサークルで、自分含めそれ以外の大学の学生含めて現在120人ほどの団体です。活動内容としては企業や他の学生団体のクリエイティブを作ってあげたり、東大の学園祭でカフェをやったりしています。(詳しくはこちら http://designingplusnine.com/works/)。今年で11年目で、いわゆるOBOGもそこそこの人数になっています。メインの血が東大生と芸大生ということもあり、いろんな面白い人が掘れば掘るほど出てきます。

なのに!みんなあんまりお互いのことを知らないんです。

これってめちゃくちゃもったいなくないですか!?

みんなお互いのこと知らないなんて!

こんなに面白い大学生が集まっているコミュニティはなかなかありません。「デザイン」をキーワードに集まっていますが、掘れば掘るほど他の興味/得意分野がわんさか出てきます。法律、車、古着、写真、ビジネス、お酒、組織論、果てはピザまで。なら一人一人をちょっと擦り合わせてあげるだけで、予想もできないような化学反応が起き、めちゃおもしろいプロジェクトが雨後の筍のように乱立するんじゃないかなと思ったわけです。

あなた何者ですか?を直接聞かないように

そうしたらやることは一つで、「こいつ何者だ」を明らかにする場所を提供することです。どうしようかと考えました。いろんな人が混在する個性派だらけの弊サークルですが、一つだけ共通点があります。それは

みんな、とってもシャイです。

内に秘めてる。。

つまり、「あなた何者ですか?」と聞きに回ったところでまずフリーズしますし、あくまで任意回答/募集の姿勢をとることを考えると数も内容もまず満足いくものが集まるとは考えられませんでした。

作品を通じて創作活動への意欲や 話すときのキャラや圧迫感・うわべのプレゼン能力だけではなくて作品を通じてその人について感じられることってめちゃくちゃたくさんあるし、DP9のメンバーは自分の作品から方が素直に人物像を捉えられるんじゃないかなとも思いました。

自分の強みをソラで言える人よりも自分が熱心に作った作品について熱心に説明できる人の方が多そうだなと思い、このサイトは作品をメインのアセットとして据えることにしました。

メインページではあえて「人物」が見えないように設計

所属や学年を混在させ、DP9の長期的な財産に

人物名に情報がつく形式ではなく、作品に作者含めタグなどそのほかの情報もひっついてくる形式にしたことは別の側面からみてもDP9ととても相性がいいものでした。

それは所属大学や科類・学部、学年が関係なく混在できる場所になるということです。これは休学や浪人を経験したメンバーが多く、また「引退」という制度がないDP9にはぴったりの特徴です。メンバーリストのような形式をとるとこの特徴は活きません。学年別であったり大学別であったりと横断的かつランダムに作品を見ていくことがなかなかに難しくなってしまいます。matesは大学などの所属や年功による相関をあぶり出すサイトではありません。

縦も横も、押し付けがなく繋がっていける場所は、中長期的には団体にとって貴重な財産になると考えています。投稿する側はDP9の普段の活動にコミットできない人もDP9の一員として足跡を残しておくことができますし、閲覧する側はそれらのもはや遺産のような作品たちに本当に気軽にアクセスし、会ったこともないメンバーの作品に感動しそのメンバーの一端に触れることができるのです。つまり長く・ゆるくDP9というアイデンティティの輪を広げていくことができるのです。

とはいえまだまだです。。

とても抽象的なことを書いてきましたが、このmatesというWEBサイトがこれら理念に対してまだまだ途上の段階にあることは重々わかっています。

みんななかなか忙しいし、めっちゃ険しい。

閉じたコミュニティなので監視の目が少ない、作り上げているメンバーと雇用関係にあるわけではないのでなかなか周到に進むわけでもない(否、雇用関係になったところで人は簡単には動かない。)などなど壁は大小様々ありますが、少しずつ良くして行ければなと思います。

とにかくここまで一緒にやってくれたことに感謝!

とにかく、まず公開までこぎつけてくれたメンバーには本当に感謝です。僕自身は正直いうとほぼ何もしていません。みんながいなかったら絶対できていなかったです。本当にありがとう!!

打ち上げ、やりたい。。

第2章 そこからみれた僕自身の価値観

そして、matesの活動を通して感じたことは、僕の欲求の根本が「自分がいろんな人に影響を与えたい」ということです。

もっというと、自分が直接コントロールできるものを通じていろんな人が活動し、結果的に自分では到底コントロールできない数・規模で人々がハッピーになっている状態を人生通じていくつも行いたいという欲求です。

matesのプロジェクトではこの欲求のかけらを満たすことができたと感じています。

開発メンバー7人を動員した

まず、僕が発案し結果的に7名のメンバーが開発を手伝ってくれました。彼らへの働きかけは僕自身が直接影響力を与えられる範囲だったでしょう。「直接影響力を与えられる」とは僕の思い通りになるということではなく、僕が直接働きかけられるというニュアンスです。スラックを飛ばせば具体的な反応は返ってくるわけです。

作品投稿者が20数名に

リリース前後含めて、作品を投稿してくれたメンバーは20数名に。この時点でmatesは約30人の行動のきっかけを作ったわけです。彼・彼女らはみんなに見せてみたい作品や写真を想い想いにアップロードしてくれました。この人数は、matesというものがうまく衆知されればされるほど僕にとって操作不可能なものになってきます。

作品の数だけメンバー間での気づき・興味が生まれる[可能性ベース]

開発メンバー含めて30人弱のメンバーが5~30作品ほど投稿してくれました。今度はそれらを他のメンバーが覗いていきます。作品の数だけ感動が生まれますから、ここからは僕のコントロールできる範囲をゆうに超えます。作品が閲覧され、予想だにしない気づきや感激の芽が出て、新しい会話が生まれたりプロジェクトとして花が咲いていく。その数はいわば指数関数的で、僕1人の働きかけでは絶対できない量と質でしょう。

実際、僕は東京モーターショウの写真をあげたところ当時あまり話したことがなかった1年生から反応があり今ではとても仲良しです。嬉しい。

こんな会話が生まれました。嬉しい。

複数の独立プロジェクトが誕生[肌感覚]

そしてこれは肌感覚ですが、僕がmatesを取り組んだこと(そして他のメンバーがまた別のプロジェクトをやったこと)を通じて、団体内にある種の空気感が生まれたのでしょうか。1年生主導で動き出すプロジェクトがいくつも立ち現れてきたのです。

日本酒飲みながら、サークルの代表に「みんながプロジェクトベースに動ければいいよね。クライアントワークだけじゃなくて。プロジェクトの枠があるだけで空気変わるんじゃないかと思うんだ。りゅういちろーなんか一個やってみてよ!」と言われたあの神泉の魚真が懐かしいです。美味しかった。

魚真は美味しい( https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13001781/)

僕がちょっと時間を使って考え、動いたことが入って間もない1年生たち各々の「思いついたことやってもいいんだ」という発想に繋がっていたとしたらそれはそれでとても嬉しいことだなと思います。

「いろんな人を巻き込んでやりたい!」が僕の欲求

サークルの規模です。まだまだ学生のおままごとレベルです。でもこの欲求を持っていることに気づくことができましたし、これはかなり汎用的なモチベーションになるだろうという根拠のない自信があります。

できるのにやってないこと、腐るほどあります。反省です。

一つ一つ取り組んでいければなと思います。

最後に

designing plus nine、僕は楽しくやっています。僕個人は会社に入り、仕事もしていますがのらりくらりと楽しく関わらせてもらっています。

学生であれば東大・藝大以外の人でも入れるのでぜひ!

サークルのトップページ

http://designingplusnine.com/

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