キーノートスピーカーのダニエルと坂上さんに感謝#scrumniigata

スクラムフェス新潟2023のふりかえり#1

Jumpei Ito
May 30, 2023

スクラムフェス新潟2023にご参加いただいた皆様。ご参加いただき大変ありがとうございました。そして大変お疲れさまでした。

イベントが終了し、実行委員長である私のタスクもあとはブログを書くのみとなりました。書きたいことはたくさんあるため、いくつかに分けて投稿します。

ダニエルのキーノート

以前のブログ(スクラムギャザリング&スクラムフェス Advent Calendar 2022の5日目の記事)にも書いた通り、去年のキーノートでG.O.O.D Testerの話をし、その続編としてG.O.O.D Testerになるためには何が重要なのか?というテーマを話し合いました。

実はこの話は、去年の11月に私がAgile Testing Daysの帰りにベルギーのダニエルの家に泊まって、帰りのブルージュからブリュッセル空港まで車で送ってもらう間の会話で出てきた話でした。

この日はちょうどサッカーのワールドカップ真っ最中で、ベルギーv.s.モロッコ戦があり、ベルギーが負けた瞬間でした。ブリュッセル首都圏では暴動が起きており、ブリュッセル空港に向かっている我々は次々といつもの道が閉鎖されるのを車のナビで見ていました。ダニエルもこの日は「おかしいな。いつも空港までの道でこんなに閉鎖されることなんてない。」と言いながら私がフライトの時間に遅れないように常にナビで最短の道を検索していました。

そのような状況の中でG.O.O.D Testerの話をしており、いろいろ議論する中で「やっぱりビックピクチャーが見えているかどうかが重要だね」という話になりました。どんなプロジェクトも計画通りに進行することはないし、何かしらのトラブルはつきものです。でも小さく小さく一歩ずつ進みながら問題を解決し、スプリントを回していくのが理想。ただ、それはそうなのだが、プロジェクト全体、つまりビックピクチャーが見えているかどうかでアプローチ方法が全然違う。という話になりました。

つまりこの空港までの道のりがまさにその状況で、道が一つ閉鎖される毎に、二人でナビを見ながら、あーでもないこーでもないと話して最短ルートを探します。ナビにはズームイン、ズームアウトの機能があり常に行ったり来たりします。二人してこのナビを見ていること自体がビッグピクチャーの例に近いのではないか?という話で盛り上がりました。

スクフェス新潟のキーノートタイトルである「Reaching the “Big Picture” In Testing and Quality」はこの時決まりました。

実際にダニエルのキーノートは素晴らしかったです。ビックピクチャーを見て、時にはズームインして物事を解決し、時にはズームアウトして全体を俯瞰して見る。そしてこのズームインとズームアウトを素早く、同時にできるスキルを身に着けることで、G.O.O.D Testerに近づけるという話でした。

メインホールでキーノートをするダニエルさん Photo by じゅんぺー

ダニエルの本

さて、ダニエルの本の話はいったいどうなったか気になる人もいると思います。ダニエルはもう50代後半で、エンジニア人生はあと数年で終わりにして、セカンドキャリアを身に着けたい、という思いがあるようです。その集大成として本を出版する予定らしく、今はまだ出すには早いという見解です。

ただ、実はダニエルの思いはここからが面白くて、初回のスクラムフェス新潟ではキーノートとして「G.O.O.D Tester」になることが大事という話をしました。これは本でいうとアウトラインになるようです。

今回(2年目)のスクラムフェス新潟では「Big Picture」について話しました。これは本でいうとG.O.O.D Testerになるためには何が大事かという、1つの章にすぎません。

さて、来年のスクラムフェス新潟はどうなるのでしょうか?今後に期待ですね。

ダニエルの本の話がされている動画

ダニエルに勇気づけられた

ダニエルが来日してまず最初に何が食べたいか聞くと「ラーメン」と答えたので、新潟5大ラーメンの1つである東横ラーメンに連れて行きました。

そのラーメン屋の中で私は今まで計画した内容を伝えていました。何時にこれがあり、どこに集合とか、細かい指示をダニエルに伝えているとダニエルの返事はこれでした。

Hey, Jumpei. I must tell you 2 things.
One, you will have fun.
Two, it will be all OK. You have good team, they will help you.

さすがダニエルです。ありがとう。

坂上さんのキーノート

今やスクラムフェス新潟のおいしい食と言えば、安定の「しまや」さん。そのしまやさんに日本酒を卸している酒屋さんが、「都屋」さんであり、坂上さんはその都屋さんの2代目店主なのです。

しまやさんとの関わりの中で坂上さんとは昔からよく一緒に飲み、日本酒の話で盛り上がります。何を隠そう私の実家も酒屋のため、育った環境含め、なんとなくお互いが分かり合い、話はいつも盛り上がります。

一度坂上さんにツアーを組んでもらい、麒麟山酒造へ酒蔵見学をさせていただいたことがありました。そこで坂上さんに色々な話を聞いて衝撃を覚えたことを今でも覚えています。

  • 日本酒は日本人のアイデンティティであること。
  • 自然があり、百姓が田んぼでコメを作り、杜氏が酒蔵で酒を造り、酒屋は酒を販売し、新潟県、日本全国、世界へを繋がっていること。全体が価値であること。
  • 日本酒ができるまでのプロセスは長い年月をかけてできたもの。

この辺の話はよく坂上さんに教えてもらうのですが、自分ばかりが教えてもらうのではなく、新潟県内の人はもちろんのこと、県外の人にも聞いてもらいたいと、かねてから思っていました。

きっかけはスクラムフェス大阪

ある時、スクラムフェス大阪で新潟トラックを運営するときに思いついたのが、「新潟ならではのセッションをやりたい」という想い。

スクラムフェス大阪は地域ごとにセッショントラックを持つ形式で、トラック数は10を超えます。セッションの内容は地域により特色を持つことができます。

新潟はもちろん日本酒が有名な地域ですので、スクラムフェス大阪の新潟トラックで日本酒の話があったら盛り上がるだろうと思っていました。

ただ、坂上さんに声をかけてみたものの、先ずIT系のイベントに参加した経験がないことと、スクラムフェスという(怪しい?)イベントを説明しきれなくて、結果的に坂上さんに不安を与える形になってしまったため、断念しました。

諦めずにスクラムフェス新潟

さて諦めの悪い私は、坂上さんにスクラムフェスを説明するよりも体験してもらいたいと常に思っており、去年初開催のスクラムフェス新潟に酒屋として入ってもらいました。

しまやさんと共に、食とお酒の提供を現地でしていただきました。

昨年のスクラムフェス新潟を体験した坂上さんはどう思ったかはわかりませんが、その場で「来年はキーノートをお願いしてよいですか?」と聞いたところ二つ返事でOKをいただきました。

坂上さんありがとう。

坂上さんのキーノート

実際に坂上さんのキーノートは素晴らしかったです。

今まで私と坂上さんの間で日本酒を飲みながら、ワイワイ楽しんで話していた内容を、スクラムフェス新潟のキーノートという形で60分間発表してくれたことにとても感動。日本酒のルーツや実は地域を支える大変価値のあるものということを大いに語っていただきました。

この話は動画に残して今後も語り継いでいきたいし、坂上さんはたぶん話足りないと思うので、スクラムフェス新潟以外のどこかで第2弾や第3弾を計画したいと思っています。

NINNO3のRoomFで坂上さんのキーノート Photo by じゅんぺー

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Jumpei Ito

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