あれやこれやそれやの話

Saki Tsujihara
Nov 5 · 4 min read

hello, here tsujihara.

あらゆる緊急度のタスクを脇において、30分だけ、考えてみたい。30分だけ。すんません。

ありがたくも、ここ半年は短期間にいくつかの企業のMISSION-VISION-VALUEを整理する機会をいただいている。こんな機会をいただくのは恐縮オブ恐縮だし、本当にありがたいことだ。私なんぞが、といつも思う。しかし、だからこそ最高の力で応えたいといつも思っている。

そんなあれやこれやそれやの話です。

泣きながら言葉を選ぶ

MISSION-VISION-VALUEを整理する時は、何度も何度も書き直す。いくつかのパターンを作りながら。その言葉をひとつ選ぶとき、私はいつも泣いている。無表情で涙だけ流しながらその言葉に向かっている。

こんな仕事はオフィスじゃできないし、カフェでもできない。

夜に会食の予定を入れることもできないし、なんなら泣きすぎて翌朝の予定も入れづらい。その歴史と存在意義と、積み重ねた優しさと覚悟に向き合うと、腹を括った日には。

この仕事に取り組むにはヒアリングやインタビューが不可欠で、ある人は「トラウマなんだよね」と悲しそうに笑って伝えてくれる。

ある人は強く「この世界を実現したいんだよ」と情熱的に。

またある人は「幸せにしてあげたいだけなんだけどね。」と。

この仕事に取り組んでいる時は、ずっと自宅のホワイトボードにその言葉を掲げて、いつでも目に入るようにしている。食事をしている時も、シャワーを浴びている時も、寝入る直前も。

その言葉が作ろうとしている未来を考え続けている。

(一見仕事中毒のやばいヤツに見えるかもしれないけど。あなたと私は全く別の人生を送っているので関係ないのだ。私の人生はこの形で相当豊かだし、私は私が知る限り世界で一番の幸せ者である。そして私はその幸せをもって、彼らを幸せにしたいと思っている。)

私が泣きながらでも選んだこの言葉で、せめて、彼らがその夢の一行目を始められるように。ささやかに祈りながらしかし、こんなことは言うべくもあらずだ。

ノブレス・オブリージュ

あんまり特定の座右の銘とかを持たない性分だけど、ずっと胸を離れない言葉がある。

東のエデンというアニメーション作品で出会った言葉で、私は「ノブレス・オブリージュ」という言葉が好きだ。好きだ、というより呪いのようになんどもなんどもリフレインして人生にのしかかってくるのだ。

個人的には「高貴さは強制する=力を持つ者の責任を果たせ」という意味の言葉として理解している。この「力」とは自分のスキルや、多くの人にもらってきたチャンスによって培った経験だと私は思っている。ある人にとっては権力だったりお金だったりするかもしれないけど。

たとえば私の「力」とはデザインのスキルだったり表現力だったりする。自分でも努力して磨いてきた部分はもちろんあるけど、多くは人から与えられたチャンスによって形になったものだ。

ずっと考え続けているのは「この力は一体何のために使うべきなのか?」ということだ。「ものを作る力」はともすれば身勝手な力だ。筆は剣よりも強しと言うように、立派に強力な武器である。この力によって人を傷つけたり世界を自分の見たいよう・望むように変えていくことは簡単だと思う。でもそれは正しい力の使い方だろうかと思う。

ノブレス・オブリージュ、何に応えるべきかは自分で決めるほかない。力はすでに与えられているし、そこから目を背けることは愚かだと感じる。なによりも社会的ではない。

社会的である、とは誰かに力を与え返すことだ。

その希望と虚しさに向き合うこと

MISSION-VISION-VALUE策定のためのヒアリングをしている時、いくつかの歴史を語ってくれる時、選ばれる言葉の端端とその表情をずっと覚えている。どのように語り、どのように笑ってくれるか。

彼らが初元の希望によって立ち上がってから、虚しさに向き合い、いくつかの挫折があったことがわかる。その虚しさとは率直にいうと「分かり合えなさ」だ。当たり前のようだけど、その虚しさが驚くほど彼らを強く・優しくさせるのだと思う。

私はその虚しさや悲しさに寄り添いたいと思っている、それでも残る希望を強く美しいものとして見出し形にしたい。変な話だけど、私が泣きながら言葉を選ぶ時間・意味をつなげる瞬間に、自分がデザイナーでよかったと心から思う。

この苦しみや喜びが、誰かの力に変わるといいなと思っている。彼らの美しい希望と不断の努力が実を結び、世界が可能性と幸せに満ちたものに変わっていくことを信じている。

そしてこれは誰に共感されなくてもよい、私の勝手なヒロイズムである。しかし世界はそうして美しく実現されていくのだと思うんだよ。

Thank you, I love you.

私自身も、もっと力をつけなければならない。がんばろ。

    Saki Tsujihara

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