自律性の高い組織作りへの進化の道筋とは?

Kunitake Saso
Aug 27, 2017 · 7 min read

今年のテーマの一つが、自律的で、かつ創造的なチームをどう作るかということです。(関連投稿:自己組織化する組織Tealとは何者なのか?

しばらく研究していた目的による組織への進化の道とはどのようなものか?というテーマの内容を小冊子にして公開してみます。Reinventing Organizationの本の内容や、4月にギリシャで行われたNext Stage Gatheringで学んだことを個人的に消化してまとめてみた内容です。(元データ→Slideshareへ))

チームが、創造的であることを否定する人はいないでしょう。ただ、その創造的であるためには、動機によってモチベーションが左右される人のエネルギーをいい方向に向かわせるためのマネジメントが必要になります。当然、自分のモチベーションに合った仕事をしている方が、パフォーマンスは高くなるし、究極的にはメンバー一人一人が自律的に仕事を創り、回しているチームは、必然的に創造的になっていきます。

産業革命における品質管理法の発明によって企業のマネジメントが大きく科学的管理法に振れたように、情報革命におけるクリエイティブエコノミーにおいては、組織的に知を作っていくためのマネジメント手法としての、自律性を高めていくマネジメント手法の発明が大事なのだと思うのです。

その流れで、出てきているのが、Reinventing Organizationという本にて紹介されているGreenやTeal型組織と呼ばれている考え方です。この本では、いわゆるヒエラルキー構造における、インセンティブシステムによって動く組織をOrange組織と定義する一方、ヒエラルキー型組織が、一人一人を部品として扱うために自律性や創造性を奪ってしまうという課題に対して、自律性が高い組織のあり方を考えているものです。これは、大企業で働きながら、制約だらけの中で創造性を発揮するのが難しいという問題意識に対する答えの模索なのだと思います。ここで、ただ自律的であったら基本的には遠心力が働き、組織にならないものを組織にするための求心力として企業の「目的」を活用するのが共通の特徴です。

Green型組織は、目的意識が似た仲間一人一人を大事にし、家族的で絆の深い組織を作っていくという、村社会的な組織を志向するのに対し、Teal型組織とは、目的に応じて不特定多数の人が緩く関与することができるプラットフォーム的な組織を志向するという違いがあります。Green型では、創業者や創業メンバーのの性格や価値観が強く影響がでる一方で、Teal型組織においては、創業メンバーの色が薄くなっていくという特徴も挙げられるでしょう。

これは、今の僕の解釈では、創業後多かれ少なかれ公器となる会社というものを、創業者がどれだけ公的な存在としてコントロールを手放すかという意識段階(と、社会におけるニーズとのバランス)によって、Green型や、Teal型へ派生して進化していくのでは無いかと思っています。

以下は、今年の5月に参加したカンファレンスにて、Teal型(もしくはGreen型)組織を志向するリーダーが、実践しようとしている組織イノベーションのパターンを、個人としての思想、組織としての思想、組織での施策に分けて独断と偏見でまとめてみたものです。

(元データはSlideshareへ)

今僕がいる場、biotopeでは、「目的」に共感した人が集まる、自律的な組織を目指していました。そういう意味で、これらのGreen/Teal型組織はとても興味深いものです。そして、それらを実践していくために色々試行錯誤をしてきています。その際には、Reinventing organizationの中の索引にあった、企業としての戦略や、人事などの概念が、どのように異なるのかという点を参考にしながら考えています。

(元データはSlideshareへ)

これらの施策を行っていく上で参考になったのが、目的を共有した自律型の組織において、共通して考える問いを考えつつ、その組織のメンバーの中で実践するためのモデルを作り続ける、という組織マネジメント自体を共創でデザインしていくという考え方ではないかと思っています。

そのための問いを仮説としてまとめてみました。

(元データはSlideshareへ)

自律的な個人のための質問:
1.あなたにとって世の中ではどのようなことが起こっているでしょうか?その共通のパターンはどのようなものでしょうか?
2.あなたの社会に対して果たしたい貢献は何ですか?

自律的な組織経営のための質問:
3.どのようにして、個人と組織の目的を絶え間なくすりあわせて行けるでしょうか?
4.いかにして、メンバー一人一人の自発性を引き出し、自律性を確保できる環境をデザインできるでしょうか?
5.目的を達成するために、個人個人、または、組織が、自分たちを超えて繋がらなければいけないのはどのような人たちでしょうか?また、その中でどのような役割が果たせるでしょうか?

組織運営上の問い:
6.あなたの組織の目的をどのような文章で表現していますか?
7.あなたの組織の目的にあった新しいアイデアがあった時にそれをどのように可視化し、共感する人を集めますか?
8.あなたの組織に加わりたい人を増やすために、どのようにして目的を発信していますか?
9.様々なスタイルでの貢献を許すために、いかに契約や報酬制度を柔軟な状態にしておきますか?
10.リアルタイムで変化している文脈をいかに可視化、共有しますか?
11.組織の自立度を上げていくために、どのような人と一緒に伴走しますか?
12.柔軟にオペレーションしていくために、どのように会議体を設計すべきでしょうか

おそらく、人という個別性が強いものを扱うため、この方法論で当てはまるというものは無いのでは、と思っています。biotopeでは、これらを考えながら、今のところ以下のような実験をしています。

・組織の目的を定義する一方、組織としてのビジョンは1つにしない一人一人の成長目的を大事にする。

・評価面談は、月1度程度のメンバーとのビジョンを引き出す対話型に

・定期的に、オフサイトワークショップを行い、メンバー一人一人が持っている背景や目的、やりたいことの文脈を共有する場を作る

・(非公開企業ですが)社員限定で、売り上げや利益構造の公開(近いうちに予定)

・組織マネジメント上の課題を、定期的にその場で課題を出し合いながら解決策をその場でプロトタイプしていく

まだまだ、僕としても研究、実験している段階ですが、「自律性」と「目的による統合」を両方達成するために人間がどう群れるか?という課題に対して、これから様々な実験がされていくフェーズなのだと思います。

その内容を一度まとめた小冊子がありますので、こちらを公開してみます。(小冊子のデータはこちらを参照ください→Slideshareへ

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