Design In Tech Report2017
Design In Tech Reportが出たのでその要約を簡単にまとめてみた。
冒頭の全体トレンドは以下の通り。
1.「デザインは、美しさのみならず、市場との関係性を作ったり、意味のある結果を産むもの」という定義がされている。
2.マッキンゼーや、IBMがシニアレベルのデザイナーを活用する動き
3.商品やサービスの使用体験のみならず、市場における認知購買とうも含めたInclusive designのアプローチが大事になっている
4.アルゴリズムによるデザイン(Computational design)のニーズが急上昇している
5.テクノロジー業界においては中国がデザインの世界をリードしている
6.音声認識やチャット型インターフェースのような、「形のない」ものがデザインの対象として重要に
- 拡張し続けるデザイン:3つのタイプのデザイン
デザインを、1.Designの世界におけるClassical design, 2.Businessの世界におけるDesign Thinking, 3.Technologyの世界におけるComputational Designという3つの分野に分けて説明している。
Design thinkingは、共感が必要とされる個別のカスタマーニーズに合わせて「関係性を革新する」もの
Computational Designは、ムーアの法則やモバイルテクノロジーのインパクトのドライバーとして
Design Thinkingに必要なスキルとして、マインドセットと組織的な科学が挙げられているのがとても興味深い。(個人的にはとても共感)
2.Computational Design
この分野の古典とも言えるProcessingに変わるツールとして、Drawbotや、Codepenが挙げられている。デザインとエンジニアの融合もより上がっており、ちょこっとコードをかけるデザイナーが増えている
3.DesignがDe$ignへ
デザイン会社がM&Aされるトレンドは変わらず増えている。買っている会社はMck/IBMをはじめ、Deloitte、Salesforce、Accentureなど。Mckが4つのデザインパートナーを表彰したり、IBMが三人のDistinguished Designerをアサインしたり。(そのうちの一人Doug Powellのインタビューはこれ。)
ジョンマエダが去年までいた、スタートアップの業界でもアーリーステージで500 startup/KPCB Edge、レートステージでAccel partners/Google Venture/KPCBなど、広義のデザインを活用したファンドが増えている。
デザイナーの需要がFacebook/Google/Amazonを中心に増えている
ほぼ全てのトップビジネススクールでDesign thinkingの学生主体のクラブができており、カリキュラム化も促進されている。
4.China Designの存在感
Alibaba,、小米、Visual Chinaなど、中国企業の巨人はデザイナーが共同創業者に入っている。
デザイナーが共同創業者のスタートアップの数も増えている。
China Designにおける4つのトレンド
1)QRコード:WeChat ペイ
2)AR: 春節で「福」の文字をAlibaba上でスキャンして収集したり
3)Voice: WeChatが60秒のボイスメッセージをやり取りできるように
4)Sharing: “Hubless Bike sharing”
5.言葉のデザイン〜デザインを超えた領域: Verbal Design/Words as material/Writing as UXデザイン
音声認識や、Chatbotなどのテクノロジー興隆も背景にした、広義のデザインを表現するメディアとしての視覚以外の言葉という領域。(タイポグラフィーだけではなく、コンテクストを紡ぐコンテクストデザインの領域が重要に)
新たなデザインファームの形として、リサーチ+コンテンツデザイン+マーケティング機能を持った会社のニーズが上がっている。
6.Inclusive Design
スマホなどの普及率が上がり、テクノロジーの浸透率が上がるに伴い、Inclusive designが重要に。MicrosoftのInclusive Design Toolkit
多様な人にとって、「自分ごと化」させることの必要性が上昇している
このバズワードに当てはめてみると、僕らbiotopeがやろうとしている自分ごと化を通じてビジョン駆動型で想いを形にし、ストーリーを作っていく支援をするということは、このレポートに当てはめると、Design thinkingをOSにした、inclusive designをMarketing/StorytellingなどのCapabilityを使ってやろうとしているということになるらしい。
意外と時代の流れと合っているようで嬉しかった。
このレポートとっても質が高いので原文で読みたい人はこちら。