春と夏の間

僕と息子と娘、それぞれ好きな本をもって喫茶店に行く。日差しはもう夏の入り口のように照りつけていた。目を細めるほどの明るさに子供たちは「夏かなー?」と自転車を漕いで大声を出す。

ピザトーストとサンドイッチ、僕はアイスコーヒーに子供たちはミックスジュースとオレンジジュース。娘は絵本を読む。声に出さないと読めないから、ひらがなを声に出して読んでいる。息子はウォーリーをさがせを睨みつけて探している。

僕はポケットにくしゃくしゃに突っ込まれたA4の紙を丁寧に伸ばし、仕事のアイデアをこねくり出している。ペンでガリガリと刻み付けるように図や文字や意味不明な言葉が並ぶ。僕ら家族を隣の席のおばさまたちが不思議そうに見ていた。僕もよくそんなに食べれるなという大きさのパフェを不思議そうに眺め返した。

髪も髭もボサボサで、小さい子供を連れて、ひたすら言葉を書き連ねている男をみれば、それは確かに怪しいのかもしれない。隣の客が去った後にそう思い、髪切りに行こうと夏の風景に変わりつつある窓の外を眺めた。

何度かまばたきをすれば、もう夏なんだろう。
時間が過ぎ去るのなんてあっという間だ。自転車をぐいぐい漕ぐ子供の背中を見て、大きくなったなぁと思う春と夏の間。

人生なんてあっという間だ。

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