見えないものが見えてくる

Subaru Matsukura
2 min readJan 16, 2017

寒波が日本を襲っている。子供達は嬉々として、大人たちはそれを幸せそうに眺める。夜更け、極寒の中ベランダでタバコを吸っていると、光も音も全部雪に吸収されて驚くほど静まり返っていた。

チラチラと降り積もる雪を眺めて、寒いのに少し心が温まる風景のように見えた。家の屋根たちに雪が積もり、今まで注目してなかったフォルムが浮かび上がる。小高い丘の繰り返しのように見渡す限り家々が連なり、その屋根一つ一つに同じように静けさを感じてる人がいるのかもしれない。寒くて布団から出れずにぐずっている人がいるのかもしれない。

朝起きて、切れたタバコを買いに行く。軒先には小さい雪だるまがいたるところに誕生していた。この町中の子供達が喜んでいたのかと思うと雪も寒いだけじゃないなと改めて思う。

普段過ごしていると見えてこないものごとが、降り積もる雪と真っ白な雪化粧がほどこされることで立ち上がる。そこには人の営みや、喜びが雪の造形として目に見える形に現れる。

寒いのに、どこか道行く人も嬉しそうだ。そんなことを思い眺める僕の顔もほころんでいるのかもしれない。

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Subaru Matsukura

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