仕事の起点がミーティングからScrapboxに。ナレッジマネジメントに欠かせないネットプロテクションズのScrapbox活用術

Scrapbox
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Aug 5 · 12 min read

2000年の創業以来、独自に開発したネット決済システムを運営・提供している株式会社ネットプロテクションズ(以下、ネットプロテクションズ)。

2002年にサービスを開始した「NP後払い」は、それまでの決済の常識に囚われない“リスク保証型の後払い決済サービス”で、当時は「絶対に成立しない」と言われるほど前例のないものでした。しかし、17年が経った現在では16,500社以上の通販事業者が導入し、サービスはさらに拡大しています。

常に時代の一歩先を見つめ、「つぎのアタリマエ」を創造する同社は、組織課題の改善にも積極的に取り組んでいます。さまざまな施策を講じる中、2019年の7月から社内で利用するドキュメンテーションツールとしてScrapboxを正式導入しました。

同社はなぜ数あるツールの中からScrapboxを選んだのでしょうか?また、Scrapboxを社内に浸透させるためにどんな取り組みをしてきたのでしょうか?

Scrapboxの導入を提案・推進した、データサイエンスグループの澤田智希さんと、昨年からインターンで同社に参加し、今年度から新卒で入社し現在研修を受けている坪谷佳来さんにお話を伺いました。

澤田智希様

株式会社ネットプロテクションズ データサイエンスグループ

坪谷佳来様

株式会社ネットプロテクションズ


メンバーが増え続ける若い組織のナレッジマネジメントに、Scrapboxがベストマッチ

御社は最近Scrapboxを正式導入したところですよね?

澤田「はい、今月(2019年7月)から全正社員160名に一部業務委託の方を加えた273アカウントを正式契約しました。私がScrapboxを知ったのは去年の10月頃で、会社で導入の意思決定をしたのがその2ヶ月後。準備期間を経てようやく全社利用にこぎ着けました。」

澤田さんが会社でScrapboxを導入したいと思った理由を教えてください。

澤田「一言で言うと『社内のナレッジを蓄積するため』です。弊社は社員の平均年齢が約28歳という若い組織で、例えば私も入社4年目にして既に古株的な存在。異動も頻繁にあり情報の入れ替わりがとても早く、誰かが得た有益な知識も他の人には引き継がれず流れてしまっていました。また、全社員が経営戦略を考え、企画からマネジメントまで手掛けるという特殊な組織なので、一人ひとりの業務範囲も非常に広く、覚えるべき知識も多岐にわたります。情報を得られる人とそうでない人の間で仕事の質にも大きな差が出てしまい、個人の知見を会社の財産として蓄積することが、今後の事業をスケールさせていくうえで急務でした。」

御社の理念として社員同士のリアルなコミュニケーションを大切にされていますよね。オフィスの雰囲気からも非常に風通しの良い社風が伺えますが、それでも「ナレッジの蓄積」という課題の解消は難しかったのでしょうか?

澤田「コミュニケーションは常に大切にしています。企画を進める際は何度もミーティングを行い、若手は先輩からノウハウを学んでいました。しかし、組織が大きくなり、社員の人数が増えるにつれて、情報を持っている人は相談を受ける回数が多くなり、2週間先までミーティングの予定が埋まっている……そんな状況になってしまったんです。そこで、物理的なミーティングを補助してくれるナレッジマネジメントに役立つツールを探していました。」

なるほど。Scrapboxの他にも試してみたツールはありましたか?

澤田「オンラインでもコミュニケーションを活発にし、同時にナレッジを蓄積するために、チャットツールとドキュメンテーションツールの両面で導入の検討を進めました。チャットツールについてはすぐに決まりましたが、ドキュメンテーションツールはなかなか馴染むものがなく……私を含めた社員3人でいろいろ試して検討しました。」

澤田「ドキュメンテーションツールは、ディレクトリで管理する一方向的な構造のものが多いんですよね。しかし、集めた情報を広く共有したいと考えた時、大切なのはディレクトリで情報を整理することよりも、検索性を高めることなのではないかと。フォルダで分けるのではなく、並列の情報にタグを付け、全てのデータを横断的に検索できるような構造が理想的でした。一度は社内のデータを全部検索できるツールを自社で開発してしまおうかという話にもなりましたが、保守運用のコストを考えて行き詰まる中、たまたま知り合いのエンジニアがSNSでScrapboxについて投稿していて、初めてその存在を知りました。Nota Inc.さんに問い合わせをすると早速説明に来てくれて、話を聞きながら、CTOの鈴木と『これが欲しかった』と、その場で導入することがほぼ決まりました。それからはすっかりScrapboxの大ファンです。」

ありがとうございます。澤田さんのScrapboxに対する思いはPCのステッカーから伝わってきます(笑)

議事録や企画書作成、作業の進捗共有で使用。Scrapboxを導入してから仕事が楽しくなった

現在、御社では具体的にどのようにScrapboxを使っていますか?

澤田「ひとつはミーティングの議事録をとる際に使っています。Scrapboxで作成した議事録は、そのミーティングに参加していないメンバーも簡単に見つけることができます。これにより、企画を進めるうえで悩みをもっている若手が、Scrapboxで似たような議題のミーティング議事録を検索して探し出し、自分で問題をクリアするといったことが可能になりました。以前から議事録を取る文化はあったのですが、見つけにくかったのです。議事録がとられていても、ミーティングに参加していないと情報が得られませんでした。Scrapboxのおかげで参加すべきミーティングが激減しましたね。」

澤田「他の使い方として、『カスタマーサクセス』というチームでは、作業の進捗共有の目的でScrapboxを活用しています。このチームは、契約を結んだお客様のサービス導入までをサポートすることがミッション。以前は必要なタスクを分担して、一人一人がそれを“倒していく”という感覚で取り組んでいましたが、Scrapboxで情報を共有するようになってからは雰囲気が変わったようです。導入に向け、チーム一丸となって盛り上げていく“文化祭前夜”のようなムードで、仕事が楽しくなったと聞いています。」

なるほど。坪谷さんは現場でどのように使っていますか?

坪谷「主に議事録や企画書を作成する時に使っています。僕だけでなく多くのメンバーがScrapboxで書いているので、他のメンバーが書いたページを頻繁に覗き、参考にすることも多いです。誰かが代わりに聞いてくれた先輩のナレッジもすぐに拾えますし、同期同士での情報交換もしやすくなりました。Scrapboxだと気軽に書けるみたいで、本当にいろんなナレッジが溜まっているんですよね。」

澤田「私は後輩の企画書をチェックする側の立場として、Scrapboxにしてから企画書の質が変わってきたと感じています。以前別のドキュメントツールを使っていた時は、たくさん浮かんだアイデアの中から厳選した結論だけが書かれた、整った企画書が多かったです。そういった内容だと、最も大切な“思考のプロセス”が見えず、どんな観点が抜けている、もしくは足りないといったフィードバックができません。箇条書きレベルで気軽に書き込むことができるScrapboxを採用することで、後輩たちの思考の見える化ができ、適切な指摘ができるようになりました。」

新卒からボトムアップで浸透。Scrapboxをスムーズに広めたマル秘テクニックとは?

御社のような大きな組織で新しいツールを導入する場合は必ず反発もあると思いますが、いかがでしたか?

澤田「トップダウンで「Scrapboxをネットプロテクションズの標準ツールにします」と伝えると反発はかなり大きいだろうと思っていました。とはいえ、絶対にみんなで使いたかったので、反発を最小限にするために導入の戦略は綿密に検討しました。一回導入を失敗すると「全社員で使う」ことは不可能になるだろうと思っていたので。また、Scrapboxは世の中にない使用感のツールなので、良さと使い方を丁寧に伝えないとただのメモ帳としてしか使われないだろうなと。考えた結果、最初は新卒や学生インターンから巻き込み、ボトムアップで浸透させていくことにしました。」

なぜトップダウンではなくボトムアップで?上から説得していった方が早そうな気がしますが。

澤田「従来のツールに慣れているメンバーほど変化することに抵抗感があり、スイッチングコストが高いはずなので、新しいメンバーから使ってもらうことにしたんです。そのうえで、若手にScrapboxの『リンクで繋がる楽しさ』や、『検索して情報にたどり着く楽しさ』を感じてもらえるように、『TIPS』や『ショートカット集』といったビギナー向けのコンテンツを最初に私が300ページほど作成しました。」

なるほど。先ほど「Scrapboxと同時にチャットツールも導入した」とおっしゃていましたが、どのようなタイミングで?

澤田「業務で使う主要なツールを2つも同時に変えるとなると、みんなの反発もさらに大きくなってしまうだろうと思い、ほとんどのメンバーには先にチャットツールだけを使い始めてもらいました。その裏で私がScrapboxの準備をしつつ、チャットのメッセージを常にウォッチ。何か困っている人がいたら、それに回答するScrapboxページを作成してそのリンクを伝え、徐々にScrapboxの認知を広げていきました。若手が求める情報がどんどんScrapboxに追加されることで、若手がScrapboxを見るようになり、企画書もScrapboxで作成するようになる。そして、それをチェックする先輩もScrapboxを見ざるを得なくなるという作戦。なかなかうまくいったと思います(笑)」

素晴らしいストーリー、考えましたね。坪谷さん、最初にScrapboxを使った時はどんな感覚でしたか?

坪谷「最初からとてもしっくりくる感覚でした。階層構造がないことに多少驚きましたが、リンク記法に関して中学生くらいから当たり前に使っていたWikipediaのようで、ナレッジマネジメントのツールとしては、むしろ使い勝手がいいと感じました。同期も自然とすぐに馴染んでいきましたね。今ではScrapboxで有益な情報を見つけたらメンバーにチャットでリンクを送ったり、Scrapboxを軸にしたコミュニケーションも多いです。」

Scrapboxで叶える理想的なコミュニケーションのカタチ

Scrapboxを導入することで仕事は変わりましたか?

澤田「そうですね、所感ですが、格段に仕事がしやすくなったと思います。今までは後輩から何かを質問され、それに対して回答をする時、その人に合わせた言葉をその都度選んでいました。今はScrapboxに関連するページがあれば、リンク先を教えてあげるだけ。一度Scrapboxで回答をすると、その人は次回からまずScrapboxで確認してくれるようになり、回答コストは激減しました。更新も簡単なので、多くの人がScrapboxを利用するほどに情報の量と質は上がっていきます。さらに、議事録や作業の進捗共有など、複数アカウントの同時更新でリアルタイム性のあるコラボレーションも可能。よく弊社CEOの柴田が、理想的なコミュニケーションのあり方を『公園』に例えます。そこには色々な人が好きな時間に訪れて、思い思いに時を過ごす。初めて会う子ども同士が一緒に遊び始め、人と人とが自然とつながっていく。Scrapboxの世界観はまさに私たちがイメージする『公園』そのものだと思います。」

それでは最後に、今後のScrapbox利用の展望についてお聞かせください。

「今後は社内利用にとどまらず、例えばクライアントに弊社の企業理念やサービス内容をご紹介する手段としてScrapboxを利用してみたいと考えています。多くの人が関わり、さまざまなサービスを展開する弊社のことを、一面だけ伝えて理解してもらうことは難しいもの。今までは何度もお会いして、いろいろな角度からご説明をするケースが多かったです。Scrapboxリンク機能を活用し、会社の構造が全て伝わるようなコンテンツができれば、クライアントとのファーストコンタクトが劇的に変わるかもしれません。今後仮説検証をしながらトライアンドエラーを繰り返し、Scrapboxを有効活用していきたいです。」

澤田様、坪谷様、ありがとうございました!

(文・写真/下條信吾)

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