【中国の顔認識企業】知らないと恥ずかしい6選

〜センスタイムからハイクビジョンまで〜

Shin Ehara
Sep 3, 2018 · 8 min read

本記事では、世界が注目する中国の顔認識市場をリードする4つのベンチャー企業と2つの上場企業の基本情報をまとめます。これから益々注目を集めるであろう顔認識事情にキャッチアップする上で、外すことのできない6社です。

センスタイム

英語名SenseTime
設立年
:2014
所在地:北京
合計調達額:16億ドル(約1776億円)
主な出資者:アリババ(中国、EC)、クアルコム(アメリカ、半導体/通信)、タイガー・グローバル・マネジメント(アメリカ、ヘッジファンド)、CDH Investments(中国、資産運用)

世界一の評価額を誇るベンチャー企業といわれる同社は、画像認識技術を幅広い分野で応用することを目指しており、顔認証以外の分野でも自動運転や医療画像解析の事業も行っています。顔認識技術を開発する企業の中でも、中国政府とのビジネス関係が最も強い類に入り、同社のデータベースを使えば10億人規模の監視が自由に行えるといわれています。他にも、中国家電大手のSuning社とのコラボで顔認証を活用した次世代の小売店プラットフォームを開発中であることが報じられるほか、政府系企業との連携に積極的で、出資者であるアリババも熱心なスマートシティ事業などにも手を広げつつあります。

メグビー(Face++)

英語名Megvii Technology
設立年
:2011
所在地:北京
合計調達額:6億ドル(約666億円)
主な出資者:アントフィナンシャル(アリババ傘下、フィンテック)、Qiming Venture Capitals(中国、VC)、フォックスコン・テクノロジー・グループ/鴻海科技集団(台湾、電子機器)、中国国有ベンチャー投資基金

アリババは初期からFace++に目を付けていました

同社は、コアテクノロジーであるFace++の名でも知られています。顔認識に人工知能をはじめて搭載した企業であるといわれており、世界的に注目度が高いAIスタートアップのひとつです。Face++は83ものデータポイントを使って顔の認識を行う点が特徴です。2017年、中国公安はFace++の技術で5000人以上の逃走犯を逮捕したと報道されています。北京の警察での導入実績に加え、複数の大手銀行や、アリババ系の決済サービスのアリペイ(支付宝)、配車サービス大手の滴滴出行(Didi)なども認証システムにFace++を導入しています。

雲従テクノロジー

英語名CloudWalk Technology
設立年:2015
所在地:北京
合計調達額:25億元(約408億円)
主な出資者:Oriza Holdings(中国、投資期間)、出口易(中国、EC関連)、Puhua Capital(中国、VC)、Shunwei Capital(中国、VC)

今回取り上げる企業の中では最も歴史の浅い同社は、もともとは中国科学院のスピンオフとして設立されました。現在、顔認識システムの開発に加え、顔認証式の回転式改札口の販売なども行っています。2017年までで、23の省の警察と50の銀行(国有の中国農業銀行含む)や多数の空港で同社の顔認証システムが導入されています。また、アンチテロリズムや社会的安定を謳う同社のシステムは、新疆ウイグル自治区の監視システムに採用されたほか、一帯一路構想の一部としてジンバブエ政府とも使用契約が結ばれています。

依図テクノロジー

英語名Yitu Technology
設立年:2012
所在地:上海
合計調達額:3.55億ドル(約395億円)
主な出資者:Gaorong Capital(中国、VC)、ZhenFund(中国、VC)、YF Capital(中国、VC)、セコイア・キャピタル(中国、VC)

同社も顔認識をはじめとする画像認識システムの開発を行なっている会社です。中国全土の12000を超えるATMで同社の顔認証システムが採用されており、ATM使用時にパスワードなどの入力が必要ありません。顔認証の精度の高さが同社の売りのひとつであり、米国の政府機関であるNISTとIARPAが2017年11月に開催した認識の精度を競うコンテストでは最高スコアをマークしました。中国国内でも信頼は高く、200近い地方自治体の防犯システムで採用されています。また、医療分野での画像認識技術の応用にも力を入れており、2017年には肺がんを早期発見するプラットフォームを発表しています。

ダーファテクノロジー

英語名Zhejiang Dahua Technology
設立年:2001
所在地:杭州
合計調達額:上場企業

監視カメラ会社として名を立てた同社は、顔認識システムの開発と、それを搭載した防犯カメラの販売を行っています。同社の売りのひとつが、顔認識システムで使われている深層学習の精度の高さです。100以上の層で構成されており、既存の顔認証システムで最も多いとされます。また、同社のもうひとつの強みとして、クラウド、エッジドメイン、エッジの3段階で顔認識のソルーションを提供している点があります。クラウドは指名手配犯の広範囲の捜索、エッジドメインは小売チェーンなどでの顧客データの収集、エッジは特定のカメラを使っての顔認証などに応用が考えられます。さらに、同社が販売する防犯カメラは夜間でもくっきりと映像を残せる点に特徴があります。

ハイクビジョン

英語名Hangzhou Hikvision Digital Technology
設立年:2001
所在地:杭州
合計調達額:上場企業

ダーファテクノロジーと並んで中国の監視カメラ最大手とされる同社は、ダーファと同様に杭州に居を構えています。国有企業である中国電子科技集団から多くの出資を受けており、2008年の北京オリンピックや2010年の上海万博、さらには2016年のリオオリンピックや中国各地の空港などで同社の製品が採用されてきました。中国の市民監視システムである「雪亮工程」プロジェクトにも参画しており、IPカメラ(比較的新しいデジタル式の防犯カメラ)のシェアを伸ばしています。技術的には、顔モデリングと類似度計算をシステムに搭載しているのが特徴です。


Shin Ehara

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