日本酒低迷の煽りを受け、廃業寸前。そのまま次世代へ受け継がれ、見事復活した酒蔵。東鶴酒造(佐賀県)

『江戸末期に創業して以来、地元の方に愛されるお酒を造って参りましたが、長男・保斉が大学卒業後に実家に帰ってきた時は、家業は廃業寸前であり、東鶴は父・保圀の代で終わってもおかしくない状況でした。
そんな状況を見かねた方が、保斉に佐賀県のとある酒蔵の純米酒を紹介してくださったのでそれを飲んでみると、今まで飲んだことのない美味しい味に相当感動し、日本酒造りに目覚めたわけです。平成21年、初めて自分が造ったお酒を世に出すことになりました。』・・・東鶴酒造HP

今の社長兼杜氏の野中保斉さんが28歳で自分の蔵へ戻った頃、蔵では15年間も全く酒造りをしていない状態だったそうです。蔵に生息しているはずの微生物もほとんど残っていない状況。日本酒造りにはかなり困難な状況からのスタートでした。まずは一人でタンク4本からスタートし、そこから少しづつ仕込み量を増やしてきたそうです。
 
計画通りに仕込みがまったく進まず、困難ばかり。それでもあきらめずに一生懸命に酒造りに打ち込みました。


歴史を残しつつ、最新技術で息を吹き返した東鶴酒造

日本酒を造るときは、お米を蒸します。今でこそボイラーなどで沸かした蒸気で米を蒸すのが主流ですが、昔は大釜の下で薪で火をおこし、大釜に湯を沸かし、その蒸気でお米を蒸していました。
 
今は使用していませんが、下にはレンガの壁に一部穴がいており、そこから薪をくべて火をおこしていたそうです。

東鶴酒造 × 昔ながらの甑。

早朝から薪をくべて湯を沸かし、その蒸気で米を蒸す。日本酒造りの朝は早いです。


良い醪は、生きている

発酵中の醪を見せていただきました。
 
泡が立っているのですが、耳を澄ますとぷつぷつと小気味良いリズムが聞こえてきます。「麹菌がお米のでんぷんを分解し、酵母菌がアルコールと二酸化炭素にする。」 醪のなかで生まれた二酸化炭素があつまり、空中へ抜けようとする、醪の生きている音が聞こえます。それはそれは神秘的な、幻想的なリズムです。

醪の声に耳を傾ける

もともと、野中さんは日本酒があまり得意ではなかったそうです。
 
 そんな中、連れて行っていただいたお店で飲んだ日本酒がとても好きになり、日本酒の可能性に魅せられたそうです。そんな野中さんの作る東鶴酒造のお酒は、日本酒初心者の方にこそ飲んでいただきたい、口当たりの柔らかいお酒でした。



Originally published at sakebijin.com.

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.