PPAPをマーケティング視点で考えてみる

いや~、歴史的快挙を達成した「ピコ太郎」はすごいですね〜。ビルボードのランキングに77位とは。何の広告的なものをせずに達成したのは日本は当たり前ですけど、世界的にも中々無いのではないでしょうか?

PPAPをご存知ではない方はこちらを御覧ください。

ピコ太郎「PPAP」が米ビルボード77位 松田聖子以来26年ぶりの日本人トップ100入り
http://www.sankei.com/world/news/161020/wor1610200031-n1.html

PPAPとは[ニコニコ大百科]
http://dic.nicovideo.jp/a/ppap

で、ちょっと注意したいのが、この「ピコ太郎」さんの事例を出して、SNSマーケティングが重要だ!とか言う、未経験なWEBマーケティングコンサルタントが出てこないことを祈るばかりですが。

ということで、冷静に今回の偉業の流れを見てみたいと思います。

Step1 2016年8月以前:ステージやテレビ番組などで披露

Step2 2016年8月25日:YouTubeにアップ

Step3 2016年9月:世界的な有名歌手「ジャスティン・ビーバー」がTwitterで拡散(但し、拡散した動画は本家の動画ではなかった)

Step4 2016年10月7日:「ペンパイナッポーアッポーペン」を含むピコ太郎の楽曲が、日本を含めた世界134か国で配信開始。

今に至る。

これを見るとSNSの影響が無かったとは、絶対に言えないものです。ただ、SNSは必要条件だっただけで十分条件ではないのです。

まず、この世界的ヒットには、Step3が重要ですが、よく見てください。これって、本家の動画じゃないんですよ。リアルに以下のURLです。

「ぺきん原人」さんのアカウントのYouTube動画なんです。

正直、誰?多分、ピコ太郎関係者も知らない人なんだと思うんです。

今回の偉業には、以下のキーワードが多分重要だと思うんです。

・ライセンス放棄(GPLみたいなもの)
・加工しやすい素材の提供
・SNSの今の時流に合わせたコンテンツ

これを逆から説明します。

多分ですが、ピコ太郎(古坂大魔王)さんは、以下の動画を多分知っていたんだと思います。

Shia LaBeouf “Just Do It” Motivational Speech (Original Video)

この動画は去年から世界的に流行っている動画コラに使われている動画です。2015年8月31日に公開されてから、映画のワンシーンに埋め込まれたり、分身の術みたいに加工された動画が YouTube 上で流行りました。

よく見たらわかると思いますが、PPAPとの共通点が見えると思います。背景が単色で動画として加工がし易いんです。このShia LaBeoufさんは意図的に背景を緑にしてSFXでよく使われる切り抜き技術(グリーンバック)を採用しています。ピコ太郎さんはグリーンでやるとあまりにも狙い過ぎの感があるので、白にしたのではないかと私は想像しています。また、音楽を入れると緑だと、なんとなくあのピコピコ感が出なかったのかもしれません。

期待したと思うのですが、予想通りに沢山の人が動画コラを作る、「踊ってみた」系の動画も多数現れ、最後には大物歌手にまで「面白い」と思わせる動画になったという感じです。

ですので、SNSで発表していればいつか日の目を見るというものではなく、タイミングと加工しやすくしたり、GPL的に著作権的なものを放棄したり、色々な要素とSNSが重なったからこそ出来た偉業なのです。SNSは成功におけるただひとつの要素です。

シンプルに考えて5年前に同じ動画をアップしていても、今のヒットはありません。動画編集の技術がそこまで一般化していませんから。

今までの音楽の業界としては、まず1分も満たない音楽がビルボードのチャートに上がるということは無かったのではないかと思います。実際TOP100に入った最短の曲になったそうです。
でも、これが1分以上だったら長くて飽きられてここまでの拡散も無かったはず。音楽という概念さえも少し変えたと言ってもいいでしょう。ただ、これは、音楽なのかお笑いなのか実際には微妙なところですが。笑

ただ、古坂大魔王さんが以前より求めていた音楽とお笑いの融合というものはこのアプローチで成功したのではないかと。しかも、シンプルな言葉によって言語の壁を超えて、音楽と笑いを融合させたという点は国際化的には素晴らしいアプローチかと思います。

この楽曲の偉業を面白くないと思っている音楽家の方もいるようですが、音楽を固定概念で硬い頭だけで考えず、アプローチが違うだけで多くの人が支持して楽しんでいるという事実を受け止めるべきだと思います。音楽って日本語はすばらしく、「音を楽しむ」と書きますから、日本から生まれたPPAPはまさに日本から生まれるべくして生まれたのではないかなと。

ちなみに古坂大魔王さんはガチで音楽をされてもいる方ですので、その点は皆さん勘違いをされないように。

今後のピコ太郎さんの活動を期待してみたいと思います。

追記 — ただ、今発表されているPPAP以外の楽曲は、ちょっと。。。爆

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