Laval Virtual World 2020 After the Report This world is full of kindness: 日本からのLaval Virtual World2020の参加レポート この世界は優しさで溢れている No,04

Shoko Kimura 木村正子
12 min readMay 2, 2020

--

Many thanks, message on post-its in Virtual World

Summary

バーチャル世界でも人と交流し関係性を形成して行くことは可能だ。その中で一番残るモノは言葉だろう。
今回、完全オンライン・バーチャル世界にて開催のLaval Virtual World ではオンライン越しでも人々の優しさに触れる機会が多くあった。例え会場がオンラインになったとしても人の物事に対する想いは現実世界と変わらないのだ。Laval Virtual WorldではSNSとポストイットの機能で思いがけない小さな奇跡が起きた。その奇跡は来年度の開催に希望をもたらす力となるでしょう。

1 日本からLavalへの応援グループの立ち上げ

メディアアートが心から大好きでいつか海外展示をしたいと思い、調べているうちに知ったのがLaval VirtualとARS ELECTRONICAだった。2017年に初めて胎児体験VRを制作してからVRで大きな展示会へチャレンジしてみたいと思った。それがLaval Virtualだった。二年越しでやっとの思いでLavalへ行けると喜んでいたのも束の間、COVID-19の影響で物理的な開催は中止となってしまった。夢が一瞬にして砕け喪失感でいっぱいになってしまった。その思いを払拭するには現地の人を励ますことだと思った。
早速日本国内のLaval Virtual2020に出展する予定の方々に連絡するも、応援するのに賛同してくれた人たちはごく一部であった。そして、その中で出会った二人の先生方は特にLavalへの愛情が深く、Laval Virtualだけではなく、その地域や人々も含めて本当に大好きな気持ちであふれていた。その中でフランスの人たちと一緒の仲間意識を持って展示会を成功さた話を聞いて、この先生方のLavalの話をダイレクトに聞けて本当に良かったと思えた。Lavalの魅力の真髄を突いた先生方の意見にただ脱帽した。そして先生方が中心になりLavalを応援するための#ハッシュタグができた。 #CourageLavalVirtual 心からLavalが大好きな先生方だからこそできた素晴らしい呼びかけだと感激した。

私はまだLavalへ行ったことがなく、Laval VirtualというVRの展示会への憧れの方が強い。その時私にできることは応援メッセージと作品の記録を残す事だと思い、他大学で協力して下さった方々のポストも含め動画を2徹して制作した。そして動画を送信した時には日本では緊急事態宣言が出てしまい、いつも使用していた大学の施設も閉鎖に追い込まれたのでそれ以上の動画制作はできなくなった。それでも、なんとかギリギリで動画を送信できて安堵した。

応援メッセージを送信しそれで終わりだと思っていた。Laval Virtualのスタッフの皆さんはバーチャル世界の会場運営や問い合わせ対応にとても忙しい日々を送っているのでむしろ登壇者・参加者としてできる限りのことをする方が良いと考え、ポスター発表を良い機会にすることが一番の貢献だと思った。

そして、laval Virtual World開催1日前4/21 火曜 日本では#CourageLavalVirtual の特集記事がウェブメディアに掲載された。

https://vron.jp/2020/04/21/couragelavalvirtual/

同日の15時頃にSNSを開くとLaval Virtual Officeからの御礼のビデオレターが届いていた。

「あなた方のメッセージに感動した。(日本語で)どうもありがとう」

「来年会いましょうね」

「サポートありがとう!来年Lavalで会いましょうね!」

「ありがとう!ありがとう!ありがとう! 来年ね!」

「来年ね!またね!」

4名のスタッフの方々がフランス語と日本語を交えて御礼と来年会う約束をビデオにしてくれたのだ。その言葉を聞いた時に心から感動し体が震え思わず涙が出た。Laval現地へ行けていないのにLavalの人たちの心の優しさに触れた瞬間であった。Lavalの魅力は街の風景と住む人々だということを先生方から伺っていたが、こんなにも慈悲深くて心温まる人たちだということをインターネット越しに知る機会に恵まれて、どんなに遠くてもたとえ現実では会った事はなくても心の籠もったメッセージや言葉は伝わるのだと改めて感じる機会となった。
せめて御礼を伝えたいと思い、バーチャル世界で見つけたLaval Virtualのスタッフの方々にビデオの御礼を直接言葉で伝えた。そのお陰でたくさんのLavalの人たちと話すことができ、フランスと日本お互いが勇気を与え合い支え合ってていたのだと感じた。

その中で、とても驚いた事があった。バーチャル世界のBeach周辺をアバターで歩いていた時に偶然にも前 Laval Virtual代表のGuyさんに会えたのだ。Guyさんは日本語が聞こえたからと近寄ってくれたらしい。

Meet with before Laval Virtual Precident Guy Le Bras

「日本人か?ショウコか?私たちに素晴らしいメッセージをくれて本当にありがとう」

直接前代表から音声の言葉で伝えられた時に心が震えるほど感動した。いくらバーチャル世界といえど個人と偶然会う事は至難の技である。(GO TO 機能を使えばとても早いが、約束がある時以外はあまり推奨しない)
メールや書き込みでいくらでも御礼を伝えたり交流はできる。それでもとても嬉しいが、直接の人の音声が心を包み込むのはもっと素晴らしいと感じた。

しかし、私一人で応援動画を制作できた訳ではない。チームの仲間や他大学の先生・学生の皆さん・日本のLavalのコミュニティがあるからこそ出来上がった応援ビデオである。少し遅くなってしまったが、この場を借りて私一人ではなく協力してくれた全ての人に心からの御礼と感謝を伝えたい。
素晴らしい日本のLavalコミュニティへ ,
素晴らしい協力と応援メッセージを本当にありがとうございました

2 この世界は優しさで溢れている

日本時間4月25日朝7時 ,Laval Virtual Worldの最終イベントが終了するのは現地時間4月24日午前0時
このバーチャル世界に残る人たちも残り15人以下になるなど参加者が劇的に減った。

Beautiful fireworks from lighthouse in Virtual World

最後、現地では夜の設定であるため花火が空を彩っていた。その花火を追いかけようと灯台の上へ登り最後バーチャル世界の夜空の演出を楽しんだ。灯台には最後の景色を楽しもうと2、3人の他のアバターがおり何か話した。記憶はあるが私は日本から7時間の時差の中、29時間連続で起きていた。灯台の上で人の話した内容も忘れてしまうくらいパソコンの前でうとうとした。

最後に出会った人と簡単な会話をした後、私はそのまま軽く仮眠を取った。日本時間で4/25土曜だが簡単な仕事があったので9時には起きたものの、12時に仕事が終わりそのまま夕方まで寝た。

起きたら日本時間の夕方だった。そして寝起きのクセでまたついバーチャル世界に入ってしまう自分がいた。

しかし、ログインするとバーチャル世界では私たった一人であった。
正直、寂しい気持ちで溢れた。今朝まで100人以上を超えるログインがあったのに、イベントが終わった直後は祭りの終わりと同じような喪失感と寂しさが連なった。

もう、この世界でLavalに関わる人たちと話せないのかな?
毎日の様に話していた学会のChairのSimonやLavalのスタッフのHarietteとももう会うことはないのだろうか?

寂しさは益々募るのだった。ふと、バーチャル世界のBeachへ行って最後灯台に登った。灯台へ登る途中で何度も美しい花火が空を彩り美しかった。

そして、最上階までたどり着くと、そこにはポストイットにたくさんの感謝のメッセージで溢れていたのだ。

Meci! Thank you ! I love you! たくさんの感謝と愛情溢れる言葉で埋め尽くされていた。その言葉と共にバーチャル世界に存在する花火がまた美しく感じ、まるで喜びの言葉が花火と共に広がるのを象徴しているかの様に感じた。

その後、最後にパーティーが行われたSoccerコーナーへ行くと、ポストイットに感謝の言葉が託されたポストイットで壁画ができていた。

中にはハートの形をポストイットで描いているものもあった。

もうこの世界には誰も居ないけれど、参加者の暖かい気持ちが溢れて居たのだ。

Laval Virtual Officeを尋ねると 感謝の言葉が連なっていた。

BRAVO! LOVE YOU! See you next year. Mecri!

そして、この世界の至る所にLaval Virtualへの感謝と成功を祝福する言葉が貼ってあったのだ。その中には世の中の情勢を考えSTAY HOMEを促し来年こそ現地開催を祈る言葉もあった。

with our team members Internal Space, JAIST

#CourageLavalVirtual の想いは偶然か必然かわからないが、人々の来年度の開催の希望としてバーチャル世界に広がっていたのだ。

誰もが物理的な開催を願っていただろう。そして、本当にLavalへ行って皆会いたかっただろう。その思いが参加者の自然な形でこのバーチャル世界に残っていたのだ。
これらは6500名のログインがあったからこそ起こった奇跡だと思う。たった一人の世界ではこんな素晴らしいメッセージを残すことはできない。大人数だからこそできた事である。

バーチャル世界でも奇跡を起こすことはできる。そして、人の想いは例えバーチャル世界でも形として残すことができるのだ。

その言葉を読む度に、最後まで諦めないでバーチャル参加してよかったと思えた。Laval Virtualに対する愛情のあるメッセージはきっと来年度の開催に明るく貢献するだろう。

今は人の想いでCOVID-19を払拭することはできない。けれど来年度への希望はCOVID-19を撲滅させる一つの目標となり人々に希望や勇気を与えるだろう。

VRはコロナの影響もあり以前より注目を集めることになるだろう。

そこで忘れないで欲しいのは、実用的にVR使用することも大切だが、アートやエンターテイメントなど心の底から楽しめるコンテンツも多くあることだ。

私がVRが好きなのはその世界が美しいからだ。一瞬で私たちを別の世界へ誘導し美しい世界を見せてくれる。喜びや面白さの先にこそ人類の発展や展望があると心から信じている。

人は絶望に落ち入った時ほど恐怖から抜け出せない。

希望を見出すには勇気が必要だ。

コロナよりも怖いのは人の恐怖心だ。

その恐怖心を小さくする方法がある。

人の優しさが恐怖心を包み込み溶かしてくれる。

それはバーチャル世界も一緒で人の心の暖かさを感じられた時、大きな勇気と希望を言葉から貰うことができる。

もうバーチャル世界・Laval Virtual World(VirBELA)には誰も居ないけれど、私ははっきりと覚えている。

この世界で学会発表したこと、プレゼンを聞いたこと、サッカーやジェットボードで遊んだこと、様々な人たちとアバターを通じてコミュニケーションを取ったこと、そしてポストイットに残った人の心温まる言葉を私は忘れません

Laval Virtual World 2020 を創造してくれた人たち 参加した人たち
本当にありがとうございました

来年こそリアルな現実世界開催の Laval Virtualで会いましょう!
完全オンライン・バーチャル世界で開催されたことを来年は思い出話にできますように。
長いLaval Virtualのレポートを最後まで読んで頂きありがとうございました。

(レポートは終了ですが、番外編を書くかもしれません。

--

--

Shoko Kimura 木村正子

Born in Aomori Japan in 1985. Nowadays, she is JAIST Master and employee in Tokyo. Robotics, AR/VR developer, Media, and Life art. https://internal-space.com/