シリコンバレーにはStart-Up Ecosystem(スタートアップ・エコシステム)なるものが存在するのはご承知の通りです。
このページを見られている方であれば、Yahoo!, Facebook, AirBNB, Pinterest, Path, 等のシリコンバレーを代表する企業はご存知でしょう。
しかし、具体的にシリコンバレーのエコシステムを理解するのには、ある意味、エコシステム外の人からは、すこしわかりにくいのではないでしょうか。
一つ一つのスタートアップと呼ばれるベンチャー企業が生まれるには、多くの団体、そして人々が存在しているんですね。
- University
大学です。この大学には様々な優秀な人材があつまり、その多様性、そして既成概念にとらわれない人々が多くのスタートアップを作っていきます。 この大学こそがスタートアップに関わる多くの役割を担っています。シリコンバレー、サンフランシスコ周辺では、Stanford University をはじめ、UC Berkley 等多くの全米きっての優秀な大学が存在します。
2. Funding Organization
お金を出す団体です。Angel, Venture Capitalといった団体が団体がこれから時代を担ってゆく会社へ投資しています。
シリコンバレー、サンフランシスコには多くのFunding Organizationがあります。 そういったFunding Organizationの多くは、機関投資家もいますが、自分で起業し、事業売却をした経験を持っています。
AngelやVenture CapitalといったFunding Organizationは有名になれば、なるほどそういった話が自ずと自分のもとに集まるようになっています。
例えば、Angel投資家で一番有名な人は、Ron Conwayという投資家です。 全米で最も影響力のあるAngel投資家と言えるでしょう。
Google をはじめ、Facebook等今をときめく名だたるスタートアップに投資しています。
下の写真のおっちゃんです。
彼の投資先は代表的なものだけ上げても、大変有名な世界的企業になっています。
Google
Facebook
PayPal
Four Square
Square
Twitter
等です。
詳しくは後でじっくりと時間をかけて書こうとおもっているので、今はここまでにしておきますね。
その他、Founding Organizationには、Crowd Funding, そしてInvestor Networkといったものもあります。
3. Service Providers
ここでは、法的なアドバイスをする法律事務所や、スタートアップのファイナンスや税制をサポートする会計事務所をさします。
この法律事務所や会計事務所もエコシステムの中で大きな役割を担っています。 特に日本人がスタートアップをする時は、この中に移民法の弁護士等も必要になってくるでしょうし、企業から派遣されている場合は、日本のこともよくわかる弁護士がいれば良さそうですね。
4. Research Organizations
Research Organizationsは多くの場合、大企業や大学によって支えられているところが多いです。 特に時間がかかるResearch & Developmentは大学によってなされています。 軍隊の基金が入っていることもあります。特にインターネットは最初は軍事用として開発された経緯があり、そして大学間のネットワークという形で発展してきました。
バイオの分野や、イノベーションを必要とする分野はこういったResarch Organization の発見をもとに商業ベースにのせるということも行われています。
アップスが最初に発表したマウスは、Xeroxの研究所のものをスティーブ・ジョブスが模倣したといわれていますが、こういった研究所の存在は大変貴重なものです。
5. Support Organizations
Support Organizations は基本的にスタートアップを支援し、発展させることを目的にしている団体です。 例を挙げれば、incubators, accelerators, co-working spaces は代表的な団体でしょう。
日本でも有名になってきている、Y-Combinator 略称ワイコンは、投資も行うので、ベンチャーキャピタルとこのSupport Organizationsを併せ持つ団体と言えるでしょう。
6. Big Companies
文字通り、大企業です。
Start-Up Ecosystemにおいて、必要不可欠な団体です。
シリコンバレーにおいて、投資家の間でいわれていることは、10社投資(シリーズA)して、
6社が倒産、
3社が損失を出してに他社買われるか、少し利益が出る、
1社がIPOするか、多くのリターンを生み出す大企業にかわれる。
つまり、儲かるか、儲からないかは10%にかかっているというのです。
そこを左右するのは大企業ということです。
つまり、この線をうまくコントロールすることがスタートアップの成功と失敗を分けるということです。
以上がStart-Up Ecosystem の概要ですが、
その団体がどの部分を担うかということを理解することが重要になってきます。