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2018年6月にA1A株式会社を創業して約半年。その前はシード/アーリー期の会社に投資をするVCとして働いていました。

元々のVC仲間だった人たちと会うと、「実際VCとして見てきたスタートアップと中の人になって感じるスタートアップってどう違うの?」と聞かれることも多いので、本ブログでは改めてその辺りを振り返ってみようと思います。

VC時代にはこんなブログを書いていました。

VCとして働く上で見える景色と、スタートアップ中の人になって見える景色はやっぱり変わります。スタートアップ中の人といっても創業初期のフェーズとPMF後のフェーズ、更には上場前フェーズと、それはそれでまた視点や景色も大きく変わるのだと思います。また事業の特徴によっても変わるでしょう。なので、あくまで、「創業6ヶ月、SaaS事業を進めており、プロダクトマーケットフィットの実現に向けて動いているスタートアップ中の人」の視点でしかないのですが、このタイミングで、自分たちの現在を棚卸ししてみたいと思います。

まず『シリーズAに到達するスタートアップの特徴』に書いている主なポイントは、以下の4点です。

・ 提供する価値の本質について仮説が明確

・ 価値を提供するにあたり、介在価値が明確

・ とにかく仮説を検証するペースが早い

・ シリーズAフェーズに到達するために必要最低限の組織サイズ

・ 柔軟かつ早い、組織の揉め事が最低限

加えて、『70社弱の出資先の振り返りの結果見えてきた伸びるスタートアップの共通点』には下記の10点をポイントとして挙げています。

・ 起業家が野心的かつ謙虚である

・ 今及び数年後の市場の需給をしっかりと理解している

・ 自分及び自分の非常に近い人が欲しているものを提供している

・ 腹をくくっている

・ 経歴、バックグラウンド、年齢、学歴は絶対条件ではない

・ 資産を地道に積み上げた会社は強い

・ 「技術が強みの会社」こそ戦略が大事

・ 人員計画(キャッシュフロー計画)は大事

・ リーンスタートアップである(仮説検証を回すスピードが早い)

・ 経営ができるチームである

、、、、冷や汗が出ますね。w

計14点の中で、重複を省き、かつ、自分たちの会社に関連しそうな項目を挙げて振り返りをしていく中で、「あーやっぱり大事だよね、、、」って思うポイントや、「考えていたより難しいっすね、、、」ってポイントを洗いざらい書いていってみたいと思います。

① 提供する価値の本質について仮説が明確 ( 価値を提供するにあたり、介在価値が明確 )

価値の本質に対する仮説を明確にするために、現在進行系で頑張っています。というのが現状かもしれません。シードフェーズはここを検証しつつ、加えて、その提供価値に対してどれぐらいのマーケットがあるのか、を見定めていくフェーズだと思っています。しかし、一方で、「明確になっている価値」だと誰もが感じれるものに関してはすでに提供者がほぼ100%存在するというのもまた一つの事実です。そのプレイヤーに対して明確な差別化ポイントを探しに行くのか、もしくは、「まだまだ潜在的な」価値に刺しにいくのか、の2点だと思っており、それぞれ相応の覚悟が必要だと感じます。

一方で、

  • プロダクト案をスライドに落として持っていく
  • プロダクトを見てもらう
  • プロダクトを触ってもらう

だと、価値の伝わり方が全く変わり、加えて、得られるフィードバックも格段に変わるということを実感してもいます。
また、「中の人」になると、どうしても目の前のお客さんに目が向きがちになります。それが故に、「価値」を提供する対象が「目の前のお客さん」になりがちになってしまうなぁ、、という反省はあります。常に客観的な視点と、マーケット視点がないと判断がブレブレになってしまう。この辺は、大いなる反省点。

② 起業家が野心的かつ謙虚である

なかなか自分で判断するのは難しいポイント。が、一方で、「野心的」を「夢(ビジョン?)が大きい!」と強引に言い換えるならば、夢自体はどんどん大きくなっていきますね。仮説検証を進めれば進めるほど、お客さんに会えば会うほど自分たちのプロダクトの持つ可能性が膨らんでいく。話せば話すほど、形にしたい世界は大きくなっていく。そんな風に感じます。加えて何も無いスタートアップが人を巻き込もうと考えたら、「ロジカルな説明」だけでは難しい。これは痛いほど実感しました。形と実績がないスタートアップの武器は、本音でビジョンを語れるという点。本音のビジョンを前提にロジックで裏付けをしていくというスタイルに自然と移行してきているように感じます。

謙虚であるかどうかは、、、そもそも創業まもないフェーズで傲慢って、諸々成り立たないと思っています。

③ 今及び数年後の市場の需給をしっかりと理解している

上記の通り、「中の人」になって一番むずかしいなと感じるのは「目の前」を重要視しすぎてしまうところ。意識して長期目線を持つ機会を作らないと、数年先なんて見れなくなります。営業資料と向き合う時間だけでなく、ピッチ用の資料と向き合ってみる、時間を作って自社の現状を客観視してみる、、この辺を意識しつつも、「目の前を見る視点」と「客観的視点」をバランスよく行ったり来たりできるような手法が知りたいところです。

④ 自分及び自分の近い人が欲しているものを提供している

これの意図するところって、今から考えると、

  • 2. 課題の深いところを知っているか
  • 3. 業界インサイダーとして有利なポジションを取れるか

といったポイントが重要だからなのかと思います。私個人でいうと、「その業界のことは知っていたから(身をおいていたから)実体験ベースで課題を知っていた」一方で、「実務はやったことがないから細部がわからない」という、半分半分みたいな立場。1,2は努力と好奇心の問題のように思います。やればやるほどハマってくるし、わかってくるもの。一方で、3に関してはまだまだ不明瞭。「実務経験がない」という点をコンプレックスに感じるときもあれば、実務経験のなさ故のポジションを取れたりもします。ただ、業界の方々に本当に良くしていただいているし、いつも相談に乗っていただけている。本当にありがたい話です。

⑥ 腹をくくっている

少なくとも事業をやっている時間が一番楽しいですね!
もはや生活の一部というか、むしろ、仕事が「主」で生活が「従」になっている感はあります。

⑦ 資産を地道に積み上げた会社は強い

これは、改めて「その通りですね」って思います。それこそ場当たり的な対処がどうしても多くなってしまう中で、投資対効果を考えて判断するって視点を失ってしまいがちになります。加えて、後述する「仮説検証を回す」って視点と真逆に位置するのが「資産の地道な積み上げ」。
ここ最近は、フロー的な行動をする中で、いかにそれを資産化できるか。その辺を意識できるようにしています。(言うは易く行うは難しですが)。具体的には、日々の仮説検証をコンテンツ化して発信する、ノウハウとして積み上げる、資産として活用することを前提に施策や日々の行動を計画する。もっと体系化していきたいなと思いつつ、そのへんがきれいに回るようになったら、改めてブログにまとめてみたいと思います。

⑧ 人員計画(キャッシュフロー計画)は大事

これも言うは易く行うは難しですね。そもそも採用って変数がめちゃくちゃ多い。採用活動を始めてから、実際にその人が入社するまでには数ヶ月かかる。スタートアップにとって数カ月はだいぶ大きいから環境が思い切り変わっている可能性がある。その時のキャッシュの状況も、調達や売上の伸びによって大きく左右される。加えて、数人のタイミングだと、1人の存在がだいぶでかい。4人の状態から、1人採用すると、たった一人に見えても組織にとっては20%を占める存在になる。そんだけ変数が多いにもかかわらず、数ある転職候補先の中で自分たちを選んでもらうのは超大変。更に相性も、経験もバッチリ合うなんて奇跡に近い。

だからむずかしい。

ただ、一つ学んだことが有るとすれば、「期待役割がはっきり見えたタイミングでない限り人を雇ってはいけない」ということ。ふわっと採用活動をスタートすると、その人がいいのか悪いのか判断がつかない。何を持って決断を下せばいいのかわからないから軸がずれまくる。相手にも迷惑をかけてしまう。「こういう人が必要だ」っていうターゲット像が明確にならない限り採用活動に動くべきではないし、このターゲット像の設定が超重要だと感じています。本当にその役割の人が必要なんだっけ?って問いかけを繰り返しつつ、絶対必要だ、となって、初めていい採用ができるのではないか、というのが今の仮説です。

(ちなみにきれいに明確にして動いた結果、年末にエンジニアの方の採用が決まりました!よかった!)

⑨ リーンスタートアップである(仮説検証を回すスピードが早い)

これも重要ですね。でもこれまた難しい。⑧にも関わると思いますが、人が増えれば増えるほどより難しくなってくるんだと思います。先日バズっていたNetflixの記事にもありましたが、サンクコストをどうしても考えてしまう。

更には、検証すべきテーマはたくさんあるものの、リソースが常に限られているから一度に検証できる数はどうしても限られてしまう。とはいえ、「検証しきった」とどこまでやれば言い切れるのかがわからない。

まだまだ課題が山積みです。

⑩ 経営ができるチームである

シリアルアントレプレナーがいるわけでもないし、経営コンサルをやってた人間がいるわけでもない。加えて、若いチームです。頑張る!

⑪ 柔軟かつかつ早い、組織の揉め事が最低限

⑩を満たしきれていない悔しさもありますが、一方で、だからこそ型にはまらず、チャレンジできているように思います。加えて、今のチームはそれぞれが自分の強みや得意な領域を持っている。それぞれが、補完しあえるようなチームになっている。それぞれの強みや経験をリスペクトできるような空気が有る。全員で体当りしようぜ、という創業チームが形成できている。ここは満たせているというか、強みだなーと思います。

組織の揉め事が最低限かどうかでいうと、まぁあんまり揉め事はない方でしょうね。加えて仲もいい。多分リソースが足りないから、お互いがお互いをちゃんと活かそうってしているんだと思います。投資対効果が良い動きをしないと、リソース不足に悩むことになることを理解できているのかなーというのが今の状態。この状態こそが、「最低限の人員で組織を構成する」副産物的なメリットなのかもですね。

以上が、VCとして働いていた時に抽出したポイントに対する自社の振り返り。

ここから何点か、「中の人」になって気づいたポイントを書いてみたいと思います。

⑫ 短期、中期、長期の目標を全員で共有することが超重要

常々感じていることは、スタートアップが「一枚岩」でいることの重要性。これ、本当に難しいです。毎日一緒にいても、どうしてもずれる。10月?11月?に、「”今やるべき一番大事なことはなんですか?”という質問に対して、成長しているスタートアップは、各メンバーの答えがぶれない」なんて話を聞きました。速攻で、グーグルフォーム作って自分たちでもやってみたところ、答えはバラバラ。w

毎日一緒にいて、毎日議論を続けているのに答えが合わないんです。

そこから先も仕様を決めるタイミングや、諸々の判断を下すタイミングで、それぞれの意見が割れることが正直結構な頻度でありました。

しかし、あるタイミングに、「2019年6月に○○という状態になっていることを目指す」、「2019年末に○○という状態になっていることを目指す」、「2020年○月に、、、」ということを定量目標、定性目標として持ち始めたことをキッカケに、メンバー間の判断軸が揃ってきたというか、定めた目標が「主」となり、それを満たすためにどうすれば良いのか、という議論ができるようになってきました。これはかなり大きな変化だったと思います。人員計画においても「なんの役割を担ってもらうのか」が重要です。これも上述の通り。至極当たり前の話では有るものの、共通認識を持つことが本当に本当に重要であるってことを身にしみて感じたのが6ヶ月で得た大きな学び。

これから組織が大きくなればなるほどこの辺が難しくなってくるんだろうなとは思いつつ、自分たちが得た大きな学びとして、ずっと大事にしていきたい習慣ですね。

⑬ エンジニアは偉大

これまでエンジニアとは一緒に働いたことが正直あまりありませんでした。それが故に、エンジニアのものの考え方やエンジニアの働き方には疎かった。が、一方で、この数ヶ月開発を進めていく中で、エンジニアの「細部にこだわる姿勢」「要件を詰めていく上手さ」、更には、「目の前の要求と、数年先の要求を見据えたバランスのとり方」に加え、「やり切り力」みたいなところには、感服させられています。SaaSとしてスケーラビリティを持ったシステムを作っていくには、「プロダクトがアップセルやさらなる顧客を生み出せる状態を築いていくこと」が重要だと思っています。先述の「資産を積み上げた会社が強い」の通り、プロダクト主導で顧客獲得が進む状態こそ、「資産×成長」を実現できる軸なのではないか。手前味噌な話ではありますが、A1Aのエンジニアは、ビジネス視点に立脚したプロダクト開発を進めることが得意だと思っています。それら故、「エンジニアは偉大」と日々感じさせられているのです。

以上が振り返りと現在の状態。

本製品のリリースに至るまで、日々、腰を据えた開発とトライアル、更には仮説検証を続けているのが今の状態です。
本製品が出てない、また、目に見える数字をベースとした実績が出ていない中、確固たるものが何もない状態で、きついことも有るんかな?とも思いつつ、昨日も何人かのメンバーと話していたところ、「創業からきついなって思ったことあった?」との会話の中で、「なんもないわ、ってかまだ何も始まっていないからきついとかそんなの無いよね」で一致したので、まぁいい感じで前向きに進めているんだと思います。

さて、そんな状態の中、お客さんに価値を提供するために、また、良いプロダクトを作っていくために、エンジニアの方を引き続き募集してきたいと思っています!絶賛0→1フェーズ。圧倒的に大きな市場を目指していく。「価格を透明化していく」というコンセプトで、世に無い新しい価値を問うていくフェーズです。

毎日のようにいろんな変化が起こる今のフェーズ。
生身の状態は上述のとおりです。

メンバーともたくさん話していただきたい、事業内容についても、将来実現していく世界観についても、お話させていただきたいです!
興味をお持ち頂けた方は、是非ご一報いただけると嬉しいです!ランチでも何でも行きましょう。

一応Wantedlyにも掲載しております。

Wantedlyからでも、Facebookからでも、Twitterからでも構いません。ご連絡いただけると嬉しいです。

以上!


2018年6月26日にA1A社を創業して創業約4ヶ月。本格稼働の8月から約3ヶ月が経過しました。

いかに産業の課題を解決していくか、いかに価値を提供していくかについて考え抜く日々の中、やっとα版が完成し、ユーザー様のところに持っていける環境が整ってきました。11月中旬からは実際のトライアルもスタートし、実運用を開始していくというフェーズの中、ここに至るまでの過程を振り返ってみようと思います。

(しかし、準備に準備を重ねて、動くプロダクトが出来上がってくる喜びってホントひとしおです。世の中にない自分たちが作ったプロダクトで、世の中にその価値を問うってすごく刺激的。)

自分たちの製品開発の一番の特徴は、ヒアリングの量、ここに尽きると思います。前職に勤める傍ら、休日や夜などの空いた時間を活用し、ふわふわっとしたアイディアの段階から徹底的にユーザーインタビューを進めてきました。その数、4ヶ月で約100件強。最初は、「現状の課題ってなんですか?」から始まり、そこで出てきた課題をスライドに箇条書きでまとめ、また別の方にヒアリングを実施。その繰り返しでユーザーの課題を研ぎ続けました。(もちろん現在も1日1件以上は継続実施中。)

その過程で、最大公約数的に抽出した幹となる課題と、その課題を解決する解決策を徐々に徐々に具体化しているのが現在です。

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現在A1A社では製造業購買部門向けに原価低減を支援する(利益率の向上を支援する)SaaSプロダクトを開発しております。

一方、私個人に購買業務の経験はありません。それでも本事業を始めた理由は、新卒で勤めたキーエンス時代に購買部門との折衝を行う回数が多く、そのやり取りの中で、購買部門の扱うデータ量があまりにも膨大であること、そのデータの扱いの巧拙の差で、「安く」買える企業と「高く」買わざるを得ない会社の差がかなり大きいと感じていたから。そしてもう1点が、VCを経験する中で粗利率の重要性をひしひしと感じたという理由。この2つの経験が相まって、本事業をスタートしました。

”ものづくり”を行う企業にとって、購買調達は自社の競争力を左右する大きな要因です。データの有効活用は、企業の競争力の向上に大きく寄与しえます。

膨大なデータを活用して企業間取引を円滑なものにし、最終的には、自分たちが構築していくプラットフォームの中で新しい革新的なイノベーションがどんどんと生まれてくるような世界を作っていく、それが我々のビジョンです。

とはいえ、大きなビジョンを掲げても、実務がわからなければ、また、現場の課題感がわからなければお話になりません。

だからこそ徹底的にヒアリングを繰り返すことで、現場のリアルを感じつつ事業を組み立てていっているのです。意見を聞き、集約し、自分たちで咀嚼して解決策を見出していく。

この過程の中で、応援してくれる現場の方々、ご経験豊富な重鎮の方々をたくさん見つけることが出来ているのも、得難い大きな財産になっていると日々実感しております。

一方でレガシー産業を攻める難しさを感じている部分もあります。1点目はIT投資がまだまだ遅れている点。

日経新聞の記事にも有るように、日本の多くの企業が現在使用しているシステムには大きく改善の余地が有ります。一方で、どうしてもシステムの果たしている役割が大きすぎるゆえに、なかなか置き換えが難しい。我々のシステムは「置き換え」ではなく「全く新しいもの」です。一方で、他のシステムとの整合性を取るためには、絶妙なバランスでUI/UX、そして、機能を作り上げていく必要がある。「慣れこそが最上のUX」なんて言葉を聞きましたが、そのバランスにしっかりと気を配る必要がある。こちらからの押しつけでは当然喜んでもらえません。あくまでもユーザーの声を聞き、「ユーザーが」価値を感じるプロダクトに仕立てていく必要がある。ここに難しさを感じております。

そして2点目はユーザーへのリーチに工夫が必要であるという点。私たちのサービスのターゲットは非常に層が深く広い。が、一方で、それゆえにリーチがどうしても難しい。ここへの工夫と、リーチ手段のハックこそが自分たちを一歩先に進めるポイントであり、かつ、最大の参入障壁になるのではないかと考えております。

さて、そんな困難さは当然ありながら、一方で、プロダクトを通して価値を提供できている(できそうな)実感は日々感じており、それはそれは刺激的な毎日を送れています。

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机の上の汚さはお許しを、、、

いい意味での誤算は、α版とはいえ「とりあえずトライアルしてみませんか」があまり通じず、ご興味をお持ち頂けた企業様が「本格検討」を進められるという点です。企業の根幹部分をサポートさせて頂くプロダクトを提供しているからこそなのかもしれませんが、我々がベンチャーであるとか、そんなことを通り越して、我々の提供する「価値」を真剣にご検討頂ける機会を日々得られています。

また、プロダクトをお見せできるようになってから、得られるフィードバックの具体度合いと解像度の高さがぐんと上がってきている印象を得ています。プロダクトを見せる、本格検討をして頂く、そして11月中旬からクローズド版の実運用を目指して仕様を詰めていく。その過程の中で、これまでは気づけなかった発見や、ユーザー様からの重みあるご意見をどしどし頂いているというのが、いまのタイミングです。

当然α版は「最低限の機能で効果を感じてもらえる」プロダクトとして開発を進めてきました。が一方で、開発が進めば進むほどやりたいことも増え、また、新たな市場がぐっと目の前に広がり、そして、「こうなればもっと多くのユーザーに喜んでもらえる」という姿が日々鮮明になってきています。

だからこそ、今のタイミングで、開発のスピードをぐっと上げていきたい。目の前にいるユーザー様の課題を解決しつつ、大きなマーケットにプロダクトを武器として価値提供していきたい。そう考えているのが、0→1をスタートさせたばかりの我々の強い思いです。

さて、このタイミングでチームを拡大していきたいと考えています。

現状のチームは業務委託を含めて6人。ビジネス2人、エンジニア2(3)人、デザイナー1人というチーム構成。

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エンジニアのミーティング風景

この絶賛0→1事業立ち上げフェーズにおいて、ユーザー様にしっかりと価値を提供しつつ、スケールの大きな世界観を一緒に作っていって頂ける方を大募集しております。

現在は毎日のようにいろんな変化が起こります。この変化を、そして、スケールのデカさを楽しんで頂ける方には絶好の環境だと自負しております。レガシー産業、B2B故に、なかなか伝わりづらい部分もあるかも知れません。だからこそ、興味を持って頂けた方はぜひご一報頂けると嬉しいです。お話させてください!

一応参考までに、募集要項は下記内容です、、、

■正社員・副業
<必須>
・RDBMSを使ったウェブアプリケーションの開発経験3年以上
・Rails開発経験1年以上

<歓迎>
・AWS上でアプリケーションを運用した経験

■インターン
<必須>
・ウェブアプリケーションの開発経験
・週3以上

<歓迎>
・Railsでの開発経験

それ以外の方でも、まずお話できたら嬉しいです。ぜひ下記フォームまで!!

https://goo.gl/forms/U6OKQ6rJrqIdIdkh2

正直な所、スモールチームで潜る期間がある程度は続くんだろうなーなんて思ってたところもありました。でもわからないもんですね、今では、業界の課題感をしっかりと尖らせた状態で解決しにいける状態になり、いち早く開発を進めて価値提供していきたい気持ちが本当に強くなりました。逆に、それぐらいの自信を持って自分たちの仮説を提案できる状態になってきているということもできるのでしょう。
(少なくとも僕らチームはそんな確信を持てています!)

そんな楽しいフェーズです。ご連絡、お待ちしております。

以上!


7月31日をもって約2年3ヶ月お世話になったコロプラネクスト社を卒業しました。

ITにも金融にも疎い状態でVCというキャリアにチャレンジしたこともあり、スタートアップに対して自分が提供できる価値への不安を抱き続けてきた日々でしたが、毎日の充実度は極めて高いものでした。

またそれと同時に、最先端の技術や見解、チャレンジングなベンチャー企業の挑戦が、「あたりまえ」を日々更新し、世界をより便利なものに変えていっているという事実は、いわゆる大企業にいた自分にとって非常に刺激的なものでした。

その中で芽生えてきたのは、自分がその当事者になりたいという強い思いです。

そこで、キーエンスという会社で日々既存産業と向き合ってきた経験と、VCとして多くのビジネスモデルと向き合ってきた経験をかけ合わせ、営業時代にカウンターパートだった「購買部門」の方々向けにプロダクトを提供していくべくA1A(エーワンエー)株式会社を創業いたしました。

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企業の「利益」に大きな影響を及ぼす購買部門には日々たくさんのデータが蓄積されていきます。

社内外のデータを組み合わせて新しい価値を発掘し「最適購買」を実現する。これこそITの進歩が可能にする、巨大産業への大きなインパクトなのではないか。

そう信じ「全てのイノベーションの起源になる」というビジョンを掲げ、鋭意プロダクト開発中なのが今です。

現在はお力をお貸し頂ける仲間を絶賛大募集!採用も、ビジネスパートナーさんも、大募集です。

ビジネスの詳細についても、是非お話させてください!
お気軽にご連絡いただけますと非常に非常に嬉しいです!

ご連絡はこちらまで、、、、!

採用面でいうと、特にサーバーサイドエンジニアの方のお力を特にお借りしたいところ。

下記の要件にピンときた方、是非ご一報頂けると幸いです。

(もちろんそれ以外の方のご連絡もお待ちしております!)

■正社員・副業
<必須>
・RDBMSを使ったウェブアプリケーションの開発経験3年以上
・Rails開発経験1年以上

<歓迎>
・AWS上でアプリケーションを運用した経験

■インターン
<必須>
・ウェブアプリケーションの開発経験
・週3以上

<歓迎>
・Railsでの開発経験

また、今日、8月1日からは代々木に活動の拠点を移します。朝は恵比寿のマクドナルド、夜は各所のシェアオフィスで事業構想を練ってきた僕たちにとって、小さいながらも自分たちの城を持てる日が来るというのはなんだか感慨深いものです。

しかし、オフィスに置く物資が足りない、、、

ということで、(恒例の?)Amazonウィッシュリストを公開させていただきます!

http://amzn.asia/fjWVz87

ご支援いただけると嬉しいです!

長い戦いになるとは思いますが、日々頑張ってまいりますので、応援どうぞ宜しくお願い致します!


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CESに参加してきました!その振り返りを簡単に。
CESで感じた未来は「Connected」な世界と、それを形作るために必要な「データ」を巡る争いでした。そしてデータを取得するためのカスタマーエクスペリエンスの重要度の高まりを見せつけられたというのがハイライト。

■大きなトレンド

・音声

Amazon Echo、Google Assistantが様々な家電、デバイスに当然のように組み込まれていました。「音声」が流行るか流行らないか、の議論ではなく、「音声×製品」でどうカスタマーエクスペリエンスを作っていくかに焦点が当たって来ているのが世界の潮流、というのがCESで見えた世界。

・データ

「データは石油」と言われはじめて久しいですが、CESでは「データの取得戦争の勃発」を感じました。人間の時間及び行動の中で、データが取得されていない部分に関して様々な会社が入り込んできている。寝ている時間(ベット/枕×IOT)、リラックスの時間(瞑想×IOT)、歯磨きの時間(歯磨き×IOT)、髭剃の時間(髭剃×IOT)、プールに入っている時間(水着×IOT)等々。ユーザーの利便性を一旦抜きにして、とにかく空いている領域にスタートアップが続々入り込んできているという印象を受けました。

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・Connected

SmartHomeSmartCity、更にはConnectedCarと、とにかくすべてがつながる未来を各企業が描いていると強く感じました。これを前提に数年後の未来を見ていく必要がある。例えば町で事故が起こった時に、その事故と連動して自動で救急車が来る、警察が来る、その事故による交通渋滞を回避するように他の車が新しい道の提示を受ける、等々。コミュニケーションのあり方、インフラのあり方、そして「利便性」の考え方が変わっていく未来を感じます。またConnectedな未来があるからこそ、上記データの必要性が急激に高まっているのでしょう。

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・ドローン

ドローンの扱いが、まるで日本とは異なりました。AR/VRブースの合計と同じぐらいの面積を誇るドローンブース。更にはB向け用途にとどまらず、空飛ぶドローンタクシーのコンセプトまででてきているような状態。(実際インテルCEOの基調講演で飛んでました、、、)。様々な事情から、どうしても海外諸国と日本の事情が異なる部分はあるように思いますが、とはいえ、ドローンの動向には目が離せません。

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■その他気づき

・赤ちゃん向けの製品、おもちゃスタートアップが多い

逆にシニア向けは殆ど見かけませんでした。この領域は、少子高齢化という逆風下にいる日本にとってチャンスとも言えるかも。

・データを取るために必要なこと

データを取るためには結局、ユーザーに「使い続けて」貰う必要があります。今後この流れを受けて、より、ユーザー目線に立ったサービスが求められることでしょう。「Connectedな未来において何のデータが求められていくのか」そして、「そのデータをユーザーから提供してもらうために、どんなメリットを提供するのか」。ここが1番の勝負どころになってくるという確信を持ちました。

・「プラットフォーム」という言葉の氾濫

どの企業も「プラットフォーム」という言葉を使用していたように感じます。プラットフォームの役割は「入り口」であること。入り口としての優位性は「いかにユーザーに愛される場所であるか」という点。これまたユーザーインターフェイス、ユーザーエクスペリエンス、そして見せ方をどう設計していくか、という争いを更に助長していくことでしょう。トヨタもe-Palletを発表していました。非常にかっこよかった。確かに提携企業としてUber、滴滴、Pizza Hut、Amazonあたりを囲っているあたり、強さを感じます。一方で、プラットフォームが「入り口」であるという点を改めて考えると、別に企業側(サービス提供側)はいくつも「入り口」を持っていてもいいわけです。別にトヨタにこだわる必要はない。結局は「人がたくさん入ってくる」入り口を重視した関係構築を模索していく未来が明白です。どれだけユーザーを味方につけられるか、ここに終止していくんだろうなという印象です。

・同じようなサービス、同じようなプロダクトがたくさんある

改めて、「1人が考えつくことは世界中でも多くの人が考えついている」という認識を持つに至りました。情報伝達のスピード、技術革新、様々なクラウドサービスの充実により、「技術的に優位性があるので、、、、」また「プロダクトの独自性で、、、、」といった違いがどんどん持続しにくくなってくる未来を感じます。そこで重要なのは「ユーザーにどう見せるか」であり、「ユーザーにどう感じてもらえるか」だと改めて思うに至りました。

といった感じでしょうか。ちなみに個人的にいちばん好きだったのは次世代の充電形式。

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写真だとわかりにくいかもしれませんが、電気が充電器になっているという代物。電気が当たる範囲にあるものが充電される。この未来感はすごいなーと。確かに考えてみれば、充電するのって面倒くさい。充電器にさしこむの面倒くさい。

そして改めて海外のイベントに言って感じたことは、下記のツイートどおり。

とにかく、スタートアップが「空いてる!」場所探しになっている側面もあるのでしょう。しかも空いている領域にはどかどか参入してくる。差別化が「いち早く飛び込む姿勢」となっている中で、上記の通り「ユーザー目線」をいかに持つことができるか、ここに勝負の分かれ目があるように思います。

ちなみにCESでは停電が起こってました。テロが起こったかと思ってヒヤヒヤしましたが、ただの停電。

来年は蓄電系のサービスが流行ってくることでしょう。

以上!

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PitchBookの『The 18 most valuable VC-backed ecommerce startups in the US』という記事を参考に、アメリカで多額の調達をしているコマース系スタートアップ18社を調べてみました。

初めての試みとして、スライドにまとめてみたので、是非ご覧になってください。

調べてみて見えてきたこと

多額の調達をおこなっているアメリカのコマース系スタートアップを見ていくと、大きく分けて3つの特徴が見えてきました。

①ECは不安という懸念を解消
②強烈なブランディング
③パーソナライズ

この3点が「当たり前のように備わっている」会社が多くのユーザーを惹きつけているように思います。オフラインでの購買とオンラインでの購買の違いは「実物を手にとって確認できない」、「無機質な体験」という点かと思いますが、あの手この手を使って、「オフラインでの購買以上の感動を」「より便利に」と付加価値をつけてユーザーに提供しているサービスがやはり強い。

信頼できる場所で、そこでしか味わえない購買体験を。その体験を提供するための「ユーザー認知の獲得」は絶対条件。

という点が大きなテーマになってくるのではないかと思います。

①ECは不安という懸念を解消

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ECで買い物をするのは不安です。特に最初の障壁がやはり高い。そうした中で、私が挙げた18社は「当たり前のように」無料トライを提供している。試着が当たり前なのです。また、これも有名な話ではありますが、WARBY PARKERはその無料トライまでもマーケティングに落とし込む。試着した姿の画像にハッシュタグをつけてSNS投稿することで、スタイリストからのアドバイスとコメントを貰うことができるという仕組みを提供しています。
中古自動車マーケットプレイスのVroomも「試乗」を無料で提供します。当然送料は無料で、車を自宅まで運んでくれる上に、7日間の試乗が可能。これにより、信頼性と安心感を担保します。
高級ドレスをレンタルするRent The Runway社は、ファッション×オンラインで必ず課題になる「サイズ感」を、実際に着用した人たちのレビューと、画像、その人達の体型の詳細を掲載していくことで、安心感を担保していく仕組み。

上記のような戦略で不安を解消しつつ、既存の体験以上の体験を提供しているのです。これが秘訣の一つ目。

②強烈なブランディング

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最近日本でも流行の兆しが見えてきたD2C(Direct To Consumer)モデルを含む、コマース系スタートアップの課題は「いかに顧客の認知を得るか」という点。卸等の中間業者を廃し、また、「既に見込み客が多くいる」小売店やデパートに出品しないため、顧客の認知を得るまでのハードルが高い。スタートアップが多額の広告をばらまく戦略をとれるかというと、それも難しい。だからこそ、自分たちでブランディングをしていかなければならないし、認知を獲得していかなければならないのです。一方で、インターネットの力に上手くレバレッジを掛けた時に生まれる拡散力はオンラインコマースサービスが仕掛けるべき大きな戦略でもあります。

上記18社は等しく、自分たちの伝えたいメッセージを強く持っている。顧客の心に響くストーリーと、それを伝染させる手段をもっているというのが見解です。

アメリカで一斉を風靡するウールスニーカーのAllBirdsは「世界一は着心地のいい靴」として人気を博します。

The honest companyは女優のJESSICA ALBAが創業者。自身の子育ての経験から、「子供にとって安心といえるベービー用品がない!」というメッセージングで事業を展開します。Ipsy創業者のMichelle Phanは895万人のチャンネル登録者を抱えるYouTuber。韓国のMEMEBOXはコスメ製品一つ一つの使い方を、インフルエンサーが動画で解説します。

「ユーザー認知の獲得」が大きな鍵となる中で、強烈なブランディングと、それを伝える手段を持つ会社が、やはり大きく成長している。これもコマーススタートアップが考えるべきポイントでしょう。

③パーソナライズ

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そして3点目が今や欠かせないものとなってきた「パーソナライズ」というポイント。いかに「あなただけに、あなたにピッタリあった商品を提供」するかというのは、今やコマース周りだけでなく、等しく全てのサービス領域に求められるようになってきました。

StitchFixに関しては、先日の上場報道もあり、多くのブログ、記事が上がってきていたのが記憶にあたらしいところです。

Recruit Strategic Partnersの蓮沼貴裕さんが書かれた上記のブログにも、StitchFixのパーソナライズへのこだわりが多く記載されています。

上記18社におけるもう一つの面白いポイントが、「パーソナライズのために、事前にユーザーに多くの質問を投げかけている」という共通点を持つことです。やってみると結構面倒くさい。だが一方で、こうした「面倒くさい」点が許容されているということは、逆説的に、「ユーザーは面倒くさい質問にも答えるから、その分パーソナライズされた良い提案をしてほしい」と感じているということでしょう。良い提案をしてくれるのであれば、多少の面倒臭さは飲み込むよ、ということ。

またMEMEBOXは別の方法で顧客の情報を集め、それを提案及び商品開発に活かします。MEMEBOXは元々多くのトラクションを集めるコスメECサイト。ユーザーが日々自分たちのプラットフォーム上で購買活動をする中で、たくさんの情報が蓄積されます。その情報を活かして、「次の流行り」を先取りし、自社の商品開発につなげていく。その中で面白いポイントは、「商品開発のスピードを大幅に早くしている」という点。通常コスメメーカーが商品開発にかける期間は12〜18ヶ月程度。一方でMEMEBOXは2〜6ヶ月程度で商品を世に出します。早いのです。トレンドをいち早く掴んで、他のメーカーに先駆けて商品を提供する。「プロダクトアウトからマーケットインへ」をファッション領域で体現しつつ、そのサイクルをどんどん早めていっているのです。私個人の感覚として、「ユーザーのニーズにマッチしたデータドリブンの開発」は当たり前になってきており、その中で重要になってくるのは、「どこよりも早く開発できる会社」なのではないかと感じております。

また、AdoreMeは女性向けランジェリーの会社。この会社も強く「パーソナライズ」を打ち出します。ECページ上には「My Showroom」という、「あなたの好みに合わせたあなた専用のページ」が、他の一般ページに先駆けて表示されます。これもユーザー目線で、嬉しい施策の一つ。そしてもう一つが、「45分間のコンサルティング」。ユーザーが事前予約をして店舗に訪問すると、専属のスタイリストが45分間かけて、その人にあった下着を提供するための計測とヒアリングを行います。もちろん事前予約の意味は、他の人の目を気にしなくてもいい環境を提供するため。一対一での相談を行うことができる。そして後日、その人にあったランジェリーが送られてくるという仕組み。店舗をパーソナライズのためだけに活用するという仕組みも非常に素敵。ユーザー目線で新しい体験です。

信頼できる場所で、そこでしか味わえない購買体験を。その体験を提供するための「ユーザー認知の獲得」は絶対条件。

が改めて大きなポイントと言えるでしょう。
ここに紹介できていないだけで、スライド上には各社の興味深いポイントをそれぞれ記載しておきました。やはり大きくユーザーを惹きつけているサービスは、オフラインに負けない強みをしっかりと保持しているのが印象的です。

昨日Poshmarkが$87Mを調達したというリリースが出ていました。Alexaと連携し、「好みを声で伝える」機能を提供していくということ。

興味深いリリースがどんどん出てきます。コマース系のサービスにも引き続き注目していきたいところです。

以上!!

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先日月額課金サービスを契約する機会があった。一度の無料お試しの後、営業さんのカウンセリング?が入り、追加の無料お試しができるというもの。その時に受けた「カスタマーサクセス」とやらに強い違和感を感じたので、顧客目線で見た時のカスタマーサクセスを考えてみようと思う。

ではなぜ違和感を感じたのか。それは私自身がカウンセリングを受けるまでもなく、課金することを決めていたからである。一度の無料体験は満足のいくもので、そのタイミングで課金に至るまでのハードルは越えたつもりだったのだが、その後に課された30分弱の「カスタマーサクセス」が非常に鬱陶しいものだった。カスタマーサクセスは「通り一遍の定型文」を読みあげるものではなく、文字通り、顧客の成功のためのサポートを目的としているはずである。また、顧客の状態、心境に合わせてその内容を変えるべきである。にもかかわらず、「ユーザーの大部分は使い方がわからないだろう」という推測や、「ユーザーはこのへんで悩んでいるだろう」という推測?実体験?にもとづき、定型文を滔々と伝えられるのはきつい。

文字通り、カスタマーサクセスは「顧客の成功のために」行われるべきである。

一般的に顧客サポートは①購入前フェーズ(購入前サポート)②購入後フェーズ(購入後サポート)にわけられる。

結論から言うと、
①購入前フェーズ→顧客が成し遂げたいことを共通ゴールに置き、導入までのハードルを解消していく
②購入後フェーズ→顧客の成し遂げたいことを実現するために、どうそのサービスを使っていけばいいかを考えていく

が重要であり、これらを顧客とともにクリアしていくことこそ、カスタマーサクセスといえるのである。

余談ではあるが、何を隠そう、私自身は顧客フォローが好きではなかった。それは売り切りの製品の場合、自分にとってのゴールと、顧客にとってのゴールが異なるからであり、自分にとっての満足感の最高潮は「購入を決めてくれた時」なのに対して、顧客にとってはそのタイミングがスタートだったからである。自分の最高潮のタイミングが終わってからも、顧客の満足感のために頑張ることはどうしてもモチベーションのズレにつながっていた。それが将来の購買につながる第一歩だ、と考えてもなおである。しかし一方で、購入後フェーズのサポートの充実が何よりの差別化になっていたのは事実だったし、満足感を感じさせることがリピートしてもらうための何よりの方策であることも一方で理解しているつもりである。流行りのサブスクリプションモデルは、顧客と一緒に満足感を味わっていける、非常にいいビジネスモデルと感じる。

①購入前フェーズ

購入前フェーズのゴールは、「導入までのハードルを解消していく」ことである。購入前フェーズの顧客には3通りあり、
(a)既に導入を決めている人
(b)迷っている人
(c)冷やかしの人

が単純化した三類型である。そしてフォローの優先順位は(b)→(a)→(c)である。当然ながら、「サポートの投資対効果順」である。顧客が導入するかしないかを決める大部分の要素は「そもそもそのサービスを欲しているかどうか」である。体感ベース、7〜8割程度はここに尽きる。導入したいと思っている人はだいたい導入するし、導入したいと少しも思っていない人は大抵導入しない。残酷ながら、検討スタート時点の状態が7〜8割を決めるのである。逆説的に言えば、残りの2〜3割を埋めていくのが企業側の役割であり、できること、である。この理屈で言うならば(a)、(c)の人たちには過度なフォローはいらない。最もサポートが必要なのは、言わずもがな(b)フェーズの顧客層である。

(b)フェーズの顧客層は迷っているのである。7〜8割の心は決まっているが、何かしらのハードルを抱えている。それは物理的なハードルかもしれないし、精神的なハードルかもしれない。しかし、それを解決してあげるのがサポートの役割である。であれば、まず顧客と対話するべき内容は何か。それは「何が解消されれば導入に至りますか?」である。ここで言語化した回答が返ってくればそれを解消すればいいし、そこに明確な回答がないようであれば確認すべきは「このサービスを使って何を実現しようとしていますか?」である。(逆にここに回答がない場合、大抵は(c)層の顧客であることが多い。)
最終的に知りたいこと、顧客と共通見解として持ちたいことはあくまで「何を解消すれば導入に至るのか」である。当たり前であるが、「導入までのハードル」が一つもなくなれば、その顧客は導入するのである。

繰り返すが、この「何を解消すれば導入に至るのか」、もしくは「何を実現したいか」をベースにサポートを決めるべきであり、そのために必要なことが「値段の調整」なのであればサービスの組み合わせを考えればいいし、「本当に使いこなせるかどうか」であれば、「何を持って使いこなせると判断するか」を定義した上でトライアルに進めばいい。(クドクドと使い方を説明するのは顧客が使い方に不安がある場合のみである。ここに長い時間を割かれたのが、前述の、先日私が受けた”カスタマーサクセス”である。)

またもう1点重要なことは、「導入までのハードル」を企業と顧客が”一緒に”解消していくことである。相手次第な部分はあるが、大抵顧客のモチベーションはトライを続けるうちに下がってくるし、顧客もそんなに暇でない。ハンズオンなしにハードルを解消させようとすると、大抵の顧客は折れる。折れない顧客は上記(a)の顧客であることが多い。あくまで「一緒に」顧客のハードルを超えていくことが必要である。

その意味でセールスフォース社の「カスタマーサクセス」は徹底している。下記はセールスフォース社のブログから取ってきた内容であるが、顧客と一緒にゴールを定め、そこに至るためのKPIを策定、進捗状態の見える化までお手伝いするという方針を明確に打ち出している。(私自身、セールスフォースを使ったことがないので、真偽の程は分からないが、、)

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https://www.salesforce.com/jp/blog/2017/05/customer-success-02.html より引用

もちろん「商品単価や、人員構成の関係からフォローに工数を避けない」という意見もあるだろう。しかし顧客の成功がカスタマーサクセスの定義だとする場合、これが理想的なスタンスなのである。

②購入後フェーズ

購入後フェーズのゴールは「サービスを使うことで顧客が設定したゴールを達成すること」である。「顧客に成功しもらうこと」こそカスタマーサクセスの役割である。これが本当にしんどい作業。ここでの成否が解約率とLTVを決めるといっても過言ではない。
それは上述のとおりであるが、「満足感」を感じるタイミングが、企業と顧客で大きくずれるから、というのが大きい。企業側はやはり「導入」が何よりのゴールである。対して顧客側は「使って成果を得ること」が1番のゴールなのである。ここのギャップが満たされないサービスは大抵解約される。そしてまた話を厄介にさせるのが「期待感」である。導入前段階、企業側は「期待感」を顧客に感じさせようとする。しかしこの期待感が高ければ高いほど、「満足感」を得るためのハードルが上がる。当初抱いた期待感に満たないサービスは、たとえそれが成果を上げていたとしても満足感には程遠いものになる。この期待値コントロールが話をややこしくさせる元凶である。だからこそ、企業側は「満足感」を顧客に得てもらうために、顧客を成功に導かなければならない。
そのためにも必要なことは、「このサービスを使って実現したいことは何か」を共有することであり、「それが実現されたといえるのはどんな状態になったときか」を共有することである。そして、「そのために何をしていけばいいのか」を確認し、その点を追っていくことである。導入した側の顧客も、そのサービスを導入したからには、成果を出したいと考えるはずである。この時点で企業と顧客が見ているもの、達成すべきゴールは同じになるべきであるし、それを”一緒に”達成していくことが「カスタマーサクセス」なのである。

では、企業側が「導入時」に満足感のピークを感じないようにするためにはどうすればいいのか。これもありきたりではあるが、「導入」だけをゴールに置かないような評価システム、KPI設定を行うことである。「導入」という評価軸と並列して「顧客単価の伸び率」を追っていくべきなのだ。顧客から得られる「利益」こそが顧客の満足度を示すのであり、その象徴と言えるであろう。(ここで注意すべきはあくまでも「利益」であって、「売上」ではないということである。)

ReactiveからProactiveへ、がカスタマーサクセスでの掛け声となっている昨今。能動的なサポート体制は差別化要素になりうる。これまた私の体験上ではあるが、そもそも顧客側からサービスに関する問い合わせが来る時点で、顧客側には何らかの不安要素/不満がある。そうでなければわざわざ問い合わせなどしない。サービス導入において大事なことが、顧客のゴールを実現することであることは前述のとおりであるが、それと同時に、「自分たちで使いこなせるかどうか」も非常に重要なポイントである。ゴールの実現以前に、使いこなせないサービスは顧客の満足度を下げる。だからこそ、能動的なサポートが望まれる。

また、カスタマーサクセスを通して顧客の引っかかりどころ、顧客の重視するポイント、顧客の悩みを抽出していくこともまた、非常に重要なポイントである。能動的なカスタマーサクセスにより、顧客の満足度が高まったタイミングは諸々のヒアリングがしやすいタイミング。顧客の言葉を最も柔軟に引き出せるタイミングは何より、「顧客が満足している時」である。カスタマーサクセスを通して顧客を理解していくことも、サービスの改善に欠かせない重要なポイントである。

適切なカスタマーサポートのボリューム感は下のブログが参考になる。

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The SaaS Founder’s Playbook for Customer Successより引用

以上、カスタマーサクセスについてである。
私の顧客サポートの認識は顧客単価50−300万円程度のケースが元になっているため、サポートにかけられる時間とお金のコスト感は、各々の単価感に合わせるべきだとは思う。が、一方で、顧客に常に期待感を超える満足感を味わい続けてもらうことが何よりの継続率アップ/アップセルに繋がるという認識はどのサービスにも共通しているポイント。そのためにはReactiveなサポート体制だけでなく、Proactiveなサポートが望まれると考えるのである。

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コロプラネクストでは計70社弱の出資先をサポートさせていただいている。シード期に投資をするファンド、VRに特化した投資をするファンド、そして対象を限定せずに投資をするファンドを持つCVCとして、創業初期の会社からミドル/レイターの会社まで、広くモニタリングさせていただいている。その70社弱の支援先を2日間かけて、一気に分析/共有し、そこから見えてくる「伸びているスタートアップの共通点」を抽出してみたのである。

見ていったポイントは下記の三点

・投資前の前提
・現状(前提とのポジティブ/ネガティブなずれ)
・そこから得られる教訓

1社5〜10分、計10時間程度かけて振り返りを行った結果見えてきたポイントは非常に示唆に富むものだった。
「起業家の特徴」「事業/戦略の特徴」、そして番外編として「投資家として得られた教訓」について以下にそのポイントを列挙していく。

起業家の特徴

①起業家が野心的かつ謙虚である。

伸びているスタートアップの起業家は等しく野心的である。野心的であるがゆえに、自分たちの追求するゴールの達成に向けて一直線に進んでいるし、かつ、そのスピードが著しく早い。
その一方で非常に謙虚で素直。誰に対しても分け隔てなく接し、かつ、多方面からのアドバイスへの感度が高い。
この「野心」と「謙虚」という、ある種両極端とも言える特徴を兼ね備えている起業家の会社の伸びは著しい。

②今及び数年後の市場の需給をしっかりと理解している

目指している市場の「今」と「数年後」について、しっかりと仮説を持っており、かつ、その仮設の中でどのポジションを取るべきかを冷静に見極めている。「人々のニーズ」だけでなく、「供給者」の理屈まで目を配り、そのバランスの中にチャンスを見出している。今時点での自分たちの「あるべきポジション」と、数年後時点での「あるべきポジション」についてしっかりとした仮説を持っているとも言える。

③自分及び自分の非常に近い人が欲しているものを提供している

これはあらゆるところで言われている話でもあるが、その事業を始めたきっかけの深い部分に「自身のニーズ」があるスタートアップは成長が早い。「自分しか知らない」もしくは「自分だからこそ気づけた」ような事業の種はやっぱり同様の課題を抱える顧客への刺さり方が深い。一方で、これは後の項目でも述べるが、そこに経営者としての目線をどれだけ盛り込めるかがポイントにもなる。

④腹をくくっている

投資家サイドが偉そうに言うのもはばかられるが、やっぱりうまくいっているスタートアップは腹をくくっている。覚悟が違う。①の野心の部分とも共通するが、腹をくくって勝負している起業家は強い。

⑤経歴、バックグラウンド、年齢、学歴は絶対条件ではない

その人の過去は、会社の伸びにそこまで大きく関係しない。それよりも上記4ポイントのほうが重要である。でも数字への感度は高い方がいい。

事業/戦略の特徴

⑥資産を地道に積み上げた会社は強い

いかに地道に自社の資産を積み上げていくか。こつこつストックを積み上げている会社は強い。何がその会社にとっての資産で、その資産の積み重ねがどういった優位性につながっていくのか、ここの定義は重要である。逆にフローへの投資は再現性がどうしても弱い。「スケールしないことをしよう」はまさにその通りで、伸びているスタートアップは、結果としてこつこつと資産を積み上げてきた会社。潜る時期を経て資産を積み重ねてきた会社は強い。

⑦「技術が強みの会社」こそ戦略が大事

「技術が強み」の会社はそれ自体が非常に魅力的。一方で、その後の戦略に目が行かなくなりがちである。特許取得を含めた技術優位性を高めることに注力する一方で、いかにスピード感を持って「事業として」伸ばしていくか。「技術が強みの会社」こそ「戦略」が大事ということも、当たり前だが重要な真実。

⑧人員計画(キャッシュフロー計画)は大事

「どうお金をマネジメントしていくか」は非常に大事。特に創業初期の投資で多くを占めるのが人件費。人員計画が怠惰な会社は、財務面でも事業面でも苦労しているし、会社が安定しない。特に初期に関しては「最小限の”最適な”人を、必要なポジションに充足している」会社がやっぱりうまくいっている。一方で無鉄砲な採用が成功した事例は見られなかったので、やっぱり人員計画は大事。

⑨リーンスタートアップである

仮説検証を回すスピードが早く、その結果得られた知見に対して素直な会社は強い。結果と数字に素直なことはやっぱり強い。伸びているスタートアップは等しく仮説検証を”回しまくっている”。

⑩経営ができるチームである

上述の「起業家の特徴」では、野心的かつ謙虚、そして「自分が必要とする」ものを提供する起業家が強いと述べたが、それだけではやっぱりキツい。チームに経営者がいることが重要だし、あくまで「経営」という目線を持って事業を運営することが必要である。もちろん社長自身がそうである必要が必ずしもあるわけではない。経営できるチームであることが重要なのである。

列挙していったらポイントが10個にもなってしまったが、本当に重要な真実である。コロプラネクストのポートフォリオには多領域、多分野、多ラウンドの会社が並ぶが、うまくいっているポイントを抽象化してみるとフェーズにかかわらず意外と共通点が多い。

「野心的かつ謙虚に」、「自分がやる理由のある」事業に「腹をくくって」取り組む。今と数年先の未来の市場を正確に理解し、戦略的にコツコツと資産を積み上げていく。

ここに運の要素が加わることで、「伸びるスタートアップ」が確立されていくのでしょう。

結果論、および後づけなのでは?という懸念もあるものの、結果として上記のような要素が見えてくるという事実には謙虚に向き合うべき。

歴の浅いVCの強みは成功事例に縛られないことであり、常に教訓をアップデートできるところ。ここの磨き上げと、変化への気づきを大事にすることで、「出資先数が多い」という強みを存分に活かしていきたいところ。

ちなみに、投資家としての教訓も多々見えてきたのが今回の収穫。ブログに書くべきではない内容も多々あるため、ここには2つだけポイントを記述するが、定期的な振り返りは本当に大事。

(番外編)投資家として得られた教訓

⑪「受け身」の投資は良くない。腹落ちした状態でなければ投資はしない。

「◯◯がいいと言っていたから」、「◯◯も投資するから」といった理由で投資してはいけない。「投資する理由」を探しに行くような投資はやっぱりやるべきではない。腹をくくっていないし、覚悟なき投資は双方にとってよくない。投資するための投資はしない。

⑫「戦略投資」は現場をしっかりと巻き込んだ上で実施

コロプラネクストはCVCである。その為、当然戦略的つながりを見込んだ投資も検討に上がる。一方で、戦略的つながりを実行するのは当事者たる現場同士。現場を本格的に巻き込むことをせずに戦略投資を実行してもやっぱりうまくいかない。現場ヒアリング時の「よさそうだね、おもしろそうだね」レベルを鵜呑みにすることなく、その一歩先、二歩先まで踏み込む必要がある。シナジー投資がうまくいっている事例は等しくそれができていたもの。これはスタートアップ側も、CVC側も等しく気をつけるべき重要な真実である。

ここにコロプラネクストとしての振り返りと教訓を列挙したが、この学びは常にアップデートされるべきものだし、機会があれば他のVCさんともディスカッションしてみたいところ。(というか他のVCさんからも学ばせていただきたいところ)。

先週書いた「シリーズAに到達するスタートアップの特徴」というブログもだいぶ多くの方に読んでいただけているので、ご興味のある方はこちらも是非!

以上。

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コロプラネクストではシード期及びシリーズA期の会社に出資させていただくことが多く、かつ、特にシード期の会社の場合、その会社にとって初めての投資家になるケースが多い。そのため、いかに次のラウンドに進んでもらうか、いかにいい形でスタートを切ってもらうか、が我々のテーマ。

その中で、出資させていただいているスタートアップがここ最近、次々と次ラウンドでの調達を決めてきていらっしゃるため、このタイミングで、「シリーズAに順調に進むスタートアップの特徴」を列挙してみたいと思います。

そもそも調達ラウンドの区分けとしては下記の図のような「なんとなくの認識」があるように思います。

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マーケットが魅力的、チームが魅力的という大前提のもとで、投資家は、「このお金は何に対するベット(投資)なのか」を考える。

シード期であれば、スタートアップが描く仮説とその解決策への期待値に投資したいと思えるかどうか、を検討するし、シリーズAラウンドでは、「どうやら正しそうだ」と見えてきた仮説と解決策がより世界に普及する可能性に投資をする。シリーズB以降はその事業、その会社のスケール性への期待値が投資判断のもととなる。

逆説的に言えば、シード調達のタイミングでは確固たる仮説を、シリーズA調達のタイミングでは仮説へのある程度の実証を、シリーズB移行のタイミングではスケールへの根拠を持っておく必要があると言えるし、そこに至らない段階での調達活動は思った通りに行かないケースが多い。次のラウンドで求められるであろう内容を、直近調達する資金にて達成できるかどうか、この辺が調達額を決める一つの指針にもなるし、かつ、計画の引き方にもつながってくる。

その中で、特にシリーズAに進むために必要なポイント、すなわち仮設に対して数字がついてくるような状態を作れるスタートアップにはやはり特徴があるように感じる。

①顧客に対して本質的に差し込む価値(及びその仮説)が何か
②その価値を顧客が享受する上で、その会社の介在価値が何か

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上記の2点がはっきりしているかどうか、そこに大きな違いがあるように感じるのである。①に関して、「ターゲットとなる人々は”本質的に”◯◯を求めている。」という前提に対し、「であれば、◯◯といった価値を差し込むことで、よりメリットを感じてもらえる」という仮説がたっていることが重要だし、②に関しては、「その刺しこむ価値を、自社が提供する意味がある」という介在価値についての仮説及び設計があることが重要であるのだ。

この2点を明確にしつつ、仮説を実証していく必要があるのだが、この実証フェーズにおいても、いくつか共通点が抽出できる。

①柔軟かつ早い
②組織の揉め事が最低限

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この2点はある種共通する部分でもあるのだが、言い換えれば組織がシンプルであるということもできる。

①に関していえば、やはり圧倒的に仮説検証を回すサイクルが早い。各所でよく言われていることではあるが、これは本当に感じる部分である。1周間前に立てた仮説に対して、ある程度の検証が終わり次の仮説に入っているスタートアップと、そうでない会社、そこにはやはり違いが出てくるし、その積み重ねの差は大きい。柔軟であるということも大事で、一つの仮説及び信念に縛られすぎないということも重要であるように感じる。早く伸びているスタートアップは(時に危うさを感じるほどに)驚くほどに身軽である。

そして②に関して。身軽に「早く」動くためには、できるだけ意思疎通がシンプルな方がいい。シリーズAに行くまでのフェーズで図体がでかすぎる組織はやはりスピード感にもたつきが出る。語弊があるかもしれないが、やはりシード期においては、無駄なものを削ぎ落とした姿で仮説検証を回す必要があるし、進むべき道を、シンプルな形で意思決定できる組織であるべきだ。仮説を検証し、その正しさを数字により証明できる状態に持っていくというのが最大の目標であると定義する場合、組織に悩む時間はやはりもったいない。

①、②は共通する部分も大きい。身軽かつ柔軟、そして早さを持つ、ここにも0→1フェーズのポイントがあるように思うのである。

まとめるならば、

・提供する価値の本質について仮説が明確
・価値を提供するにあたり、介在価値が明確
・とにかく仮説を検証するペースが早い
・シリーズAフェーズに到達するために必要最低限の組織サイズ

あたりがポイントのように思えるのである。
そしてとにかく提供する価値及びプロダクトを顧客に見せているという点もここに加えられるかもしれない。プロダクトを見せて、使ってもらって、改善点をあぶり出す。とにかくコメントをもらって、改善していく。その仮説検証も、コアなターゲットとなる人に的を絞って行っていく。コアなターゲット以外の意見は時にその会社を大きく(無駄に)引っ張りうるし、ターゲットから外れる人たちからは再現性を得にくい。

(これは前職での経験でもあるが、ターゲットから外れる人たちが「たまたま」使ってくれるケースに舞い上がると、振り回される。そこに合理的な再現性はないし、とにかく効率が悪い。一括管理及びフォーマットが適用できない分、維持コストも高くつく。顧客層を広げるのは、ターゲットを取りきってからで十分。)

この繰り返しで魅力的な仮説を濃く検証していくことが立ち上げ期における重要なポイントであるし、得てして、早い成長を遂げているスタートアップに共通しているポイントなのである。

事業のスケール、会社のスケールを追うフェーズでは、重要なコンセプトが変わってくる可能性もある。また、「調達をするために」事業を伸ばしていくのもむしろ本質からずれているようにも感じる。しかし一方で、資金の絶え間ない投入とスピード感が必要な事業の場合、次の調達ラウンドに進むことが一つの重要な通過点になる可能性もある。

次のシードのコンセプト段階から次のフェーズに進むにあたって、近くで見てきた出資先から抽出できるポイントを列挙してみたのが今回の試みである。今回は定性的なポイントを抜き出してみたが、定量評価の試みも今後はしていきたいところでございます。

以上!

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「会社を売却した人」の話はインターネット上で目にする機会があるけれど、なかなか「会社を買収する側」の話は表に出てきません。スタートアップエコシステムの発展には様々なノウハウがオープン化されるべきで、集合知こそが全体を押し上げるという考え方からすると、「会社を買収する側」のロジック、また、そこに至るまでの過程は非常に貴重であるように思います。

そんな中、2017年8月22日に”スタートアップの為のM&A戦略セミナー vol.4~Buy Sideの視点、アドバイザーの役割~”というイベントに参加し、M&Aの全工程とそれぞれの思惑、またロジックを学ぶ機会があったので、本ブログに要点を抜き出して記載してみようと思います。

パネラー、モデレーターを務めていらっしゃったのは以下の方々

(パネラー)

株式会社じげん CFO(最高財務責任者) 兼 経営戦略部部長
寺田 修輔 氏(CFA協会認定証券アナリスト)

King & Wood Mallesons法律事務所 パートナー
佐藤 有紀 氏(弁護士(日本・ニューヨーク州))

デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社
コーポレートファイナンシャルアドバイザリー部門
シニアヴァイスプレジデント
熊谷元裕 氏(公認会計士)

(ファシリテーター)
有限監査法人トーマツ兼トーマツベンチャーサポート株式会社
粂田将伸 氏(証券アナリスト、CFP®)

また、イベント概要は下記のとおり。
http://www.acceleration.tokyo.jp/detail.php?keyno=239

買収検討時に一番見ているポイント

結論有りきで話をしてしまうような形にはなりますが、買収先を探すにあたって最も注視しているポイントは、非常にシンプルで、

その会社の(再現性ある)資産はなにか

というポイントであるとのこと。

当然スタートアップがスタートアップたる所以は「尖っているところも凹んでいるところもある」という点であり、であるならば、その会社の何を資産と考えるかが重要となります。それは囲っているユーザーの属性や数なのかもしれません、はたまたブランドの可能性もあります、技術かもしれません。

性悪説に則って、「めちゃくちゃネガティブに見たとしても」その会社に残る資産、言い換えるならば構造的に築かれた価値が何なのか、このポイントに注視していらっしゃるとのことでした。その資産が買い手の足りないところを補いうる、もしくは、その資産を買い手のリソースを活かすことでよりよいものにできると考えた時、そこに「シナジーがある」とみなされるわけです。

(例えばその会社は社長及び経営陣がぬけたとしても回っていく組織なのか否かなどは重要な視点であり、ある種、人が資産の会社はその永続性に疑問符がつくわけですね。)

そのため、殊、M&Aに関しては「純資産がいくらである」とか「赤字企業か黒字企業か」といった財務面の特性は、検討をすすめる上での一要素に過ぎず、むしろ、その会社が持っている資産をいかに活かして利益を上げていけるかが重要であるということでした。当然、買収金額もこの前提により決まってきます。「シナジーを織り込んで引いた事業計画」に一定のマルチプルをかけた額が一つの指針になるということなのです。

さて上記の「資産」を検討していくプロセスはどのようなものなのでしょうか

M&Aの検討プロセス

M&Aの検討プロセスは、「事前計画/検討」、「ソーシング」、「交渉」 の3フェーズに大別されます。

事前計画/検討
・自社リソースの棚卸し
・不足しているリソースと事業のスコープを確認
・外部から獲得すべきリソースを検討
・アプローチ方法を検討
・ターゲットの選定(ロング/ショートリスト)
・(場合により外部とアドバイザリー契約)

ソーシング
・紹介/自ら探す
・金融機関、M&A業者、取引先、社内人脈からソーシング
・ノンネームベースの情報を取得/検証
・秘密保持契約の締結
・初期情報取得

交渉
・マーケット規模、成長性、ポジショニング、チーム、技術の検証
・事業計画の実現性、実行力の確認
・シナジーの検討
・バリュエーション決定
・法務、会計、ビジネスDD

(※参考:イベント時に使用されたTVS社作成のスライド)

このプロセスの中で、当然交渉が長引くフェーズ、揉めうるフェーズ、意見が食い違うフェーズは何段階かあるわけですが、買い手側と売り手側の1番のズレは「将来性」の考え方とのことでした。

買い手側からすると、スタートアップの事業計画は「盛りすぎ」に見えることがある。一方スタートアップ側からすると、ここに「騙す」意思はなく、真剣に事業計画に描いた成長曲線を信じている。ようはビジョンが事業計画に落とし込まれた結果であるがゆえに、そのビジョンが買い手側と売り手側で共有できない限りは「ズレ」が「ズレ」で有り続けてしまうというわけです。このギャップを埋められるか否かが実は非常に重要であり、買い手側をビジョンの虜にできるかどうかが重要であるということでした。売り手側がビジョンをしっかりと伝え、そのビジョンに買い手側が共感した時、両者がタッグを組む事ができる。あとは買い手側の決定フローに乗っかることのできる状態をいかに築くことができるかという勝負になってくるわけです。

あとはそうなったときに大事になってくるのが、”会社の見える化”なわけです。事業計画、狙っているマーケットの将来像、(本来描いていた)IPOまでの道筋等の事業の未来はもちろん、これまで巻いてきた契約書周り、知財の状況、商標に関するあれこれ、こういった会社の状況を表す情報をいち早く開示するべきなのです。そのためにも創業当初より、必要な契約書周りは妥協することなく当然のことながら揃えておくべきだし、権利化すべきところは権利化していく必要があるとのことでした。

会社の資産を明確にし、将来へのビジョンで魅了する、そして客観的に会社を見てもらうための情報を用意する。

このステップがIPOを目指すにせよ、M&AでのExitを考えるにせよ非常に大事になってくるポイントなのです。

Q&A

当日上がったQ&Aをいくつか。

Q:M&Aにおける弁護士の選び方は?

A:上記の一連の流れを行っていくにあたり、実務上での強いサポーターを構築するべきで、特に弁護士等に関しては「M&Aに携わったことがある」方に積極的に依頼をしていくべき。当然これまでの付き合いがある弁護士との関係性もあることながら、その方にM&Aの経験があまりないようだと厳しい部分がある。その場合、「M&Aに強い弁護士さんを紹介してもらえませんか」とお願いすることは何ら失礼なことではない。あとは相性。相性の合う範囲で、DealBrakeしない程度にハードな弁護士さんを選ぶのがポイント。

Q:最終局面でもつれてしまった事例は?

A:いろいろある。例えば労務的な面で、タイムカード通り残業代を支払っていない場合、その分をバリュエーションに織り込んだ結果うまくいかなくなってしまったり、創業者が(今はいない)株主から過去株を買い取っていたが、その契約書がなく権利関係が曖昧になってしまっており破断、、、等々。

Q売り手側から買い手側へのシナジー提案が難しい

これは情報格差があるわけでしょうがない部分がある。統合後の事業計画は買い手側が作っていくべきもの。だからこそ売り手側は「見える化」に徹してほしい。

本内容はあくまでM&A全般に適用されうるものを抜き出して見ました。当たり前なのですが、「あなたの会社の資産はなんですか?」の質問に対する解こそ最重要なのであり、この部分が外から見たときの「価値」になりうるものであるということを再認識するべきだと改めて感じた次第です。

以上!

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リスクが増大し、不確実性が増す21世紀において、すべての企業と国家は2つの大きな要求の周辺に組織されていく。それは世の中の不安から守ってほしいという『保障への要求』と世の中の不安から解放されたいという『気晴らしへの要求』であり、保険業と娯楽産業が総売上高と経常利益の観点で2大産業となる。

ヨーロッパの知の巨人ジャック・アタリによる、21世紀を制する産業についての予測です。すでに欧米では保険の新たな形が模索され始め、スタートアップの巨額調達事例がいくつも出てきているのが今。

そんな中で、日本のInsurtechが今後目指すべき姿、ポジションを考えてみようと思います。そもそも保険という領域はわかりづらい。その上、非常に保守的な業界であるため、人材の流動性も低いのが現状です。ある種、この二点プラス規制の厳しさが日本における「保険×スタートアップ」の出現を難しくしている部分でもあり、ここへの課題感を憂う識者も多い。

そこで、①保険会社の利益構造②海外スタートアップの調達事例③市場について見ていくことで、日本のInsurtechの可能性を見出していきたいと思います。

①保険会社の利益構造

保険会社の利益構造は非常に難解に感じられます。IR資料を見ても他業界の決算資料では見慣れない項目が並び、これまた難しさを増幅させています。

さてシンプルに、保険会社は「収支相当の原則」に基づきます。これはすなわち、契約者全体が保険会社に支払う総額と、保険会社が受取人全体に支払う保険金の総額が相等しくなるように保険を設計しないといけませんね、という話。支払う可能性のあるお金分を加入者からちゃんと集めましょうね、という当たり前すぎる話です。しかしそれだと保険会社は利益を出すことができない。運営費もまかなえません。

ではどうするか。一旦保険会社の利益構造を簡便化して方程式に表してみます。

「保険会社の収益=集めた保険料ー支払う保険金総額ー事業費」、この計算式において+がでればいい。もう少し分解すると、「予想よりも支払いが少なくなればいい」し「想定よりも少ない事業費で運営できればいい」わけです。そうすれば収支相等の原則で決めた保険料から利益を生み出すことができる。さらに収益を増やすために、集めた保険料を運用する、こうして保険会社は収益を挙げています。

収益=集めた保険料+運用益ー(支払う保険金総額+事業費)

すなわち保険会社は、保険加入者を増やすか、うまいこと運用するか、保険金の支払いを減らすか、事業費を減らすか、この4つの変数をより改善できるように事業を行います。保険ってなかなかおりないイメージが有りますがそれもそのはず、支払う保険金総額を減らすことこそが保険会社の収益を改善するための大きな要素なんです。(全く加入者の視点に立てていない発想ですが。)

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上記は損害保険のデータですが、支払う保険金総額と事業にかかるお金の保険料収入に対する割合を示しています。損害率、事業比率ともに低い値であればあるほど儲かりますし、2011年(東日本大震災)等の災害が起こると、損害率は跳ね上がる。そんな収益構造になっています。(損保が儲からないといわれる理由もここにあります。理由は後述。)

損害率:(正味支払保険金+損害調査費)/正味収入保険料×100
事業費率:(手数料/集金費+営業費+一般管理費)/正味収入保険料

まとめると、保険会社は「収益=集めた保険料+運用益ー(支払う保険金総額+事業費)」の方程式において、たくさんお金集めて、支払う総額をへらしたい、そんな理屈で動いているわけなのです。

②海外スタートアップの調達事例

この収益構造を理解した上で、どんなスタートアップが大きく調達しているかを見ていくと納得感が出ます。
(もし企業概要に間違いが有りましたらご指摘ください)

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https://japan.zdnet.com/article/35100277/?ref=newspics より引用(2017年5月時点)

1:Zhong An
上海ベースのネット専業損害保険。$931Mを調達。ネット通販の取引リスクを対象とした保険の販売。タオバオで購入した商品の変装をする場合の送料をカバーする保険商品。
2:Oscar
医療保険を提供。契約者の健康維持に積極関与する点に強み有り。健康に不安がある場合はまずOscarを確認して見るし、相談してみるというポジションを確立
3:Zenefits
人事向けSaaSサービスを基本無償提供。SaaSサービスを入り口にして、保険販売を行う。
4:Metromile
従量制自動車保険を提供。テレマティック装置を配布し、個々人に応じた自動車保険を提供。
5:Accolade
従業員向けにオンデマンドヘルスケア相談窓口を提供。医療費の削減のための予防を提供
6:CollectiveHealth
中小企業向けにカスタマイズされた医療保険給付内容を提供。従業員向けに最適化された医療サービスを、少ない負担で提供可能
7:BrightHealth(2017年6月に160M調達)
医療保険に加えて健康増進プランを提供。医者と患者間の関係性に変革を起こすような保険サービスを提供
8:Lemonade
P2Pで家財保険を提供。煩雑な手続きをチャットボットで簡略化。保険加入者が支払った保険料のうち、請求がなかった余剰金をチャリティに寄付。
9:Trov
オンデマンド型の保険契約アプリ。個々の所有物に対して必要なときに必要な期間だけ保険をかけることができる。
10:CXA
従業員向けに保険/ウェルネスを組み合わせで給付。自分にあったサービス内容を選べるようなプラットフォームを提供。
11:Knip
加入している保険の内容をアプリで確認できるようにするサービス。保健管理アプリ。
12:Friendsurance
ドイツのP2P保険スタートアップ。共済のような仕組み。身近なメンバー/同じ課題を感じているメンバーで資金を集め、そこから必要に応じて保険金を支払う。
13:Praedicat
リスク分析に強みを持つスタートアップ。データに基づくリスク分析を行うことで、引受業務を改善する。
14:Quantemplate
保険会社向けのデータ分析プラットフォーム
15:BoughtByMany
クラウドファンディングのような形で「顧客が望む保険」を企画し、保険会社に提案する仕組み

上記を見るとわかるように、「収益=集めた保険料+運用益ー(支払う保険金総額+事業費)」の4つの変数のうちの運用益を除くどれかを改善するような明確なビジネスモデルになっているかと思います。保険料を集めるために保険の対象を広げる、もしくは保険加入者の裾野を広げるようなサービス、支払う保険金総額を減らすための予防措置を提案するようなサービス、また、リスク分析をより精緻に行うためのサービス。そして、事業費を削減するためのネット特化型サービス。この変数のどの部分をユーザーに寄り添う形で改善するかがInsurtechスタートアップの肝となっているように思います。

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③市場

では実際問題、保険およびInsurtechの市場って現在どうなっているんだっけというお話です。

損害保険の2015年の市場規模は世界147カ国で約244兆円。(日本は12.8兆円市場:世界の5.2%)、生命保険は約308兆円。(日本は42兆円市場:世界の13.6%)。どでかい市場です。

一方の日本のInsurtech市場の立ち上がりは下記。

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矢野経済研究所調査 http://enterprisezine.jp/article/detail/9336

現状は業務の効率化、高度化ソリューションがメイン。保険そのものに対して変革を迫るようなソリューションはこれからといった状態です。

日本の生命保険、損害保険大手が抱えている課題と現在の解決策は「収益=集めた保険料+運用益ー(支払う保険金総額+事業費)」の方程式における「保険料を集める」というところに焦点が当たっており、それが故に海外進出、海外保険会社の買収等に力を注いでいるというのが現状です。日本市場だけを見ると、少子高齢化、人口減少が大きな成長のネックになり、また、長寿化により「生きているうちにサポートしてほしい」というニーズがおこり、ここに対する解決策が求められているというのが生命保険業界。

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http://www.ms-ad-hd.com/basic_knowledge/02.html より引用

一方の損保はといえば、正味保険料自体は右肩上がり。

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http://www.ms-ad-hd.com/basic_knowledge/01.html より引用

しかし前述の通り、損害保険はリスクの見積もりが非常に難しく、かつ、損害調査に手間がかかる割に実入りが少ない。そして、1つ1つの保険に加入者が少ない割に(カスタマイズが必要とされるものが多いため、大数の法則が働かない)、一件あたりの支払額が大きい、という条件があり、生命保険ほど安定した収益をあげられないというネックが有ります。

また、種目別に分けると、自動車保険/自賠責保険合わせて全体の6割とかなり車に依存した構造になっているというのもおもしろい特徴です。

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ここから読み取れることは何か。生命保険で言えば加入者を増やすための施策が求められる。例えばリスク分析をより精緻に行うことで「これまでは保険に入れなかった人」にまでターゲットを広げる、保険をよりわかりやすいもの、また、日々の生活においてメリットが享受できそうなものにしていくことで現在保険に入っていない人にまで裾野を広げる。損害保険で言えば、こちらもリスク分析の精緻化と、そもそも損害が発生するような事例を減らす仕組みが求められる。(事故が減るだけでだいぶ損害保険会社は儲かりますよね)。また「新種」とカテゴライズされているような領域に新しい保険領域を形成していく、といったことが考えられるでしょう。

そして両者に共通して言えるのが、事業比率を下げるようなソリューションを提供すること。人件費を下げるでもいい、営業コストを削減するでもいい、オペレーションを効率化するでもいい、これは保険業界に限った話ではないですが、効率化のためのソリューションは常に求められるはずです。

さて、だいぶ長文になってしまいましたが、まだまだでかい市場に切り込んでいける余地はあるはずです。次に来るFintech領域の大きな波をよくよく注視して行こうと思います。

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About

Shuhei Matsubara

新卒ではキーエンスで中部地区の自動車メーカー攻略に従事し、その後、コロプラネクスト社でVC業務を経験。2018年6月にA1A株式会社を創業いたしました。

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