データ取得戦争の勃発をマジマジと感じさせられたCES2018

Shuhei Matsubara
9 min readJan 16, 2018

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CESに参加してきました!その振り返りを簡単に。
CESで感じた未来は「Connected」な世界と、それを形作るために必要な「データ」を巡る争いでした。そしてデータを取得するためのカスタマーエクスペリエンスの重要度の高まりを見せつけられたというのがハイライト。

■大きなトレンド

・音声

Amazon Echo、Google Assistantが様々な家電、デバイスに当然のように組み込まれていました。「音声」が流行るか流行らないか、の議論ではなく、「音声×製品」でどうカスタマーエクスペリエンスを作っていくかに焦点が当たって来ているのが世界の潮流、というのがCESで見えた世界。

・データ

「データは石油」と言われはじめて久しいですが、CESでは「データの取得戦争の勃発」を感じました。人間の時間及び行動の中で、データが取得されていない部分に関して様々な会社が入り込んできている。寝ている時間(ベット/枕×IOT)、リラックスの時間(瞑想×IOT)、歯磨きの時間(歯磨き×IOT)、髭剃の時間(髭剃×IOT)、プールに入っている時間(水着×IOT)等々。ユーザーの利便性を一旦抜きにして、とにかく空いている領域にスタートアップが続々入り込んできているという印象を受けました。

・Connected

SmartHomeSmartCity、更にはConnectedCarと、とにかくすべてがつながる未来を各企業が描いていると強く感じました。これを前提に数年後の未来を見ていく必要がある。例えば町で事故が起こった時に、その事故と連動して自動で救急車が来る、警察が来る、その事故による交通渋滞を回避するように他の車が新しい道の提示を受ける、等々。コミュニケーションのあり方、インフラのあり方、そして「利便性」の考え方が変わっていく未来を感じます。またConnectedな未来があるからこそ、上記データの必要性が急激に高まっているのでしょう。

・ドローン

ドローンの扱いが、まるで日本とは異なりました。AR/VRブースの合計と同じぐらいの面積を誇るドローンブース。更にはB向け用途にとどまらず、空飛ぶドローンタクシーのコンセプトまででてきているような状態。(実際インテルCEOの基調講演で飛んでました、、、)。様々な事情から、どうしても海外諸国と日本の事情が異なる部分はあるように思いますが、とはいえ、ドローンの動向には目が離せません。

■その他気づき

・赤ちゃん向けの製品、おもちゃスタートアップが多い

逆にシニア向けは殆ど見かけませんでした。この領域は、少子高齢化という逆風下にいる日本にとってチャンスとも言えるかも。

・データを取るために必要なこと

データを取るためには結局、ユーザーに「使い続けて」貰う必要があります。今後この流れを受けて、より、ユーザー目線に立ったサービスが求められることでしょう。「Connectedな未来において何のデータが求められていくのか」そして、「そのデータをユーザーから提供してもらうために、どんなメリットを提供するのか」。ここが1番の勝負どころになってくるという確信を持ちました。

・「プラットフォーム」という言葉の氾濫

どの企業も「プラットフォーム」という言葉を使用していたように感じます。プラットフォームの役割は「入り口」であること。入り口としての優位性は「いかにユーザーに愛される場所であるか」という点。これまたユーザーインターフェイス、ユーザーエクスペリエンス、そして見せ方をどう設計していくか、という争いを更に助長していくことでしょう。トヨタもe-Palletを発表していました。非常にかっこよかった。確かに提携企業としてUber、滴滴、Pizza Hut、Amazonあたりを囲っているあたり、強さを感じます。一方で、プラットフォームが「入り口」であるという点を改めて考えると、別に企業側(サービス提供側)はいくつも「入り口」を持っていてもいいわけです。別にトヨタにこだわる必要はない。結局は「人がたくさん入ってくる」入り口を重視した関係構築を模索していく未来が明白です。どれだけユーザーを味方につけられるか、ここに終止していくんだろうなという印象です。

・同じようなサービス、同じようなプロダクトがたくさんある

改めて、「1人が考えつくことは世界中でも多くの人が考えついている」という認識を持つに至りました。情報伝達のスピード、技術革新、様々なクラウドサービスの充実により、「技術的に優位性があるので、、、、」また「プロダクトの独自性で、、、、」といった違いがどんどん持続しにくくなってくる未来を感じます。そこで重要なのは「ユーザーにどう見せるか」であり、「ユーザーにどう感じてもらえるか」だと改めて思うに至りました。

といった感じでしょうか。ちなみに個人的にいちばん好きだったのは次世代の充電形式。

写真だとわかりにくいかもしれませんが、電気が充電器になっているという代物。電気が当たる範囲にあるものが充電される。この未来感はすごいなーと。確かに考えてみれば、充電するのって面倒くさい。充電器にさしこむの面倒くさい。

そして改めて海外のイベントに言って感じたことは、下記のツイートどおり。

とにかく、スタートアップが「空いてる!」場所探しになっている側面もあるのでしょう。しかも空いている領域にはどかどか参入してくる。差別化が「いち早く飛び込む姿勢」となっている中で、上記の通り「ユーザー目線」をいかに持つことができるか、ここに勝負の分かれ目があるように思います。

ちなみにCESでは停電が起こってました。テロが起こったかと思ってヒヤヒヤしましたが、ただの停電。

来年は蓄電系のサービスが流行ってくることでしょう。

以上!

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Shuhei Matsubara

新卒ではキーエンスで中部地区の自動車メーカー攻略に従事し、その後、コロプラネクスト社でVC業務を経験。2018年6月にA1A株式会社を創業いたしました。