スタートアップと大企業の「リスクの捉え方の違い」とは

大企業とスタートアップが事業連携していくにあたり前提として考えておくべきことは、「当たり前が違う」ということです。少なくとも、両者ともに「自社の常識(当たり前)」を疑っておく必要がある。

何が一番違うか、それは、「リスク」についての考え方です。失うものがあるかないかの違いとも言えるかもしれません。

スタートアップ視点で見ると「動かないこと」がリスクになります。一方、大企業視点で見ると「動いて失敗すること」がリスクになります。

ここが一番違う。

スタートアップの視点で見ると
実行した上での失敗>何もしないこと
ですが、大企業の場合は
実行した上での失敗<何もしないこと

になりうる可能性がある。

当たり前ですね、既に持っている「基盤」が違うから。失敗が基盤を毀損する可能性があるのが大企業。失敗しても、何も失わないのがスタートアップ。むしろ、何もしなければ刻一刻と会社の死期が近づいてくるわけです。この差はでかい。

ただ、この常識を両者共に持つのが難しい。

スタートアップ視点からすると、大企業の「一手」の失敗が社会を騒がし、顧客基盤を毀損し、マスコミに騒がれる、、、なんてことは想像ができません。

一方、大企業からすると、「来月再来月資金ショートします」なんて感覚は理解できない。

この両者の認識を揃えることなしに、事業提携やM&A、オープンイノベーションは難しいような気がします。


昨日下記のイベントに参加してきました。

参加者は

TBSホールディングス 片岡正光さん
森永製菓株式会社 大橋啓祐さん
ソフトバンク株式会社 原勲さん
株式会社サムライインキュベート 寺久保拓摩さん
株式会社インテリジェンス 中村亜由子さん

という面々。インテリジェンスさんはeiiconというオープンイノベーションのためのサービスリリース時に堀江貴文さんと対談されていましたね。

内容をざっとまとめると下記のような感じです。

【スタートアップとの事業提携大企業が困ること】

・スタートアップのスピード感を見ると従業員が引いてしまう
・スタートアップの経営陣に大企業経験者がいないと、うまくいかないことが多い。話していてズレてしまう。
・投資部やR&Dは「GO」サインを出しても、事業部に混ぜ込むと絶対にうまくいかない。理由はベンチャーと関わると怪我をする可能性があるから(リスクが大きいため誰も関わりたがらない)
・一般従業員とベンチャーの温度感の差が違いすぎて、ベンチャー側が疎外感を感じる場合がある
・スタートアップに関わる社員は、「遊んでいる」「楽している」とおもわれがち。疎外感を感じる要因。

【スタートアップが大企業と連携するにあたって気をつけていかないといけないところ】

・大企業の論理をしっかり理解する。
・大企業側のキーマンを巻き込む
・売り込みの際は「大企業の成功事例」を説く必要性あり。「みんなやってるから」、「ライバル企業もやっているから」がポイント。
・「責任を事業部や従業員ではなく会社が取る」と宣言している会社でないと、おそらくスタートアップとの融合がうまくいかない

【発見】

・大企業はスタートアップと連携したがっている
・スタートアップの目利きが難しいと感じている。
・大企業はスタートアップ村に入りたくても入れない

スタートアップ側は、大企業をそもそも顧客にしたいし大企業の持つ顧客基盤やノウハウを活用したい。一方、大企業側はスタートアップのアイディア、熱量を取り込んで、自社を活性化させたい。どうやら両者共に想い合っているらしいのです。であれば、両者共に歩み寄る必要がある。

昨日こんなTweetをしてみましたが、自分自身も大企業で働いていたので、なんとなく大企業側の論理がわかっている気がします。

大企業の論理からすると、売り上げ、事業部目標、KPIに通じない業務は「仕事ではない」と思われてしまいがちだし、「見えないもの」を追っかけているのはすごく危うく見えてしまう。でも、ここを許容しないことには新しいものは生まれない。であれば、新しいものを作り上げるいわば自由主義的な文化を作るか、もしくは完全に断絶するか。

大企業における「組織の強さ」は裏返すと「旧態依然」とも捉えられるジレンマであり、とすると、「組織」を別の軸で作り上げるか、もしくは別枠とする必要があるように思います。

スタートアップの前提である

実行した上での失敗>何もしないこと

と大企業のあたりまえである

実行した上での失敗<何もしないこと

を融合させる必要があり、それなしに「いいオープンイノベーション」は生まれにくいのかなと感じさせられたイベントでした。

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