日本のハードウェアスタートアップ事情
ソフトウェアのトレンドに私個人の情報収集が偏ってしまっているという危機感の中で、一方、世界のトレンドを見ていくとハードウェアスタートアップの隆興が著しく、また、スマホアプリのゴールドラッシュは過ぎたなんてことも言われています。
Cerevoさんの執筆されているブログ『キャズムを超えろ』大手メディアが書かない、CES2017の実態(出展者目線)にも
『なんでこんな世界盛り上がっとんのに日本人誰もやってへんの?』ということ。びっくりするぐらい世界はIoTに向いていて、ハードウェアスタートアップ、あるいは数年前スタートアップだった中堅企業がすごい勢いで攻めているというのに、ここ2年で日本のハードウェアスタートアップは20%ぐらいしか増えていない・・・・・という何となくの体感値。少なくとも、CESという世界最高のIoT展示会の場でプレゼンス出してやろうぜという会社が全くと言っていいほど増えていない現状は、悲しいを通り越して辛いぐらいの感覚。
と言及があるのが現状。世界的に見て、ハードウェアスタートアップにおける日本のプレゼンスは欧米中と比較して小さいと素直に受け止めるべきなのでしょう。
そんな中、昨日DMM.make AKIBAのDemo Dayに参加してきました!
DemoDayのピッチは全て英語で行われ、多国籍な起業家さんが集まっていらっしゃいました。地理柄、中国、韓国からいらっしゃっている方が多かった印象がありますが、下記にそれぞれの概要を記載していきますので、そこに何かしらのトレンドがあるという仮説ものとご覧いただければと思います。
JARVISH
台湾系スタートアップ。「smart helmet」を開発。IoTと絡めてよりどりみどりな機能を”詰め込みまくった”印象のヘルメット。バイクだけでなく、例えば現場工とかレスキュー隊とかのヘルメットとしても使用可能。
EASTERN COLOR INTERNATIONAL Ltd.
360度画像を撮影出来る機器。カメラと台座(この台座がくるっと一周する)を連動させ、一周回る被写体をカメラで撮影。すると、360度撮影ができる。ECに掲載する際も、360度画像で紹介するとわかりやすいですよね、という理屈。
Naran
◯◯が起こったときにボタンを押してね、と設定しておくと、その内容に応じてスイッチを押してくれるようなデバイス。(という認識)
いわゆる制御機器を身近なものに置き換えられるのかな?
Empatica Inc
身体の状態からてんかんを予知してくれるウェアラブルデバイス。
Vufine Inc
ARデバイス。マイクロモニター。アンドロイドを搭載しており、「生活しながら」モニターを確認できるようなデバイス。
Shanghai Mi Fang Electronic Technology Co., Ltd.
特化型の3Dプリンタ。基板の印刷ができる。太陽光パネルも印刷できるし、キャパシタみたいなものも作れる。
ADAWARP
Oculus Riftとゲームコントローラーを使ったロボットによるテレプレゼンス装置。
Trippening Pte Ltd
旅行客向けのチャットコンシェルジュサービス。機械学習搭載。
ドウゼン
HaleOrbの開発。SNSの画像をテレビに映す。家族間のコミュニケーションを増幅させる。
MewMe
不動産版のリンクドイン。VR対応。プラットフォーム上で、不動産に関するビジネスマッチングが可能。
Pyrenee(http://thebridge.jp/2016/04/pyrenee-drive)
カーナビの置き換え。投影型ディスプレイを使用し、いわゆるカーナビ的な機能や、スマートデバイスとしてのスマホの機能を一部代替可能。それらに加えて、人や物と、車との距離を感知できる機能が搭載されており衝突防止機能を付加価値として持っている。
Solomon Mobile Technology
ドローンのカメラで撮影対象をぐるっと一周撮影し、360度画像を作成可能。そのデータから3Dプリントも可能。
Dot
点字に特化したスマートデバイス。リアルタイムで点字による文章が表示(出現?)する。
Secual
すでに割と日本でも有名だが、ホームセキュリティ×IoT。窓やドアからの侵入を検知する。
SurfWheel
電動スケボー。
Animae Technologies
ゴキブリを捕まえるゲーム。正直よくわからなかった、、HP上の動画を要確認です!
primesap
身体動作測定解析。モーショントラッキングすることで、アスリートにトレーニングを提案したり、高齢者に対して、衰えを防ぐような身体の動かし方を提案したり。
VAQSO VR(公式HPが見つからない、、)
HMDにデバイスをつけると、匂いがする!「女の子の匂い」とか、「火薬の匂い」とか。日本っぽい!
Langzou Technologies
VR教育をVR空間内で行うことができるデバイス。
Greatfish (Beijing) Technology
VRにおける「手」の動きのトラッキングに強み。
といった内容でした。
IoTが副題でもあったので、ハードウェアとソフトウェアを上手く融合させたような機器が多く、とにかく「スマート◯◯」が声高に叫ばれていたような印象があります。
一方、ソフトウェア/ハードウェア問わず、「リプレイス対象が明確」かつ「通常やっている動作/行動の中で無理なく新しいデバイスに移行可能」なものはすんなり受け入れられそうなものも多く、それらのデバイスが実現する「ちょっと便利な未来」が目に浮かぶかどうかが大事であるという点は変わらないなという印象も受けました。
ハードウェアスタートアップの動きには今後も注目ですね!
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