Authentic Leadership
「なぜ、あなたがリーダーなのか」読了後に。
先日新版として改めて出版された「なぜ、あなたがリーダーなのか-本物は「自分らしさ」を武器にする-」(原題: Why Should Anyone Be Led by You?)を、モニタとして英治出版様に献本いただいたので、整理も兼ねて紹介してみようと思う。
ちょうど同じ時期に読んでいた”HIGH OUTPUT MANAGEMENT”とも比較してみようと思っているが、それはまた別の投稿にて。
何についての本?
直面する状況を変化させること、その手段としてリーダーシップを捉えるのは一般的なリーダーシップ論と共通している。
本書は、リーダーシップに適した特性について述べるのではなく、置かれた状況やフォロワーによって求められるリーダーの資質は異なるものであるから、その時々の状況を認知し、自分らしさを発揮して上記のような目的を達成すべきであると主張している。
そして、5年に及ぶ調査に基づき、その実践について、明確な手法というよりは、様々なケースを提示している点が特徴となる。
従って、本書は、読了したとて優れたリーダーに必要な資質のチェックリストが作れるといったような、即席リーダー養成本ではない。
その時々でリーダーに何が求められているのか、その時にどのように組織の他のメンバーと関わっていくのか、という時と場所を問わず普遍的な課題について考える一助となる内容となっており、だからこそ汎用的なものとなっている。
本書の構成
本書は以下のような三部構成となっている。
本書のまとめとなっている9章を除いて、第1–3章までを第一部、第4–5章を第二部、第6–8章を第三部と便宜的にしよう。
第一部は「リーダー」自身に、第二部はリーダーを取り巻く「状況や環境」、第三部はリーダーと共に物事を成し遂げる存在である「フォロワー」にそれぞれスポットライトが当たっている。
この構成にも本書の特徴が見える。筆者たちは、それまでのリーダーのみに焦点を当てたリーダーシップ研究に一石を投じようと試みている。繰り返し述べられていることになるが、「周囲の人々との関係性」を前提とした、絶対的ではない、相対的なものとしてのリーダーシップを論じている。
リーダーは自身の持ち味や弱みを把握するだけでは不十分で、置かれた状況を認知し、それに対してどのように対処していくのかを学ぶべきであり、また、フォロワーとの関わり方や彼らが求めていることについても理解すべきだ、という筆者たちの主張が本書の梗概である。
本書のターゲットと意義
「なぜ、あなたがリーダーなのか?」という切れ味よい質問に対して、現在何らかの組織/プロジェクトの長である人は明瞭な回答ができるだろうか。
また、リーダーとは肩書きによるものでなない、と筆者たちも述べている通り、特段そのようなポジションにいるわけではないが、よくない現状を打破したいけど、どうすればよいかわからず動きあぐねている方。そのような方々は本書のターゲットである。
最初に述べた通り、本書はそういった問いへの「解答集」ではなく「手引き」である。
自分の持ち味を把握し、どのように活用していくべきか、そして自分の周囲の状況によりよく対処していくための解答を探すヒントとして、本書を一読してみてはいかがだろうか。