Shun Ishikawa
7 min readMar 22, 2018

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Web2.0からWeb3.0へ — ブロックチェーンよりも大きな変化 —

概要
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・Web2.0時代、便利になったが、少数の企業にデータが集中。個人のデータが企業のものとして売買された(情報がお金にされた。)
・非中央集権・データの所有権を本来持つべき人が所有するなどの特徴をもつWeb3.0という考え方が生まれた。
・今後Web2.0からWeb3.0にシフトしていく可能性がある
・Google, FacebookなどのWeb2.0時代に栄華を極めたサービスがWeb3.0時代の新しいサービスによって取って代わられるかもしれない。
・Web2.0からWeb3.0へのシフトという大きな流れの中にブロックチェーンや仮想通貨がある。
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①はじめに

Google, Facebook, Twitter, Dropbox, Skype, Android, iOS…いま世界で覇権を握り、我々の生活に欠かせないものになっているあらゆるサービスはWeb2.0の世界のサービスです。
こうしたWeb2.0のサービスは非常に便利ですが、実はあらゆる問題や歪みを抱えています。

『Web3.0』はWeb2.0の問題を踏まえて生まれた次世代の考え方(コンセプト)です。Web3.0を理解するためにはWeb2.0の問題について知る必要があります。
(Web1.0には厳密な定義はなくインターネット初期1990年代から2000年代半ばまでのホームページのような一方的な情報発信をしていた時期のWebのことと捉えています)

②Web2.0とは

今のWebにおける主流の考え方。代表的な要素は以下

a, 双方向性
b, 参加型
c, 情報共有

Facebook, TwitterなどのSNS、Google、Amazonありとあらゆる今のIT巨大企業がこのWeb2.0時代のサービスです。

Web1.0の時代からWeb2.0の時代へのシフトにより世界各国の情報に触れられ、人とつながり、あらゆるものがデジタル化し便利な世の中になりました。
そんな中なぜそれと異なる考え方のWeb3.0がうまれてきたのでしょうか。それはいくら便利なWeb2.0のサービスといえど、世の中に完璧なものはなく、あらゆる問題を抱えているからに他なりません。

③Web2.0時代の問題

GoogleやFacebook,Instagramといった便利なサービスをなぜ無料で使うことができるのか。それはユーザのデータ(個人情報はもちろん、検索や閲覧の癖や購買履歴、さらにはチャットの内容まで)がサービスの提供会社に収集され、その情報が高値で売買されているからです。いわゆるデータがお金になる時代です。

世界20億人分のデータをGoogleが所有し、私たちの細かな行動が蓄積されています。自分のデータであるにも関わらずいつどこの誰がどのように利用しているのか知る由もありません。(Google等巨大企業はその責任の大きさを踏まえた経営をされています。)

Web2.0は発展し続けてきたことからこれまであまりその問題に着目されてきませんでした。データを持つ企業を信頼してきたのです。しかし人為的ミスやハッキングによる個人情報漏洩のニュースは後を絶たず、直近2018年3月にはFacebookのデータを利用する企業が5,000千万人分の個人情報を不正利用していたことが明らかになるなど、様々な問題が明らかになっています。
膨大なデータを独占するデータセンターへの信頼は揺らぎ、個人のデータの所有権がその人になく、サービスを提供する企業に集まり見えないところで運用される構造そのものへの疑問が生じています。

データが特定の企業に一極集中、独占化し構造的歪みがたまってきた中で生まれてきたのがWeb3.0というコンセプトです。
それでは本記事の本題であるWeb3.0についてみてみます。

③Web3.0とは

Web3.0は概念であるため厳密な定義はありませんが(Web1.0やWeb2.0と同様)いくつかの特徴を持ちます。Web2.0の情報の一極集中、データの所有権があるべきところにないといった問題から生まれているという流れといくつかの特徴を抑えることでWeb3.0という概念を掴むことができます。

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-Web3.0の特徴-
a, 非中央集権(中央の管理者の排除)
b, データの所有権を本来持つべき所有者が持つ
c, ハッキングの劇的減少
d, 相互運用性(異なるチェーン間でも連携可能)
e, 国・収入等あらゆる環境に関係なく使用可能なブロックチェーン
f, サーバーダウンのないサービス
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特に以下の二つはWeb2.0の時代と大きく異なる、Web3.0の代表的な特徴だと考えています。

非中央集権(中央の管理者の排除)

イーサリアムをはじめとするブロックチェーンを用いることで、信頼を必要とせず(=中央の管理者がなくとも)、物事が動くようになります。

データの所有権を本来持つべき所有者が持つ

データは全て暗号化されます。そのデータを使うにはデータの保有者(つまり個人)の許可が必要になります。つまりデータの使われ方を自分で決めることができるようになります。

Web2.0の世界とは異なる、このような特徴をもつWeb3.0の世界になったらどうなるのでしょうか。

④Web3.0にシフトしたらどうなるのか

現在のありとあらゆるサービスがWeb3.0時代のサービスに取って代わられることが予想されます。

具体的なサービスについてはEssentia.one創業者の記事から写真を引用します。

これは要するに
Web2.0はユーザーがプラットフォームを利用し、そのプラットフォームが決められた動きをします。
Web3.0ではユーザーが決められた動きをするサービスをそのまま使用します。
今覇権を握り、とてつもない力をもつサービスがWeb3.0時代が到来したら、新しいサービスに取って代わられるかもしれないという認識でよいと思います。
サービスを作っていこうという考えを持つ者としては、そう考えるだけでワクワクします。

各サービスについての動きの仕組みや使用イメージは今後Web3.0研究所にて解説していこうと思います。

⑤最後に

世界のあらゆる領域で非中央集権化、分散化、個人化というパラダイムシフトが起きています。Webも例に漏れません。ですから、Web2.0からWeb3.0という流れは自然なものであり、ますます強まると考えています。

仮想通貨やブロックチェーン技術は今脚光を浴びていますが、
それらはWeb2.0からWeb3.0へのシフトという大きな文脈の中に内包されているものです。

Web3.0への移行というマクロの大きな変化があって、それを現実に可能にするのが)ブロックチェーンやP2Pネットワークといったテクノロジーです。

そのため、

思想の変化という大きな流れ(パラダイムのシフト)を捉え、その上で個々の技術に着目することが大切だと考えています。

Web3.0を踏まえたサービス作りをしたいので、多くの人とWeb3.0についてブロックチェーンについて議論したいと考えています。

ご意見をお聞かせください。

注意
・一方向の時代をWeb1.0(マスメディア)、双方向の時代をWeb2.0(ブログメディア)、多方向の時代をWeb3.0(ソーシャルメディア)とする説もありますが別物です。
Essentia.one創業者のブログを多分に参考にしています。
イケハヤさんのブログにもわかりやすくまとめられています。

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