影響はどのように広がるのか

学生時代、京都の八坂神社で、餌に群がる鳩の群れをみて思いついたアイデアがあります。当初は、そのアイデアは何の価値もない馬鹿げたアイデアだと思って忘れてしまいましたが、なぜか今になって思い出したので、その問題を一般化してみようと思います。

鳩の群れ問題の定義

まずは、問題の定義からはじめてみましょう。以下のような問題を考えます。

鳩が人間の与えた餌に群がっている。この時点での鳩の目的は、なるべく餌を沢山食べることとする。ここで、ある脅威が群れを襲ったとする。鳩ができる選択は、飛び立って別の場所に移動して脅威を避けるか、その場で餌を食べ続けるかである。このとき、鳩はどのように選択を決めるか。

鳩を観察してみると、ある鳩が飛び立つときには、多くの場合、別の鳩も同時に飛び立っています。これは、個々の鳩が同時に同じ方法で選択を決めたのか、あるいは別の鳩が飛び立った影響を受けて飛び立ったのか、検討がつきませんでした。しかし、ここでは両方を考慮してモデル化を進めていこうと思います。

鳩の群れ問題の一般化

手順としては非常識的かもしれませんが、あらゆる状況を考慮して、問題を先に一般化してみます。

プレイヤー集合U={1,…,n}を考える。ゲームの手番tとは、離散時間1,…,mである。各プレイヤーiは任意の手番tにおいて選択肢をもち、選択を1つ決定することができる。ある手番tにおけるすべてのプレイヤーの選択をベクトルB(t)で表す。ある手番tまでのすべてのプレイヤー選択の列をベクトルC(t)=(B(1),…,B(t-1))で表す。あるプレイヤーiのある手番tにおける選択肢XはC(t)から決定されるため、これをX(C(t))とする。同様に、あるプレイヤーがX(C(t))から選択を決定する確率ベクトルはC(t)から決定されるため、これをP(C(t))とする。各プレイヤーの各手番における効用は、U(C(t))である。また、全体の効用をu=W(U(C(t)))とする。このとき、C(m)はどのように決定されるか。

この問題の目的は、最終手番までのあらゆる選択がどのように決定されるのかを調べることです。この問題はいくつかの方法で分類できます。

  • 各プレイヤーの保有する選択肢・行われた選択・行動決定確率・効用、ゲームの参加者や手番の上限mなどについて、各々がどの程度の情報を持つのか。
  • 利益が競合する関係の主体が存在するか。
  • mが1であるか、1以外でかつ有限であるか、無限であるか。
  • 選択肢・行動決定確率・効用は静的か、動的か。
  • 選択肢・行動決定確率・効用について各プレイヤーは同じ関数を持つか、否か。
  • 効用関数の性質による分類。
  • プレイヤー人数による分類。
  • 最大化しようとする目的による分類(全体の効用の最大化であるか、個々のプレイヤーの効用の最大化であるか)。

一般化した理由は、この問題が、様々な問題に適用できないかと考えたためです。しかし、結局のところ、この一般化の結果はゲーム理論にとても似ています。(一般化の過程にミスがあれば教えてください。)

鳩の群れ問題の定式化

さて、鳩の群れ問題に戻って、この問題の特徴を判定します。

まず、ある鳩の選択が、別の鳩の選択に影響を与えるため、行動決定確率は動的に変化します。しかし、選択肢は飛び立つか否かの二択であるため、静的です。選択肢・行動決定確率について、各鳩は同じ関数を持ちます。すべての鳩は、他のすべての鳩の選択を知ることができます。

次に、鳩の個々の飛び立つ確率pについて、「鳩の羽数n」「飛び立った鳩の羽数m」「時間t」といった変数を基に考えます。

この式だけでは現実的ではないことがわかります。なぜなら、mの値はtが増加しても常に正の値であるため、一度の脅威がすべての鳩が飛び立つまで顕在化し続けるからです。これは、餌という誘引が存在する場合に、そこに残り続けたり、戻ってきたりするような鳩が存在する事実を反映していません。

餌の魅力は、餌場に居続ける確率1-pだけではなく、避難場から餌場へ戻る確率qにも影響していると考えることができます。同様に、餌場の鳩を襲う脅威は、餌場から逃げ出す確率pだけではなく、避難所に居続ける確率1-qにも影響しているはずです。

この事実を、p=1-qまたはq=1-pと考えることにします。これは、p+q=1と書き直せます。つまり,餌場から避難所に飛び立つ確率pがわかれば、避難所から餌場へ戻る確率qも判明します。ただし、餌の量が常に餌場に一定量存在し続けることを仮定します。

さて、餌場への出入りの両方を考慮してモデルを再設計します。

上記の表は、各変数がtに応じてどのように変化するのかを示した表です。cやnがどのような値であっても、安定的平衡状態に向かいます。

さらに複雑な仮定を設定するならば、以下のような仮定が考えられます。

  • 餌の量が時間に応じて変化する。
  • 時間が連続的である。
  • 初期移動量Cがどのように決定されるのか。
  • 脅威がランダムに複数回生じる。
  • 逃げる選択をしてもある確率で脅威の被害にあってしまう。
  • 鳩の総数nが一定ではない。
  • 餌場が複数存在する。

特に、「鳩の総数nが一定でない」という仮定は興味深いものになります。前述の表において、t=3では、OUT値が0ですが、実際の計算結果は-cです。これがもし、「外部の鳩を呼び込む力」として働くのであれば、「最初の脅威で逃げた鳩が多いほど、餌場に戻る鳩の数が多くなる」という結果が引き起こります。

おわりに

思いつきのアイデアをダラダラと書いてしまいましたが、このアイデア自体は、選挙活動であるとか、ツイートの炎上などに使えそうな気がするので、もしこの種のことに詳しい人がいたら、コメント欄でご教示をしていただけると嬉しいですm(_ _)m