ベルギーで日本の未来を考える
今回は僕が滞在していたベルギーについて、日本の未来を絡めて紹介します。
ベルギーといえば、何を思い浮かべますか?
チョコやワッフル、小便小僧(実は小便少女もいるんです!)、またフランダースの犬の舞台としても有名ですね。
ベルギーはイギリス・ドイツ・フランスという欧州強国の中間に位置する関係で、首都ブリュッセルにはEU本部が置かれるなど、EUの首都とも呼ばれています。
公用語はオランダ語、フランス語、ドイツ語の3つで、主にオランダ語とフランス語が使用されています。
ブリュッセルの街を歩いていると、イスラム系の人をよく目にします。
これは労働力確保のための移民政策の結果で、特に60年から70年にかけてモロッコやトルコから多くの移民を受け入れました。
首都ブリュッセルではイスラム系移民が増加し続けており、4人に1人がイスラム系とも言われています。
ここ数年ブリュッセルでの新生児の名前のトップは、イスラム系の名前である「モハメド」で、2030年にはイスラム系が過半数を超えると予測されています。
もし予測通りイスラム系が過半数を超えた場合、ベルギーがイスラム教国化するという信じられないような事が現実味を帯びてきます。
過半数という”民主主義”の形にのっとって、民主主義国家ベルギーはイスラム教化するわけです。
これは欧米の国々とっては皮肉ですね。
ベルギーのことを”ベルギスタン”と揶揄する人も出てきました。
こうした現状から現在欧州では移民排除の動きが高まっています。
グローバル時代にナショナリズムが高まっているのです。
一見不思議に思う現象ですが、ボーダーが曖昧になればなるほど内へ内へという意識が生まれるんですね。
そういうわけで、移民政策を取る欧米の国々がベルギーの状況を注視しています。
なぜなら、ベルギーの未来がその他の欧米の国々の未来でもあるから。
さて、僕たちが暮らす日本はどうでしょう。
日本でも移民政策が検討され始めました。
出生率の低下が原因で、このまま何も対策をしない(しても効果がない)場合、100年後の人口は3分の1になると予測されています。
こうなると社会保障制度が崩壊するだけでなく、国際社会での競争力を失うことは避けられません。
人口を増加させるためには出生率の増加が必要ですが、現在の日本の対策は功を奏しているとは言えないのが現状です。
そこで登場するのが移民政策です。
中(国内)で増えないのであれば、外(国外)から連れてこようというわけです。
移民を受け入れれば人口は増え、単純に社会保障制度を支える国民は増えます。
また労働人口を増やすことでもあるので、国際競争力低下を防ぐ一つの手にもなり得ます。
こうしたメリットから欧米では積極的に移民政策を取り入れてきました。
しかし、移民を受け入れるということは、現在のベルギーの状況にあるように、その国の文化、雇用状況など変わらざるを得ないことがたくさんあります。
全ての物事にはプラスとマイナスがあるわけです。
ちなみに安倍首相は移民政策に対して、
「移民政策ではなくて、3年とか5年とか(外国人の滞在)期限を切って」「(外国人が)技能を実習しながら、しかしそこで大切な仕事・役割をしていく」
と、あくまで限定的な滞在であることを強調しているようです。(たかじんのそこまで言って委員会での発言)
移民で溢れるベルギー・ブリュッセル。
移民について考える良い機会となりました。