「まんがseek」のタグラインは「みんなでつくるマンガデータベース」ですが(2000年にオープンした際は「みんなでつくる世界最大のマンガデータベース」とより大仰なものでした)、今回の復活にあわせてコンセプトをあらためて言語化しました。 それは「マンガに関するあまねく情報を収集・整理して、索引化する」というものです。 現在公開している人物や作品のデータはぼくらがつくろうとしているデータベースの一部に過ぎません。 すでに作成中の商品、人間関係、掲載誌に加え、作品同士の関係性(続編やスピンオフなど)、雑誌の号単位のデータなども順次つくっていく予定です。 ひとりの漫画家がいて、その人が誰と関係しているのか、その人はいつどんな作品をどの媒体で発表したのか、そしてそれはどこで読めるのか。 マンガのデータはかなり複雑です。 ペンネームも複数使い分けますし、藤子不二雄先生のようにコンビで描くケースもあります(おまけにのちに個人で描くようになったケースもありますね)。 どこで読めるかについても、15年前には普及していなかった電子版や、「絶版マンガ図書館」のような場も出てきてます。縦横無尽にデータがつながっています。

ニュースもデータのひとつ
ニュースもデータのひとつ
まんがseekを再公開しました
まんがseekを再公開しました

いまも数名の仲間とデータベースのメンテナンスをしているのですが、とうぜん読んでるマンガ雑誌もちがえば、好きな作家さんも異なるので、いろんな方面からデータが補完されていっています。 こういうところが「みんなでつくる」魅力だなあと随時通知される更新情報を見ながら感じたり。 また愛読している作家や作品といったちがいだけじゃなく、データベースの質と量(あるいは詳細度と網羅度といってもいいかも)に対する傾向も個々人でびみょうに差があっておもしろいです。 当然、長年やっていけばそれらは両立した上で、どちらも充実していくんですけどね。 そして「まんがseek」のひとつの魅力は「器だけがそこにある」ことによって、質量ともに追求しやすい環境が提供できてるという点にあるのかなあと思いました。 検索しても見つからない(存在しているのに登録されてない)データを片っ端から入力していってデータベース全体の登録件数を増やすという支援のカタチもあれば、連載開始月などの細かなデータを補完したり、その作品が読める商品と関連付けていくことでひとつのデータの完成度を高めるという支援もあります。 (いうまでもなくどちらの支援も大変ありがたいです)

ゴールだけ共有して、貢献方法はその人次第
ゴールだけ共有して、貢献方法はその人次第

ちょっと冷静に考えてみると、これからぼくらがどんどんヒマになることは「すでに起きている未来」なんだよね。 経済はグローバル化し、コンピューターによる自動化が進めば進むほど仕事は減るし、それにともなって給料も下がるだろうから、いまのうちからお金のかからない趣味を持っておかないといけない。城巡りとかね。 これから何十年も仕事を作り続ける人もいると思うし、そういう人を尊敬もするけど、ぼくのように「ほどほど」で納得するほうを選ぶ、もしくは選ばざるをえない人のほうが増えていくのはまちがいなくて、じゃあそこで生まれた時間(だけどお金はあんまりない)をどう過ごすかという問題は、そのまま「どう生きるか」という問題でもある。 そういうこともあって、「ライフワーク」というものにここ数年関心が強まっていて、人様のことをとやかく心配する前に、自分が一生楽しめることはなにかなーと思って始めたのがお城巡り。 まあぼくらの世代って「信長の野望」や「三国志」といった光栄世代なので、歴史が好きな人が多いと思うんだけど、学校で習う歴史ってひとことで言えば年号暗記ですよね。ぼくらは必死で年号を暗記して、歴史を理解したつもりになっている。

オトナの「趣味」としての歴史
オトナの「趣味」としての歴史
こうのたけし

たまに書きます。シェアしてもらえたり、レスポンスを書いてもらえるとうれしいです。座右の銘は「ぼくはぼくとぼくの好きな人のためにがんばる」。むかしは smashmedia ってブログを書いてました。いまは「攻城団」とか「まんがseek」を運営しています。