暗号通貨の普及に欠かせない”ステーブルコイン”の重要性

「暗号通貨&ブロックチェーンに関する一般的な知識は十分あると思うけど、何かとアウトプットできてないな」そんな思いから、ブロックチェーン&暗号通貨の思想や技術に関して解説するブログを始めます。基本的にmedium使います。読んでくれている人の役に立てるようしっかり書いていこうと思います、よろしくお願いします。
暗号通貨の普及に欠かせない”ステーブルコイン”の重要性
ステーブコインという言葉を聞いたことがあるでしょうか?どちらかと言うと、このmediumを読んでいる方だと知っている人の方が多いと思います。確かに、ここ最近とても有名だと思います。
つい先日も、僕がインターンをしているNeutrinoで「Stablecoinを考える」なんて言うイベントが開催されましたし、Twitterでは日本初のNEM上Stablecoinを開発しているLCNEMのキムラ ユウさんという方も有名です。海外でもあのCircle CEOであるジェレミー・アレールがStablecoinの可能性に関して力説しているほどです。個人的には今後のStablecoinの発展から目が離せないと思っています。
でもちょっと待ってください、読者の中にこういう方はいませんか?「ステーブルコインって価格ボラティリティの低い(価格が安定した)仮想通貨でしょ?すごいよね。(終わり)」心当たりないでしょうか。
ステーブルコインという言葉とその重要性を唄う声は聞いたことがあるけど、正直そこまで知らない。何を隠そう、これはちょっと前での自分です。「なんか重要なんだけど、そこまで詳しく理解してないかも、、」みたいな危機感からこの記事書こうと思ったんです。ということで今回は、少なからずいるかもしれない自分のような方に向けて、ステーブルコインの重要性について説明していきます。
ステーブルコインは、”何に対し価値の担保を置くか”という思想上の違いからその技術設計を主に3つに分類できます。けど、この記事ではまだその詳しいメカニズムや、メリット・デメリットに関してはあまり詳しく書きません。(正確には次回書きます。待ちきれない方はキムラ ユウさんの記事をぜひ)あくまで、「ステーブルコインって何がスゴイねん」という疑問に対して、入門書的な役割として、ロジカルに分かりやすく答えていくことを本旨とします。
ステーブルコインの概要

先ほども言いましたが、ステーブルコインとは「価格の安定した暗号通貨」です。これは暗号通貨の普及のために、必須中の必須の要素です。その概要ですが、より信憑性のある説明をしたいと思い、最近大型の資金調達に成功した無担保型Stablecoinプロジェクト「Basis」のwhitepaterのAbstractの冒頭部分を翻訳しました。以下引用&翻訳です。
ビットコインやイーサリアムなどを含めた様々な暗号通貨における価格ボラティリティの異常な高さは、現在の暗号通貨が直面する最も大きな課題の一つです。
法定通貨とは異なり、昨今の暗号通貨は購買力を安定させる金融政策を施せるような中央銀行を持ってはいません。それはつまり、ある通貨に対する需要の変化が大規模な価格変動をもたらすということです。これは、信用経済に大きな悪影響を及ぼします。
例えば、もし所有者が自身の口座の購買力が一定であると信用できなければ、彼らは決して買い物や給料の受け取りに暗号通貨を採用しないでしょう。より大きな話で言えば、信用・債券市場を暗号通貨上に成立させることが非常に難しくなってしまいます。
いかがでしょうか。若干抽象的で難しいですね。中央銀行がなんちゃらのところですが、中央銀行ってインフレ(お金の価値が下がりすぎる)になったら金吸収して、デフレ(お金の価値が上がりすぎる)になったら金刷って、という、いわゆる金融政策を施すことで、お金の価値を一定に保とうとしているんです。暗号通貨はこれがないからボラティリティ高いんですよね、と言いたいのです。
そして結論何が言いたいかというと、”価格が安定しないのでは、暗号通貨がこれまで経済を爆発的に発展させてきた、現在流通しているお金(法定通貨)にはならないよね”ということです。
ボラティリティの高い通貨はいつ大暴落するか分からないので、長期的で堅実な投資・ローンの類の取引を行うことが困難ですし、貯蓄も怖くてできません。常に価格が乱高下していては、モノの価値を測るモノサシにすらなりません。
そんな通貨を、僕達は通貨と呼べるのでしょうか?そう、呼べないのです。「いや誰がそんな怖くて信用できないお金持つねん」って思いますよね。実際現在の仮想通貨を見てもらればわかりますが、世界中の半分以上の人が暗号通貨を使っていません。
では、法定通貨と暗号通貨の違いは何なのでしょうか。結論から言いますと、それは現存するほとんどの暗号通貨が「貨幣の持つ3つの機能」を持っていないことです。高校くらいで習った人もいると思います、あの経済学一般で言われる”貨幣の持つ3つの機能”です。
貨幣の3つの機能とは、「価値の保存」・「価値の尺度」・「価値の交換」のことを言います。現在の暗号通貨、例えばビットコインやイーサリアムは、これらの要件を満たせているでしょうか。ボラティリティが高いことを考えると、価値の交換手段としては使えますが、価値の保存・尺度などの項目は満たせていないというのが現状でしょう。
Stablecoinは、暗号通貨に「貨幣の3つの機能」を与える

詳しいメカニズムはさておき、Stablecoinとはその名の通り、価格が安定的な暗号通貨です。価格が安定している・一定であるということは、その通貨を価値の保存・尺度として使えるということになります。ゆえに、一般消費者がその通貨を長期的に保有したり、モノの価格を測るモノサシとして使えるようになります。そうなれば、今は価値の交換手段として活用されていなかった分野まで暗号通貨が普及することになります。
現在の暗号通貨・ブロックチェーン界隈における目下の技術的課題は、間違いなくスケーラビリティ問題だと思います。EthereumにおけるPlasmaやShardingなどのトランザクション処理能力向上のための技術の発展は不可欠であり、多くの技術者がリソースを投入している分野です。しかし、その課題が達成されたのち、あるいはそれと同時に、最も解決すべき課題の一つに暗号通貨の価格安定化の実現があると思います。
ただし、こう言う指摘もあると思います。「そもそも仮想通貨って法定通貨みたいに、一般の人々の貯蓄や身近な買い物の手段としてそんな普及しないでしょ??」という意見です。
確かに、現在この世界で大きな注目を集めているのは先ほど言ったスケーラビリティ問題解決のための技術や、EthemeumやEOS、NEO、Zilliqa、Definityなどプラットホームとしてのブロックチェーンそのものです。dappsやプロジェクトプラットホームがあれば十分!と言うこともできなくはありません。
しかし個人的には、Stablecoinが実現すれば、暗号通貨を法定通貨と”普通のお金”と呼ぶことができる日が来る考えています。それはなぜか、理由は単に、その方がメリットが大きいからです。その具体的な説明に説得力を持たせるために、またしても以下にBasisのWhitepaperから抜粋・翻訳した文章を書きました。
誰もが各地域の通貨を利用しているため、事業者が暗号通貨を受け入れるインセンティブは全くありません。しかし、わたし達は実際にはその逆が真実だと考えています。なぜなら、一部の顧客が暗号通貨での支払いを望む場合、事業者は暗号通貨決済を導入することに対しコストを支払う必要はないからです。
さらにそれをしないとなると、暗号通貨決済の手数料がクレジットカードやデビットカードよりも低くなる可能性があるため、逆に販売コストが高まり損をしていると捉えることもできるからです。しかも暗号通貨決済はクレジットカードで起こるようなチャージバック(クレカを利用する顧客が不正使用などの理由から代金の支払いを拒んだ際に、その支払いを加盟店が請け負うこと)を免責可能という特徴もあります。
いかがでしょうか。実際に、Microsoft.sportifyなどを筆頭に、多くの事業者はBitPayなどによる暗号通貨支払いを受け入れています。現在はBitcoinの価格が安定しないが故に、多くの事業者が受け取ったBitcoinをすぐに法定通貨に両替してしまうという状況になっていますが、決済可能な暗号通貨の中にUSD1$と価格が均衡したStablecoinがあれば話は別です。
とはいえ、まだ確信的な証言はできません。なぜってどこも実現していないから。でも、Stablecoinを実現させる大きな理由=重要性は理解していただけたかと思います。今じゃ想像すらできませんが、Stablecoinが成功すれば、一般消費者の保有率・使用率の面で暗号通貨が法定通貨を上回る日が来るやもしれません。その時を待つか、自ら創り出すか。
最後に
冒頭でも言いましたが、この記事では技術的な話とかプロジェクトの紹介とか一切せず、思想的な話しかしてないので、もの足りなかった人もいるかもしれません。近いうちに技術的設計の分類の話書こうと思います。そして徐々に、各プロジェクトに対するレビューや日本のStablecoinプロジェクトの現状など色々調べて書いていきたいと思います。
