文字は言葉よりも劣ってます。
これが、大事なんです。
劣っているってことが大事なんです。
根拠を語ります。
まずは基本の確認から。
——そもそも、言葉とは。
人の発する音声のまとまり 、だそうです。
——じゃあ、文字って。
言語を視覚的に表す記号の体系、だそうです。
これが基本で。
誰でも知っているような単純なことです。
基本が終わったので、応用をしましょう。
僕の言葉で。僕自身をさえずります。
——文字って。
僕は言葉の代わりになる存在として、依存してます。
理由を語ります。
結論を言うと、逃げ出した結果だった。
だから、無様と笑うところだし、愚かだって見下すところなんだろう。
だから、と。
それでも依存する理由を語ります。
本来の意味で使われる〝言葉〟は、情報量が多すぎる。
音を人に伝えようとするとき、そのときの多くは直接人と逢ってなければならない。声が届く距離にいなければならない。——そのときに伝わる情報量はあまりにも多すぎる。
顔が見えたら、顔色を窺ってしまう。
声が聞こえたら声色を気にしてしまう。
受け止めてしまう、情報が多過ぎて溺れてしまいそうな気分。
つまり、僕は。
音の『言葉』は受け取れる情報量が多いからといって、もっと少ない情報量しか持ち合わせていない文字媒体の『言葉』を選んだ。依存した。好きになった。
それだけのことなんだ。
だから、と。
最後に優しい理由を語ろうと思う。
僕が文字を優しいと思う理由。
もう、語ってしまったようなモノだけど。
文字の方が『識らなくて済む』それだけのことなんだ。
——識らないってのは罪深いことだろうけど。
だから、どれだけ、キツいこと見つけても、きっと、言葉よりは傷付かない。言葉の方が傷付いてしまう。——そんな僕だから、人と話すのは苦手です。
——必死になってます。
だから、たくさん言葉を探して、見つけ出して、いっぱい、いっぱい、伝えたい。いろんな人に、文字で、伝えたい。傷付くのは一瞬だけど、嬉しくなれるのも一瞬で起きる出来事なんだよって——みんなにみんなに知って欲しいです。いろんな人に知って欲しいです。言葉よりは人を傷つけにくい、ってこと。
文字は、絶対に言葉よりも、伝わりにくい存在だから。
コミュニケーションツールとして見るなら、絶対に言葉の方が強いんです。言葉の方がたくさん伝わるんです。——たくさん伝わるってこと理解して欲しいです。
一度、言葉を使う前に自分で、それの価値は把握してますか?
簡単に言葉を扱っていませんか?
文字は、誰かに伝えるために——一拍間が空きます。
——手で描かなきゃならないのです。
——手で描いたら、自分で文字媒体として見ることが出来ます。
その手間が大事で。
その大事な作業を誰も彼もが文字を使うときには、自然とやっている。
だから、文字で人を傷つけてしまうことは、言葉よりもずっと少ない。
悪意を持って、言葉を使う人が少しでも減ったらいいなって。
悪意に繋がる言葉を使う人が、少しでも減ったらいいなって、思っています。
誰かを傷つける人が減ったら、いいなって、思ってます。
傷付いて、泣いちゃう人は、少なければ少ない方が良いと思うので。
そんな僕はちょっとばかり、泣き虫で弱虫過ぎるんだと思っていますが(苦笑
そんな僕だから、ずっと本が好きです。
文字媒体の世界で綴られた物語はとても優しくて、好きになってしまう。