まつもとゆきひろ氏の講演を聞いて感じた圧倒的な差

Sky Iwasaki
5 min readJun 23, 2018

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そりゃ差はあるだろって話だし、matz氏に失礼なタイトルだが気にしない笑

本日行われた以下のサポーターズのmatz公演について思ったことを忘れないうちに書き記そうと思う。

公演ではキャリア戦略について言語/OSなど抽象度の高いものは寿命が長いという話や勝てるフィールドで戦うことなど、キャリア戦略観点でためになることを仰っていたのだが、ほかの参加者の方が既にブログ等で発信しているのでここでは省略する。

この記事では公演の概略ではなく、公演の中で述べられていた自己認知について自分の至らなさとそれとどう向き合っていくかを具体的かつ抽象的に考えたいと思う。

はじめに、私が公演で感じた自分の至らさとは、先天的なものなんじゃないかと諦めたくなるほどのmatz氏と自分ののめり込み力の差である。

公演はmatz氏のプログラマーとしてのキャリアを中学生時代からなめていく形で進んでいった、概要としては中学生のときにbasicを触り始めたのを皮切りに高校ではpascalなど他言語に触れ、大学ではコンピュータサイエンスを専攻し卒論でプログラミング言語を作った、というような話だったのだがこのプロセスを聞いて私は自分とmatz氏との圧倒的なのめり込み力の差を感じてしまった。

当然matz氏も最初はよくわからずプログラミング言語に触れていたのだと思うのだが、pascalに触れたときにローカル変数という概念に感動したというようなことを仰っており、プログラミング言語を学んでも自分はそう感じなかったし何かにのめり込める人は特定の事象に関する感性が人より優れているのではと感じたのだ。

ここでやっぱmatz氏みたいな大成する人は生まれながらにしてのめり込む能力があるんだな、自分とは違うな、となっては意味がないのでもう少しのめり込み力の正体について考えたいと思う。

私はこのプロセスを聞いて、物事にのめり込めるかどうかは何か新しい物事に出会ったときに感動できるか否かが決定していると思ったのだが、では感動できるという能力はどうやったら方法論に落とし込めるのか考えたい。意識的に物事に対して本気で感動することができるのであれば、のめり込むという能力は先天的ではなく後天的に身につけられるはずである。

そして公演を聞いて以下のプロセスが重要なのではと思い至った。

  • 物事に対して不便だと感じたり困らされたりして負の感情を抱くこと
  • それが解消される喜びを知ること

物事に対して負の感情を抱くことが重要だと思う。ある物事を憤ったり嘆くレベルまで知ることってそう多くないし、そこまで知って初めて新しい物事に触れて負が解消された喜びを感じることができて、さらにのめり込んでいくのだと思う。(起業家とかもこういうタイプが多いのかもしれない

matz氏に当てはめるとpascalのローカル変数に感動するくらいに良くも悪くもbasicのグローバル変数しか存在しない世界に慣れ親しんでいたのだと思う。また一方自分に当てはめると何か技術を学んでいるときに自分が感動しないのはただの不感症ではなく、ある技術で出来ることと出来ないことを完全に理解しないまま別の技術に触れているからなのだと思うのである。(最近は技術も進歩しているので憤りにくくはなっているとは思うが)

あんま長くなると良くないので結論。この公演を聞いて引き続き技術に触れるにあたり以下のことを大切にしたい。

  • その技術で達成できないことを知る
  • プログラマの三大美徳を大切にする

1つ目についてある技術で達成できることは何となく感覚でわかるのだが、達成できないことを知ることはその物事を熟知していないといけないしそれが技術を身につけるということだと思う。matz氏は技術は手段であり目的ではないと述べていたが、私のようなタイプのプログラマであれば技術が目的化してしまうレベルまで突き詰めて考えることは大切だなと思った。

2つ目について、不便だから憤るのか、憤りやすいから不便に気づくのか鶏卵な話ではあるが、怠惰であること短期であることを大切にして技術と向き合い意識的に自分の中に負の感情をためていこうと思った。

以上。

ps.

普段どちらかというと自分が出来ないことより出来ることにフォーカスするスタイルなので、matz氏みたいなタイプは才能溢れていて自分とは違うんだと思考停止しがちなのですが、あえてプログラミング言語を作ってしまうくらいに技術が好きな人(私的見解)と自分との差分をどうやったら埋められるかを考えてみました。

情緒不安定になりやすいのでなるべく負の感情は抱かないように生きてきたけど、適量であれば負の感情は人生を豊かにするのかもしれない。

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Sky Iwasaki

そろそろ30になってしまうので、改めて残りの人生をどうすれば全うできるか考えようと思う。@iwsksky