【リトアニア滞在記】歯科矯正をやってみた Part 1

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本記事とは関係のない、好きなカフェでのひとコマ。

こんにちは。実は1年以上も前から、歯科矯正のため歯医者に通っているのですが、そういえば文字での記録には残していなかったので、今更ですがすこしずつまとめてみたいと思います。

ちょうど先日、奥歯に部分的な歯科矯正と、親知らず抜歯+αの手術を行ったばかり。なので、まだ本格的な治療には至っていないのですが既に色々とやってもらったので書き残します。先に言っておくと、まあまあ遅いしトラブル多めです。

まずは矯正歯科医の予約

最初に、矯正歯科医院を探して予約するところから。リトアニアでは若い医師ほど英語を話す率が高いとはいえ、全員はそうであるとも限らないのが厄介なところ(って、日本よりは全然探しやすいと思うけども)。

なので、経験者の知見を得ようと思い、まずはFBの外国人グループにて、英語話者の矯正歯科医のオススメが載っているポストをいくつか探し当て、そこから予約できそうな箇所を絞ることに。

結果、ひとつだけ近い日程を取ることができました。この時は「電話で予約するの面倒だな・・」などと思っていたので、ウェブで予約できるところをいくつか当たったのですが、返事が来たのはここだけだったということで。

結局のところ、医師が英語を話せても助手や受付係の人が分からないとコミュニケーションが取れなかったり、予約の日程がとんでもなく先になってしまったりと、リトアニアならではの事情があるようです。

初診でのコンサルテーション

予約を取ってから2週間ほどして、はじめての診察に行きました。

閑静な住宅街にぽつんと佇む白壁の建物に足を踏み入れると、若い女性の助手が挨拶をしてくれました。

しかしここで気が付いた。彼女は英語を話さない。というか前日に予約確認の電話をくれたのも彼女だったと思うのですが、そういえば英語で切り出したら「ちょっと待って」といわれ、男性の声に代わったのでした。

その男性というのは、今後わたしを担当してくれる矯正歯科医。彼とは意思疎通が取れる程度の英語でコミュニケーションを行っています。つまり、別に誰もペラペラではない(自分も含めて)。まあ、それでも何とかなるもののようです。

とはいえ、彼も最初は自信なさげで「自分は英語が堪能ではないから、次回の診察時までに他の歯科医院を探せたら探した方がいいかも」とアドバイスをしてくれました。

わたしもわたしで、一応また数か所予約を試みたのですが、永遠に連絡がないままだったり、取れてもまた随分先の日程だったりしたので、結局ここでお世話になることに。

なお初診でわたしの現時点の歯の状況から推察できる矯正の段どりや値段・推定期間などを教えてもらいました。ま、そんなもんかって感じだったので、自分としては納得して治療を受けられるな、と思った次第。

ちなみに、わたしの歯の状況はざっくりこんな感じでした↓

・顎に対して歯が詰まっており、特に上顎の前歯は重なっている

・八重歯2本、親知らず4本あり(うち1本は厄介パターン)。少なくとも親知らずは抜歯が必要

・下あごの歯並びは比較的よいものの、やはり親知らずに押されて歯列が変わりつつある

とりあえず、この時点で予算は3,000€程度(矯正のみ。抜歯は含まない)と言われました。彼は「高いよね・・?」という顔をしていたが、まあ、自分の歯並びで、日本でやったら100万円超えちゃうのは目に見えていたので、それで大丈夫です、と伝え、治療をしてもらうことに。

ゆっくりとした治療準備

その後は、X線や通常のカメラを使っての写真撮影をし、改めて状況確認をしてもらったり、「義務だから」といわれて無理やりホワイトニングを受けさせられたりして時間が過ぎていきました。

というか、初診からX線撮るまでに2か月くらい空いたのですが、これは夏休み期間だから。そういうのもリトアニアっぽいですな。

その後、矯正の前に上顎を広げる作業と、親知らずの抜歯が必要だ、という話になりました。ただしこの歯科医院ではそういった手術まではできないとのこと。たしかに設備はこぢんまりとしているし、医師も常時1人しかいない。

というわけで、提携しているという別のプライベートクリニックに紹介状を書いてもらい、コンサルテーションを受けることになりました。

別のクリニックでコンサル&1回目の手術

予約は自力で電話。ドキドキしながら電話をかけたところ、英語で対応してもらえ、無事に予約を取ることができました。

ただしここでも問題が発生。お互いの英語力のせいか、日付が間違っていました。思ったよりも早い日に「明日、こられますよね?」と電話があり、ええ!?違うし!と焦ったのですが、もう日程は変えられないとのこと。

どうにかやりくりして仕事の合間に抜けて行けることになりました。危ない。

こちらでも初診はコンサル&X線写真を撮ってもらい(1度に両方やってくれるんだ・・と感心した)、後日改めて手術の日程を決めてもらうことになりました。こちらはもっと規模が大きく、基本的にみんな英語が話せるので安心です。でもちょっとラグジュアリーな雰囲気(こういうの慣れてないので無駄に緊張する)。

1回目の手術は、初めて矯正歯科医院の予約を取ってからおよそ10か月後。まずは上顎を広げるため、マイクロインプラント(めっちゃ小さいネジ)を4本挿入するための手術が行われました。

当日は何枚かペーパーワークを行い、めっちゃサインした。その後は診察台に寝ころび、上顎に局所麻酔をしてもらう。ジーンと鈍い痛みが続いたかと思いきや、いつのまにか無痛に。

痛みの確認をしてもらってから、何やら電動ドリルのような器具で、念入りに位置をチェックしながら1本ずつネジが挿入されていきました。もちろん痛みはないのですが、すんごい圧を感じた。

この手術は15分程度で終了。すこし休んでから最後に3Dスキャンをしてもらい、痛み止めと抗生物質の処方箋をもらって終了しました。金額はおよそ600€なり。

その日はそのまま仕事でしたが、麻酔が切れた後に鈍痛に襲われ、悶絶しながら薬局で痛み止めを購入しました。Nimesilというやつで、Wiki情報によれば世界172か国で販売禁止されているというもの(肝毒性があるとか)。怖すぎる。

とりあえず痛すぎるので服薬したところ、ドラッグかってくらいギンギンに効きすぎて逆に不安になりました。普段、薬とかほぼ使わないからね。その後は不要だったので使用せず乗り切ったさ。

やっと矯正スタート

それからほどなくして、ようやく矯正歯科医院での治療も本格的になりました。なんかすごいオーダーメイドの器具を発注してもらい、上の歯に装着。さながらアンドロイドのような見た目になり、活舌がめっちゃ悪くなりました。

これは、徐々に上顎側の歯を広げるための装置だそうです。これだけで600€くらいしました。高。

それから、慣れるためか上顎側の奥歯にだけ、2か所ずつくらいワイヤー矯正のためのポチが付きました。痛いですね~これ。アンドロイドも慣れるまで痛かったですが、ポチが付いた途端、一気に噛むのがつらくなりました。

そしてその2か月後くらい、下の奥歯にもポチが付きました。今度は上下ともにワイヤー付き。いよいよ矯正って感じになってきました。

さて、この時点で以下の器具が、我が口の中に住んでいます。

・マイクロインプラント×4本(上あご、硬口蓋)

・アンドロイドもとい矯正器具(上あごをまたぐようにして、両端の奥歯に装着)

・部分的なワイヤー矯正(上下、両側の奥歯に2~3か所ずつ)

かなり混みあっています。

そんな状態ですが、実はまだ本格的な治療に向けた準備でしかありません。そして先日ついに、前段階となる最後(?)の手術が行われました。

親知らず4本、一気抜き(全身麻酔)

この話は、ワイヤー矯正が付く2か月ほど前、プライベートクリニックのほうから説明を受けました。

一気に抜く理由は、お互いにあまり時間がないので通院・治療の手間を省いた方が楽だということ、今後、矯正の経過によっては別の歯を抜く可能性もあるので、先にパパっとやっちゃいましょう、とのことでした。

また4本のうち1本が横向きに生えており、抜歯に時間がかかるとも言っていました。確かにそうなると、結構何度も通うのはわたしにとっても面倒です。

ついでに、同じ手術で前歯というか上顎も少しいじる、とのことでした。これはマイクロインプラントの様子を見るのを兼ねて、ということのようです。

説明時には、「まあ寝ている間に終わるから~HAHAHA」と軽い感じだったので、わたしも「そんなら楽だな」とめっちゃなめていました。帰りに宣誓書なるものをもらい、手術時にサインして持ってきてね~と言われて帰宅。

それからよく調べてみると、この手術で使用するのは全身麻酔の一種とのこと。ほお~こりゃ大掛かりだ。

ところでこちらのクリニック、入院設備はありません。なので手術の終了後、誰かしらに車で迎えに来てもらい、自分の部屋のベッドまで送り届けてもらう必要があります。これは配車サービスとかではダメ、とのことだったので、わたしはたまたまこのクリニックの近くに住んでいる友人にお願いすることにしました。

あれから2カ月ほど経過し、手術の前夜。その友人宅に泊めてもらい、当日は6時間前から絶飲絶食です。半断食慣れしている身としては、さほど辛くはありませんでしたが、体力温存のためにほぼベッドの上で過ごしました。

いよいよ手術。いつもと違う雰囲気なのかな、と思いきや、診察室も診察台も同じ。でもお世話になっている担当医さんのほか、麻酔医やその助手なども含め、ちょっと大人数で出迎えてくれました。

前回と同じくめっちゃペーパーワークを終えたら、あっさり手術開始。診察台に寝ころび、麻酔医がわたしの右腕に注射針をちくっと挿すと、体内に薬が流れていく感覚が伝わりました。

あ~ちょっと痛いな~早く意識が遠のかないかな~、なんて思っているのもつかの間、あっという間に記憶がなくなったようです。

目が覚めたのは、手術開始からおよそ2時間後。はじめに意識だけが戻り、ちょっと寒くてくしゃみをした後、自分なりに目を覚ます準備をしてから、おそるおそる目を開けてみました。

するとすぐに助手の方が気づき「お、起きましたな」と医者に報告。

それから医師に「手術は無事に終わりましたので、あとはお迎えの車で帰ってくださいね」と言われました。この時すでに友人は病院に来ていました。

手術前、「自分では電話できないと思うから、あらかじめご友人の電話番号を教えてください」と言われて教えておいたのですが、友人曰く、手術が終了したと思われる時間にすぐ電話が来たそう。

到着したら別室に通されて「え、何かあったか・・?」と不安になるも、そのまま手術の概要と術後のケアについて淡々と説明をされたそうです。ウケる(←なんで)。

いざ立ってみると、ちょっとDrunkな人って程度のふらつき具合でしたが、案外普通には歩ける。ただこの時は気づかなかったけど、口からめっちゃ出血していて血まみれだったので、再度別室ですこし休んでから帰りました。手術代、1480€なり。

術後の経過(~3日目現在)

術後はまた友人宅に戻り、そのまま1泊させてもらいました。さすがに4本の抜歯+上顎を開けただけあり、どこから出血しているのかわからないくらい血が出続けましたが、3時間くらいしてようやく収まってきました。何度ガーゼを取り替えたことか。

ごはんも食べられるか微妙でしたが、友人が用意してくれたお粥を、ものすごい時間をかけながらゆっくりと頂く。こんなに柔らかくしてもらったのに噛めないので、とりあえず飲み込んで完食しました。

その日はアイスバッグを頬の両側に置きながらすぐ眠りにつきました。

実は手術の翌日、なんとも鬼畜な矯正歯科医が「様子を見たいから」と来院を予約してくれちゃっており、行けるわけないだろとう手術前から疑わしかった(友人宅からも自宅からも、やや離れている)のですが、結局この日の朝も友人が車を出してくれたおかげで、あまり負担なく来院できました。

そうはいっても、まだ若干血が出ているし、何より口を大きく開けられないので、診察はものの5分で終了。来週の抜糸が終わったらまた来てくれ、と言い残されて解散しました。いや、この人、あんまりシゴデキじゃないと思うんだよな~(今までもそう思ってきたけども)。まあ仕方ない。

帰りはトラムに乗ってまた友人宅まで戻りましたが、案外ふつうに歩けるし、顎も思ったほど腫れていないし、もう大丈夫じゃん!とすら思えるほど元気。というわけで、その日のうちに友人宅をおいとまし(何から何まで本当にありがとう!!!!)、数日ぶりに自宅へ戻りました。

そして、術後2~3日を自宅で過ごしているのですが、まあ元気っちゃ元気です。

ただし、前回の手術と同様にもらった痛み止めNimesilを飲み続けているのですが、これが頭痛を引き起こすのか、ずっと少しだるい。もうね、なんかギンギンに効いている!っていう感覚は前と変わらずでして、おかげで痛みはすっかり麻痺しているのですが、健常な状態ではないよな~という気もしている。

また、頬の腫れは今更すこし出てきました。今日がいちばんのピークなのかな。そういう顔、といわれればそう思えなくもないですが、それでもちょっと違和感あるかなって程度には、下あご側が特に腫れて見えます。

食事は変わらず、少量ずつ、ヤワヤワな野菜と穀物を中心に食べています。調理時間・食べる時間共にけっこうかかるので大変ですが、現在は療養休暇をもらっているので出来ている。来週にはもうちょっと収まってほしいものです。

以上、か~な~り長くなりましたが、初診~親知らず抜歯をした現在までの治療記録でした。

ここまで、トータルで軽く3,000€近くかかっています(涙)が、あとはほとんど矯正器具とメンテナンス代になるかと思うので、山は越えた感じでしょう。

身体は元気なのですが、やはり手術は負担が大きかったらしく、あれから毎日10時間は睡眠しています。そうだよね、お疲れ自分。

このまま快方に向かい、すこしでも早く復活できたらいいな~と思っています。またしばらくして進展があったら、続きを書きますね。誰かのお役に立てれば幸いです。

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