【リトアニア滞在記】現地で働くのに必要なアレコレ

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少し前に通った大統領官邸。花壇には連帯を示す青と黄色のパンジー。

さて、今回のわたしにとっての滞在目的といえば「現地でお仕事」です。

前回の記事でも書いたように、ワーホリの時にお誘いをいただき、ほんとうに運よく戻ってくることができました。ありがたや~。

と同時に、ワーホリの時代から知りたかった!と感じた、仕事に関する準備について書きたいと思います。

ただしここで紹介するのは、飲食業であることと、労働許可を持つPermit所持者であることが前提です。これによってPermitを持たない外国人(ワーホリで来ている人)がどうなるのかは定かじゃないのですが、移民局によればD-visaの段階でも日本人なら働ける例外措置があるとのこと。

だからきっと、ワーホリついでにちょっとバイトしたいという人にとって、役立つことを願って。そうでなくても、現地で働くための準備を知りたい人にとっても、何か意味のある記事となりますように。

そうはいっても、移民局のルールはコロコロ変わりますので、随時ご自身でコンタクトを取ることをおすすめします。

必要なもの①コントラクト

当たり前なんですけど、これがないと次に進めません。きちんとお給料や労働時間、休暇について記載があることを確認してくださいね。

ちなみにリトアニアは1日8時間まで、週40時間までの労働が基本です。それ以上は違法。欧州全般そうだと思うけど、少なくともノルウェーにいた頃はこのへんかなり厳しく取り締まっていたようで、オーナーはもちろん従業員側も労働者の権利をかなり意識していました。

なお、ワーホリの場合は労働期間にリミットがある場合もあるかもしれません。これに関しては移民局への確認が必要かなと思います。

双方で同意を得てサインができたら、次に進みます。

必要なもの②TRP(Temporary Residence Permit)

リトアニアの場合、一時的に(最大1年)滞在するためのビザと、学生や労働・結婚に必要な一時滞在許可証=Permitに分かれています。

ワーホリの場合はビザ(D-visa)になりますが、労働許可を得て現地で働くとなれば、基本的にPermitが必要。

このPermitが発行されると、自動的に個人番号がもらえます。これが社会保険(Sodra)やタックス関係(VMI)、あと銀行口座と連動しているためです。

ただしさっきも書いたように、日本パスポート保持者ならPermitを持たない状態でも労働は違法じゃないそうなので、雇用主に直接相談してみるのが吉。

必要なもの③銀行口座

次に必要なのは口座。ただしややこしいことに、リトアニア国内の銀行口座は基本的に個人番号がないと開けません

しかも銀行口座は政府の電子サービスと紐づいています。サイトにログインする際は、銀行のアカウントを持っていないと入れないのです。

そこでおすすめなのは、以下の方法。

1.送金サービスPayseraで口座を開設

2.日本であらかじめWiseに登録し、デビットカードを持っておく

3.日本もしくはリトアニアで、送金サービスRevolutに登録

個人的に、もし「ビザなし渡航→Permitを取得する」という前提で一番よいと思うのは、Payseraで口座だけでも持っておくこと。

なぜなら、個人番号をもらった後に電子サービスへログインする際、Payseraは唯一バンクじゃなくてもIDとして紐づけ可能だからです。

それ以外のバンクは、基本的にPermitをもらってから口座を開設するので時間がかかるし、場合によっては口座開設費や維持費もかかる。支払いの際にトークンが必要なところもあるみたいです。面倒くさいわな。

2.と3.については、特に「ワーホリ渡航」「Permit取得までに時間がかかることが分かっている場合(学生さんなど)」におすすめかも。

Wiseはすでに有名なサービスですが、国際送金コストが安いうえ、デビットカードさえあれば€もそのほかの外貨もひと通り制覇できます。普段の生活にはこれで充分でしょう。

Revolutは日本でも使えるサービス。来る前に登録してもよいですが、もし長期ビザ→Permitに切り替えるなら、リトアニアで登録するのがおすすめ。なぜか唯一この国ではRevolutがバンクライセンスを持っているのです。

なので最初は送金サービスとしてリトアニア版Revolutに登録し、Permit取得後は書類審査(オンライン)を通じてバンクに格上げ可能。資金保証額がぐっと増えるので、いざというときのリスクに備えられます。

あとRevolutの場合、フィジカルなカードだけでなくバーチャルカードもOK。これは強い。Google Payに入れておけば、維持費ナシでスマートに会計できるので超便利です。リトアニアなら大体どこでも使えるし。

そんなわたしは、ワーホリ時にPayseraを登録しデビットカードを取得して暮らしていました。Revolutは帰国直後、まだ残っていたビザを使ってリトアニア版だけ登録。

最近までPayseraのカードを使っていたのですが、カード維持費がどんどん上がってきたので口座のみ残すことにしました。普段の給与受け取りや支払い関連はすべてRevolutで管理しています。

でも電子IDに紐づいたアレコレと、SIMの支払いは自動的にPayseraになるそうなので、2つ持っているというわけです。

必要なもの④健康診断

さて次は健康診断です。日本だと飲食業をするうえで必須ではありませんが、こちらでは絶対条件なのが面白い。

まず本屋さんで、健康診断に必要な手帖を求めます。リトアニア語、あとで記載しますね。価格は1ユーロ前後のようです。

そこに氏名や会社名といった必要事項を記入し、好きな病院で診断を受けましょう。

公共病院からプライベートクリニックまで、色々と選択肢はあるようですが、わたしは友人に教えてもらったクリニックを選択。

実際に行って手帖を見せたら、診療室で問診を受け、異常がなければそれで終了という、めっちゃシンプルな手順でした。

わたしの場合、特に異常もなかった(検査してないけど)ので18€。ものの5分で終了して拍子抜け。テキトーかよ。

必要なもの⑤仕事に関連するコースの受講

もうひとつリトアニア独特だな~と思ったのは、仕事に関連するコースの受講というやつです。

飲食関係の場合、食品衛生に関するコースの受講が必要でした。といっても、わたしが選択した会社の場合、10€払って1か月以内にオンラインコースを制覇し、簡単なテストを受ければもらえるのだけど。コース自体はマジメに取り組んでも数時間で終了します。

ちなみに先ほどの病院では、この受講証明書=グリーンカードも手に入るようで、いる?って聞かれた。たぶんお金取られるけども。こうやって権利をお金で買うシステム多めなリトアニア。

にしても、個人的にこのコース、ちゃんと受講するのがおすすめです。たとえお手伝い程度の場合でも飲食やるなら必要な衛生面の知識が学べます。日本でも全員義務でやればいいのにって思ったくらい。

必要なもの⑥E-Situnagure / M-Signature(電子署名)

最後に、これは場合によるかもしれないし、少なくともビザだけではもらえないのですが。

それでも、あると便利なものがE-signatureというもの。要は電子署名です。

わたしのパターンでいえば、直接お仕事に必要だったわけじゃないのですが、かかりつけ医の選択に必要だったこと、今後も色々な場面で必要になるだろうということが分かったので取得することにしました。

方法としては、銀行で申し込むか、SIMと一緒に通信会社で手に入れるパターンがあるようです。わたしは銀行口座ばっかり持ってもしょうがないので後者を選択。
もともとEzysというブランドのプリペイドSIMを使っていたので、親会社にあたるbiteで申し込みました。

SIMに関するお話はまた今度書ければと思いますが、E-signature自体は、個人番号を使った電子システムの認証(タックス・社会保険・一部の医療サービス・運転免許など)に使えます。

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以上、お仕事に必要なものリストでした。いざ挙げてみるとややこしく見えますが、ひとつずつこなしていけばきっと大丈夫です。きっと雇用主もサポートしてくれるはず。

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