僕がBitcoinに期待すること〜お金のあり方について考える〜

こんにちは、宗像です。今日はお金の意味とその意義について考えてみる。

■自分のお金を他人と分かちあえるだろうか?

「あなたのお金を、今すぐ私に分けてください。」

もし、突然このように言われて、すぐに他人と自分のお金を分けられるだろうか?

恐らく、何の躊躇いもなく分けられる人は、ほぼいないだろう。自分のお金は、自分や自分の家族の為に使いたい。できるだけ多くのお金を所有していたい。それは現代社会に生きる私たちにとっては、ごく当たり前の感覚である。

ではもし、現代社会に“お金”という概念がなかったら、私たちはどうなっていただろう。NHKで以前、あるドキュメンタリーを放送していた。アフリカに、まだお金という概念が入っていない社会あった。その社会がお金が入る前と後で、どう変容していくかを記録した番組だった。お金が入る以前の社会では、男性が狩りに行き、女性は農作物を採ったり調理したり、といった原始的な生活。そして、私たちの社会がそうであるように、コミュニティの中には、病気や障害などの理由で働けない者もいた。

驚いたことに、その社会では「獲物分ける」という行為が当たり前だった。狩りに行った者にも、行けない者にも、働けない者にも、獲物は平等に配分される。双方に“かわいそうだから分けてあげよう” “分けてもらって申し訳ない”という感覚は全くないようだった。

その社会にお金が入ると、人々の考えに変化が起きる。今まで分けていた人が、分ける行為を“もったいない”と感じるようになった。独り占めしたい、他の人へ分けるなら、自分の子供たちの為にとっておきたい、という所有欲や平等に分けることへの抵抗が出てきた。つまり、お金を他人に分けたくない、と思う感覚を彼らも持ち始めたのだ。

この所有欲やエゴが、お金の持つ一番強力な作用である。しかし、必ずしも悪いことばかりではない。貨幣という概念が与える社会的影響には、良い点も多い。お金があれば、もっと欲しい、その為にはもっと頑張ろうと思うようになる。お金を得るために努力をするようになる。そうすると、社会全体だけでなく、個人レベルでの生産性もあがる。また貨幣があることで、物々交換よりも高度な取引が出来るようになる。

だが、未だに私たちが克服出来ていない悪い点もある。それはお金を分けることへの抵抗感。所有したいという欲求やエゴ。そしてこの欲求やエゴは、他人に対する嫉妬を生む。特に日本では、金持ちであることをあまり見せびらかさない、という風潮が顕著であるが、これも、お金に対する所有欲やエゴの裏返しだ。この風潮は、そのような嫉妬に対する自己防衛策であり、生きていく上での生活の知恵なのだろう。

■お金がもたらす現代経済への影響

お金という概念が生み出す問題点は、人間の欲求やエゴだけではない。実際の経済にも大きく影響を及ぼしている。

一つはマネー経済。マネー経済とは、モノの消費活動によって形成される実体経済と違って、株や債券の取引によって動かされる経済のこと。マネー経済ではレバレッジによって取引が出来るので、実体経済よりも多額のお金が動くようになっている。

一昔前に、LTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)というヘッジファンドがあった。世界各国の証券会社や多くの富裕層から多額の資金を集め、その運用で一時期は大成功を収めた。しかし、アジア通貨危機やロシア財政危機などの煽りを受けて、最終的には破綻してしまう。このヘッジファンドの巨額の損失によって、世界に金融不安が広がり、株価も暴落した。

もう一つは、バブルだ。これも“お金”という概念がなければ存在しない。バブルには良い面もあるので、バブルが存在すること自体は悪いことではない。バブルの歴史は長く、古くは、オランダで起きたチューリップバブルというものがある。チューリップの球根が投資の対象になり、値段が急騰していった。このチューリップバブルが起きたのは1637年。今から300年以上前の出来事だ。

マネー経済とバブル。お金という概念が生んだこの大きな二つの産物を、私たちはまだ完全にコントロールすることが出来ていない。故に、これらの事象は、人間がお金に利用される側になってしまう危険性を孕んでいる。

■仮想通貨Bitcoinの可能性

そして、そのお金の概念に一石を投じるかもしれない、と私が期待しているのがBitcoinだ。今のところ、分かりやすいメリットとして、Payment(決済)の代替や資産の管理が手軽にできるなどの特徴が注目されている。

Bitcoinの可能性は計り知れない。Bitcoinは、お金によって生み出された、人間の欲やエゴでさえも、変えてくれる可能性があるのではないか、と私は期待している。国を問わず使えるということは、国と国との経済も統合しやすくなる。更に、中央銀行もいらなくなり、税金の取り方も変わるだろう。完全に平等で理想的な課税方法も見つかるかもしれない。そうすれば、人間のお金に対する欲求も変わってくるだろう。もちろん、これら全てがBitcoinによって、すぐに実現するとは思わない。ただ、仮想通貨は、それほどまでに私たちのお金に対する概念を変える可能性を秘めている、と私は思う。

■ミヒャエル・エンデが問う、「お金の意味」

児童文学MOMOの著者で思想家でもある、ミヒャエル・エンデはお金や時間を題材にした作品を多く残している。彼は生前、金融資本社会主義に対して、このように指摘している。

“私が考えるのは、もう一度貨幣を、『実際になされた仕事や物の実体に対応する価値』として位置付けるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムの何が問題で、何を変えなくてはならないかを皆が真剣に考えなければならないでしょう。
人類がこの惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的な問いだと私は思っています” 引用:NHK BS1『エンデの遺言〜根源からお金を問う』

私たちは、お金を当たり前にあるものだと思っている。しかしそれは、人間の利便性から普及したに過ぎないものであり、絶対的なものではない。近視眼的な利に捕らわれて、欲求に従うがままに追い求めれば、お金に利用されるようになり、大切なものを見失ってしまう。

エンデの言葉は、私たちに、改めてお金の存在意義を問いている。

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