文系社長も技術を学ぶべし!

意外かもしれないが、日本では、起業する人には文系の人が多い。そして、文系社長のほとんどが、僕と同じような壁に直面するだろう。

「実現したいアイディアはあるのに、自分じゃ作れない」

僕もかつて、これにかなり悩まされていた時期がある。

実現したいアイディアやサービスがあるのに、自分にはそれを作り出す力、技術力がなかったのだ。ベンチャー社長や起業を志す人の中には、同じように悩んでいる人も多いだろう。

技術の知識がない文系社長が、どうやって自分のアイディアを実現するか。今日はこのテーマについて話したいと思う。

■社長に技術力は必要か?

もしかしたら、「社長に技術を学ぶことって必要?」と思っている方もいるかもしれない。実は、社長が技術やプログラミングを学ぶことは非常に重要だ。実際に、プロレベルでプログラミングが書けるようにはならなくても、ある程度の知識を入れておけば、大きなメリットをもたらしてくれる。

まず一つは説得力。ベンチャーが投資を受ける時などに、どんなに綺麗なプレゼンテーション資料を見せても、それだけでは信用してもらえないだろう。それよりは実際に動くプログラミングを作って、見せた方が格段に説得力が上がるのだ。

もう一つの理由は、エンジニアとのコミュニケーションだ。優秀なエンジニアを見つけるにしろ、一緒に働くにしろ、社長が技術を知らなければ、コミュニケーションが成り立たない。

プログラミングは家の設計に似ていると僕は思う。

例えば、僕が「広くて、かっこよくて、家族が幸せになる家」を建てて欲しい、と設計士に言ったとする。だが、設計士からすれば、「カッコいい?家族が幸せ?それってどんな家?」と思うだろう。家には設計図があり、土台があり、柱があるのだ。僕は、これらの基本構造を考えた上で、実現可能な間取りやデザインなど具体的なイメージを伝えなくてはいけない。これと同じだ。

社長がプログラミングについて全く知識がなければ、とエンジニアとの間に言語の壁ができてしまう。しかし、社長が学ぶことによって、双方の言語を合わせ、スムーズなコミュニケーションを取ることが可能だ。僕自身はプログラミングを書いたりすることはできないが、必要な知識については、独学で勉強した。そして、今のイノーバに欠かせない、優秀な開発チームに恵まれた。(参考記事:エンジニアの満足度100%の会社とは?https://innova-jp.com/engineers/

■プログラミング・アレルギーから抜け出す2つの方法

恐らく、文系の人の中には、「プログラミング・アレルギー」の人がいると思う。プログラミングや技術と聞いただけで、何やら難しく到底自分には理解できないものと苦手意識を持ってしまう。まず、このアレルギーを克服することから始めよう。

解決策1:「プログラミング=難しい」の思い込みを捨てる

僕がエンジニア探しに苦慮していた時、同じ経営者の方からある資料を貰った。

How to teach yourself to code

http://www.slideshare.net/mattangriffel/how-to-teach-yourself-to-code

この資料に書いてあったのが、「言うほどプログラミングは難しくないよ」ということ。実際に昔よりプログラミングは簡単になっていて、今ではレゴブロックのように、ある程度プログラムが塊になっている。そしてネットで探せば、マニュアルもたくさん出てくる。恐らく、そこそこの地頭があって、一ヶ月ほど週末をプログラミングの勉強などに当てれば、プロにはなれなくても、最低限の知識を身につけることは可能だ。まずは、自分の中の思い込みを捨てよう。

解決策2:興味を持ち続ける

そして、重要なのが、技術全般に対して興味を持ち続けることだ。これは、プログラミングだけでなく、他の技術に対しても、同じだ。3Dプリンター、AI、ディープラーニング・・・技術系の話題は、ネットにも新聞にも溢れている。知らない言葉に遭遇したら、何なのかを調べてみる。これは僕自身がいつも心がけていることでもある。この新しい技術は何ができるのか。それをきちんと理解することによって、新たなビジネスチャンスが見つかるかもしれない。

例えば、日経新聞の見出しに気になる技術系のニュースがあれば、分からないままにせず関連の本などを探してみる。それを理解することで、競合他社の動きが分かれば、リスク回避対策も取ることができる。本もエンジニア向けのものだと、かなり難易度も高いが、全部を理解する必要はない。最低限の事例だけでも頭にインプットしておこう。後は、本棚に置いて、時々見返せるような状態を作っておくだけでもいい。

■技術初心者にお勧めする3つのコンテンツ

では、初心者でも比較的学びやすい書籍やサイトをご紹介しよう。

①NHK出版 電子立国日本の自叙伝

これは戦後から1980年代末までの、日本における半導体開発の歴史を追った作品だ。もともとはドキュメンタリー番組だが、今では書籍も発売している。

僕はもともと文系だが、富士通にいた頃にパソコンの仕組みや、部品について学ぶ機会に恵まれていた。そしてその頃の知識が、のちに大変役立った。古い内容ではあるが、今のITは半導体の時代から積み上がって出来ているので、その始まりを理解するには良い教材になると思う。

②NHKスペシャル ネクストワールド 私たちの未来

(https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150103)

もう一つ、NHKスペシャルより。こちらはドキュメンタリーとドラマで構成されている、シリーズ番組だ。「電子立国 日本の自叙伝」はその歴史に焦点を当てているが、こちらは最新の科学技術がテーマ。

ニュースに出てくる最新のテクノロジーについて知りたい時に、この番組はお勧めだ。

③Hype cycle of emerging tech2015

こちらは、アメリカのガートナー社が出している、最新テクノロジーの進捗グラフだ。最新の技術について、それぞれが今どのフェーズなのか、分かりやすくまとめている。この中で知らない技術などを探し、詳しい人に聞いたり、調べたりするのも良い勉強になるだろう。

(参考元:http://www.gartner.com/newsroom/id/3114217)

上記に挙げた3つは主に、初心者でも学びやすい教材である。

もし、本当に技術を極める学びが欲しければ、技術系に投資しているアメリカのベンチャーキャピタルの情報がお勧めだ。書籍やブログなどで彼らが今、何に注目しているのかを調べれば、今後のテクノロジーにおけるトレンドが見えてくるだろう。

■最後に

今は、インターネットによって、個人やベンチャー企業がその分野の最先端にいる人と繋がることも可能な時代。最新の情報を得ようと思ったら、方法はいくらでもある。日本は今、少子高齢化が加速傾向にあり、更に潤沢な資源もない。すると、いかに最新のテクノロジーを取り込んで、ビジネスチャンスを見つけるかが、勝負のポイントになるだろう。科学技術もベンチャー企業も、成長の可能性は無限大に広がっている。

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