僕の人生に影響を与えた人 第一弾:ティム・フェリス

宗像淳 (Innova CEO)
8 min readNov 22, 2016

今回のブログでは、僕の人生に影響を与えた人を紹介したいと思う。実際に出会った人だけでなく、本やインターネットなどを通じて、本当に多くの人や考え方から影響を今まで受けてきた。ブログでは、何回かに分けて紹介したいと思うので、ぜひ参考にして欲しい。

まず第一弾は、ティム・フェリス。日本での彼の知名度はそこまで高くないが、アメリカの特にIT・ベンチャー業界で彼を知らない人は、まずいないだろう。彼の肩書を一言で表すのはとても難しい。作家であり、Facebookなどにも出資している投資家でもあり、サプリの通販の会社なども起業し、売却するなど、経営者としての一面も持っている。そして、今のティム・フェリスを語る上で欠かせないのが、彼のブログとポッドキャスト。どちらも異常なほど高い人気を誇っている。

Wired誌から「シリコンバレーのスーパーマン」とも言われた、ティム・フェリス。僕が彼から受けた影響や、彼から学んだことを紹介したい。

■ティム・フェリスから学んだ、2つの教訓

まず、僕がティム・フェリスから学んだことは主に2つある。どちらも非常に本質的で、僕の経営者としての考え方に大きな影響を与えた。まず1つ目は、「既成概念を壊すことの大切さ」。彼は自分の既成概念だけでなく、時には社会の既成概念さえ壊してしまう。

例えば、実際にこんなエピソードがある。ティム・フェリスの母校は、アメリカの超一流大学である、プリンストン大学。ある時、母校で講義をすることになった彼は、授業の中で生徒にこんな質問をする。「クリントン大統領(当時)に会いたい人はいますか?」多くの生徒が手を挙げた。「じゃあ実際に会うために、行動を起こしますか?」今度は誰も手を挙げなかった。

現職の大統領に会いたいと思っているのに、なぜ多くの人が行動を起こさないのか。それは、みんなが「大統領に会うことなんて無理だ」と思っているから。しかし彼は、自分の経験から考えると、「大統領に会うことは、思っているほど難しくない。実際に行動を起こしてないから、会えていないだけなんだ」という。

そこで彼は、こんな課題を出す。「上院議員に連絡を取ってみる」。次の週までには誰も達成できなかったが、その翌週には、一人だけ達成した人が現れた。行動を起こしたことによって、非常に短い期間で遠い存在だった人物と繋がりを持つことができたのだ。

この課題で、ティム・フェリスが伝えたかったことは「既成概念を壊して、実際に行動することの大切さ」。社会の構造をピラミッドに例えると、大統領はほぼ頂点に近い位置にいる人物だ。「上の方にいる人は偉い人だから、会えないだろう」と思って、みんな本当に会おうとはしない。しかし実は、そこにチャンスがある。上の方に行けば行くほど、競争相手は少なくなるからだ。

誰も会おうとしないところへ、ふと飛び込んでみると、珍しいのか、意外に会ってもらえたり、連絡が取れたりする。そして、ティム・フェリスは、それを自分の経験から知っていた。他の人が既成概念にとらわれて、「無理だろう、不可能だろう」と思っていても、彼だけは「とにかくやってみる」という姿勢を常に貫ぬく。正攻法ではなく、他の人と違う方法で攻めて、勝つというのがティム・フェリス流の戦い方なのだ。

もう1つ、僕が彼から学んだことは、「世の中のトレンドや大きな仕組みの変化をキャッチすることの重要性」だ。例えば、バーチャルアシスタント。バーチャルアシスタントとは、インドやフィリピンなどの人材に、リサーチや秘書業務をクラウドソーシングで委託する方法。実際のオフィスではなく、インターネット上に秘書を持つ、という非常に画期的な考え方だ。

これが彼の著書「週4時間だけ働く」の中で紹介されていて、僕がoDesk (現:Upwork)などのクラウドソーシングのサービスを活用するきっかけにもなった。また、後にイノーバの重要なビジネルモデルの1つとなる、「登録してもらっているライターさんに仕事を依頼する」業務形態も、この考え方に非常に影響を受けている。

ティム・フェリスの強さの1つは、まだ誰も知らないようなトレンドや、仕組みの変化をキャッチする力を持っていること。常にアンテナを張り巡らせているので、情報感度が非常に高いのだ。最新のトレンドを掴み、みんなが知りたがっている情報をいち早く発信する。この重要性を僕に教えてくれたのも、ティム・フェリスだ。

■ティム・フェリスのここがすごい!

彼のブログやポッドキャストはアメリカでものすごい人気を得ている。ではなぜ、それほどまでに多くの人を引きつける魅力が、彼にあるのだろうか?その答えの1つは、彼の「何でも自分で実験してみる精神」にあると僕は思う。

例えば彼の著書の1つでニューヨーク・タイムズのNo.1ベストセラーにも選ばれた「The 4-Hour Body」。これは、巷に溢れているダイエット情報のうち、本当に効果があるものは何か、というのをティム・フェリス自身が試したもの。この本の中で、彼は医師など200人以上の専門家にインタビューをし、実験結果や検証を元に、彼が考え出したダイエット方法を紹介している。

またその料理版で、「The 4-Hour Chef」という本も出版している。普通、料理の技術は身につけるのにかなり時間がかかるもの。しかしそれを、「誰もがシェフのように料理ができる方法はないのか?」と考えるのが彼の発想。誰もが知りたくなるような方法を自分自身で試して、「本当に大事なことは何なのか?」を突き詰めていく。ここに彼の魅力がある。

そしてもう1つは、「幅広い人脈によって構築された、情報源」。彼は情報のアンテナが非常に高いので、彼が紹介する人、本、記事はどれも非常に面白い。まだ誰も知らないような事を次々と紹介してくれるので、僕自身も参考にしている。

そのうちの一人が、ジョッシュ・ウェイツキン。彼はチェスの神童と言われ、チェスの世界チャンピオンにまでなった人物。さらにその後、チェスから格闘技の世界に転向するが、そこでもまた世界チャンピオンに輝く。2つの異なる世界で頂点を極めた彼をティム・フェリスがポッドキャストのゲストに呼び、紹介していた。

これをきっかけに、僕はジョッシュ・ウェイツキンを知り、彼の著書である「習得への情熱」( https://www.amazon.co.jp/dp/4622079224 )を読んだが、むちゃくちゃ面白かった。このように、ティム・フェリスのブログやポッドキャストからは「あまり知られていないが、非常にためになる情報」が得られるのだ。

なんでも自分で実験し、「本当に大切なことは何か」を見極める姿勢。様々な分野における幅広い人脈と、豊かな情報源。これらによって、多くの人がティム・フェリスに惹きつけられているのだろう。

■「本当に大切な20%」を見極めるには

ティム・フェリスによると、「成功している人は、皆が知らない20%を知っているか、もしくは無意識のうちに実行している」らしい。彼がよく言う「本当に大切なことは全体の20%未満である」というこの法則は、情報過多の傾向にある今の時代において、非常に重要であると僕は思う。溢れる情報の中で、「本当に大切で必要な20%は何なのか?」を、僕たちは日々考えるべきだろう。

自分の力で、常に物事の本質を追求していくティム・フェリスから学べることは、とても多い。彼がブログやポッドキャストで紹介するノウハウは、斬新かつ画期的でありながら、すぐに実践可能なものばかり。ぜひ一度、本やブログ、ポッドキャストなどで、ティム・フェリスの世界を体感して欲しい。

Tim Ferris

Blog : http://fourhourworkweek.com/blog/

Podcast : http://fourhourworkweek.com/podcast/

Books:

・「週4時間」だけ働く。(著:ティモシー・フェリス 訳:田中じゅん)

https://www.amazon.co.jp/dp/4905042097

・The 4-Hour Body: An Uncommon Guide to Rapid Fat-loss, Incredible Sex and Becoming Superhuman

https://www.amazon.co.jp/dp/0091939526

・The 4-Hour Chef: The Simple Path to Cooking Like a Pro, Learning Anything, and Living the Good Life

https://www.amazon.co.jp/dp/0547884591

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宗像淳 (Innova CEO)

(株)イノーバ代表。米国ウォートン校MBA、マーケティング専攻。楽天・トーチライトで、Eコマースやソーシャルメディアの新規事業の立上げ。現在、ソーシャルやWEBサイトで集客をするコンテンツ制作のビジネスを展開しています。ライターさん、絶賛募集中。詳細はこちらから http://t.co/CjAYENyOhH