電子コミックサイト『まんが王国』の今後の成長ドライバーは「オリジナルコンテンツ」。その成長に欠かせないあるものとは…!!

2017年3月17日、東証マザーズに上場した、電子コミックサイト『まんが王国』を運営するビーグリー社(以下、同社)。主力事業の『まんが王国』について整理し、今後の成長に必要な取り組みを考察していきたい。


ビーグリー社のサービス・ビジネスモデルとは?

まずはじめに、同社のサービスとビジネスモデルについてまとめる。

同社は、マンガに特化した電子書籍の販売を行う『まんが王国』、イラスト分散型メディア『ETOPICA』、漫画に特化したクラウドファンディングサービス『FUNDIY』、ネイティブアプリビジネスを展開している。主力事業の『まんが王国』は売上の90%以上を占め、同社のビジネスの基本である。

『まんが王国』は、50,000タイトルものマンガを取り揃え、ユーザーは試し読みマンガ常時2,000タイトル以上を無料で読むことができる。ビジネスモデルは固定課金と従量課金の2つである。300~10,000円で設定された月額課金を基本とし、その金額に応じてポイントが付与される。ユーザーがポイントを利用しマンガを購入するスタイルだ。ポイントが不足した場合には、都度課金することにより追加ポイントが付与される。

2016年12月期業績は、微増収増益

続いて、IR資料から業績について整理する。

同社の2016年12月期、売上高は8,377百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益は787百万円(同3.1%増)で、微増収増益と健闘した。IR資料によると、継続的な成長には電子書籍市場の成長が大きく関係していると考察されている。

平成27年度の電子書籍市場規模は1,584億円(前年度比25.1%)であり、その内電子コミックは1,277億円であり、全体の81%を占める。平成32年度には平成27年度の1.9倍の3,000億円に拡大すると予測され、今後もこの市場の成長とともに、事業の成長が期待できるようだ。

こうした電子書籍市場の成長を背景に、『LINEマンガ』をはじめとする競合との競争激化が引き起こっている。ではこうした競合他者の参入に対して、同社はどんな差別化を行っているのだろうか?『まんが王国』の強みについて見ていこう。

強みは、中間業者を介さないライセンス取得

電子書籍業界では、出版会社や取次会社を経由してライセンスを獲得し販売するパターンが一般的である。1冊売れることにより発生する利益の内訳は平均的に電子書店30%作家20%出版社45%電子取次会社5%と言われている。

しかし、同社はこれらを通すことなく、直接作家に営業をかけライセンスを獲得している。この手法を軸に展開しており2017年1月末時点で作家との直接契約は1,600件を超えるまでになった。

このように出版社を介さず中間マージン(出版社45%電子取次会社5%)をかけず販売できる収益性の高いスタイルが同社の大きな強みとなっている。(ただ、2016年12月期の利益率はわずか9.4%ほどであった。これは競争が激化する中、売上高に対して約32%とかなり積極的に広告宣伝費を投下させたのが原因である)

こうした中間業者を介さないライセンス取得により

・収益性の高いスタイル

・柔軟かつタイムリーな販促キャンペーンの実施

・無料の試し読みマンガの確保

・オリジナルコンテンツの創出

などが可能となった。IR資料によると同社はこの強みを生かし、オリジナルコンンテンツの創出でさらなる成長を目指すようだ。課金トリガーを引くようなオリジナルコンテンツを生み出しグロースさせていく計画である。だが、この成長戦略に対してまず着手すべき点があると筆者は考える。最後に、同社の今後の成長ドライバーに欠かせない取り組みについて考察していきたい。

今後の成長ドライバーに欠かせない取り組みとは…

ズバリ、着手すべきは「アプリ強化」である。ビジネスモデルが月額課金を基本としているため、ユーザーの利便性を高めることに力を注ぐ必要がある。

現在、App Storeのブックカテゴリーのランキングにおいて、『LINEマンガ』『comico』『ピッコマ』など他社サービスが上位表示される中、『まんが王国』は16位であった(執筆時)。また『まんが王国』のレビューは低評価なものが多く、比較的満足度が低い。実際筆者がアプリを使ったところ、コンテンツは数えられるほどしかなく、読むべきものがかなり限られていた。アプリ内にはログインやマイページのような機能はない。少々使いづらく、決して良いUIとは言い難かった。

そもそも現在課金はウェブ上で行うことから、基本的にウェブで使うのが主流のようだ。ただ今後「アプリ強化」により、

キラーコンテンツ(オリジナルコンテンツ)でアプリを起動し見終わったらレコメンドで他作品を回遊させ、リテンションを高めること

ユーザーの行動データからオリジナルコンテンツの質を高めヒットを創出すること

上記の2つが最も大切だと考える。電子書籍市場の成長とともに、ますます競争が激化する中、いかにユーザーを囲い込み継続的な課金に繋げるかが鍵となるだろう。引き続き、同社の成長を見ていきたい。


上場企業のIRや決算短信から業績、事業内容、ビジネスモデルなどまとめ、勉強していきたいと思います。ご質問やご不明点などございましたら、お気軽に声かけてください。よろしくお願いします!

Twitterやってます。

参考

・株式会社ビーグリー(https://www.beaglee.com/)

・2017年12月期 第1四半期報告書(http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=2514028)

・アナリストレポート(エース証券株式会社)(http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=35263&code=3981)

・新規上場!ビーグリーのIPOの初値予想(http://matsunosuke.jp/beaglee-ipo/)

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