本記事は2014年7月23日に私自身が「TechCrunch Japan」寄稿した記事です。同メディアは国内スタートアップ関係者に惜しまれながら、2022年5月1日に閉鎖されました。 当時まだ国内ではFintechという言葉が浸透していなかった時期で、この記事がきっかけで、その後のFINOLABやFintech協会など色々なご縁に繋がりました。改めて関係者に感謝です。 2014年7月23日 by ゲストライター 編集部注:この原稿は東京に拠点を置くFinTechスタートアップ、クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏による寄稿である。クラウドキャストは2013年に弥生より出資を受け、経費精算事業を手がけている。本稿は、7月中旬にロンドンでFinTechシーンを視察した同氏による現地レポートである。 2014年7月上旬にロンドンへ行き、現在非常にホットな分野であるFinTechとそのスタートアップシーン を実際に見てきた。FinTechとはFinanceとTechnologyを組み合わせた造語であり、大まかに言うと金融とIT技術の融合によるイノベーション、その実現を目指すITスタートアップを指す。特に金融セクターは大企業が一種のイノベーションのジレンマを抱えており、これを突破するために外部のスタートアップと組む例が増加している。

FinTechスタートアップが目指すべき理想像はロンドンにあり
FinTechスタートアップが目指すべき理想像はロンドンにあり

本記事は2014年7月23日に私自身が「TechCrunch Japan」寄稿した記事です。同メディアは国内スタートアップ関係者に惜しまれながら、2022年5月1日に閉鎖されました。

当時まだ国内ではFintechという言葉が浸透していなかった時期で、この記事がきっかけで、その後のFINOLABやFintech協会など色々なご縁に繋がりました。改めて関係者に感謝です。

2014年7月23日 by ゲストライター

編集部注:この原稿は東京に拠点を置くFinTechスタートアップ、クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏による寄稿である。クラウドキャストは2013年に弥生より出資を受け、経費精算事業を手がけている。本稿は、7月中旬にロンドンでFinTechシーンを視察した同氏による現地レポートである。

2014年7月上旬にロンドンへ行き、現在非常にホットな分野であるFinTechとそのスタートアップシーン を実際に見てきた。FinTechとはFinanceとTechnologyを組み合わせた造語であり、大まかに言うと金融とIT技術の融合によるイノベーション、その実現を目指すITスタートアップを指す。特に金融セクターは大企業が一種のイノベーションのジレンマを抱えており、これを突破するために外部のスタートアップと組む例が増加している。

ロンドン市内のコワーキングスペース Level 39からの眺め

今回は事前に駐日英国大使館や英国貿易投資総省 (UK Trade & Investment)、そしてロンドン市振興機構 (London & Partners) に協力を得ていたのもあり、各キーパーソンに会うことができた。貴重な時間やインサイトを頂いた関係者に感謝したい。

FinTechスタートアップはロンドンを目指せ

FinTechで世界を目指すならロンドンが最初の候補地となる。英国という国全体ではなく、ロンドンという元々の金融セクターがある大都市に価値がある。

日本のITスタートアップの多くは米国、特にシリコンバレーを含めた西海岸を見ていると思う。自分自身も米国企業の経験が長く、彼らのスタートアップエコシステムは非常に魅力的であるが、今から進出するようでは差別化が難しい。また、実際には細分化が進んでおり、金融セクターではシリコンバレーではなくロンドン、ニューヨークが世界的に飛び抜けている。今回はロンドンを中心に記述するが、この流れはニューヨークにもあり、数年後に東京に必ず来ると信じている。

英国政府の成長戦略TechCity構想

「FinTechはロンドンである」という背景としては、大きく次の2つがある。

  1. 既存の欧州最大金融センターとしての歴史と強さ
  2. TechCity構想によるスタートアップムーブメント

ロンドンは元々金融セクターが世界トップクラスであり、約4万社、約35万人が金融セクターに属する。この既存の金融セクターの強みとEast London地区でのスタートアップムーブメントが融合したのが、現在のFinTechシーンの背景にある。

ロンドンは2010年末に現英国キャメロン政権のもと、East London地区に米国シリコンバレーを参考にTechCity構想を打ち出した。

TechCity構想とは、税制優遇やビザの緩和も含むIT産業に特化した英国政府による積極誘致政策である。その名前から元々ロンドンにある「金融」Cityに続く、第二のCity、すなわち「テクノロジー」Cityを目指していることが読み取れる。Google、Amazonを含め世界トップクラスのIT企業がこの地に積極投資を続け、ロンドンは現在シリコンバレー、ニューヨークに次ぐ世界第3位のITクラスター (集積地区) となった。安い土地を求めEast Londonに自然に集まってきたITスタートアップとクリエイター達の動きをくみ取った成長戦略と言える。成功の秘訣は、あくまで政府は環境作りに徹していることと聞いた。英国は政策決定後の動きが大胆でスピード感があり、その後ロンドンオリンピックの後押しもあり、いわゆる「ヒト、モノ、カネ」が世界からこのクラスターに集まった。

https://youtu.be/JyvDxV2LxnM

それに加え、ロンドンには歴史・文化があり、これに数多くの大学やゲーム・モバイルコンテンツ・ファッション・音楽・アートを含めたクリエイティブ産業が今スタートアップと結びつき、結果的にロンドンはFinTechだけでなく、RetailTechやEdTech などのクラスターを形成している。ただ、すべてのセクターがロンドンに集中しているというわけではなく、セクターごとにクラスターが形成されエリアごとに細分化されている。例として放送メディアはマンチェスターのMediaCityUK に集まり、日本のNHKにあたるBBCもロンドンからマンチェスターに移転しているということが驚いた。

場としてスタートアップやクリエイティブに関わる人たちが集まることで、結果的に街が活性化するいい事例を目のあたりにした。TechCityの主要なエリアであるEast LondonのOld Street (オールドストリート)、Shoreditch (ショーデッチ) 周辺は、数年前は決して治安がよいエリアではなかった。しかし、今となってはロンドンでも感度が高い人が集まる人気スポットとなっている。

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弊社が進める法人カードとB2B SaaSソフトウェア一体型モデルは、欧米ではユニコーンモデルとして確立しつつあります。B2B SaaSソフトウェア一体型のメリットはこちらの記事を参照下さい。

今回、弊社が提供する国内初のソフトウェア一体型「Stapleカード」に類似する海外での主な最新事例をまとめてみました。まずは本モデルが急成長している背景を説明し、その後具体的な類似事例一覧を米国市場、ヨーロッパ市場の順番でご紹介します。

背景

一体型モデルが急成長している背景は、B2B SaaSスタートアップが自ら開発/運用するハードルが高い、バンキングやカード発行等の機能を、BaaSやカード発行APIスタックとして提供するプラットフォームが米国とヨーロッパで充実してきたことです。

米国ではMarqeta, Synapse, i2c, Green Dot等が上記プラットフォームとして有名です。例えば、UberやSquareもカード発行にはMarqetaのAPIスタックが使用されています。

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弊社は2019年より、国内初となる法人プリペイドカード一体型ペイメント管理サービス「Staple (ステイプル)」を開発提供しております。Stapleは、会社でのキャッシュレスとペーパーレスを同時に推進することで、従業員による立替や経費精算作業そのものを「限りなくゼロに」近づけることを目的としたサービスです。

法人プリペイドの構想は2016年から

弊社では、業界に先駆けて2016年から準備し2017年初頭にFINOLABにてプロジェクトを正式開始、翌2018年4月に国内初となる、法人プリペイドカードの実証実験を正式発表しました。

当時日本では新しいコンセプトの為、多くの投資家や事業会社は懐疑的でした。しかしながら、今までの法人カードの課題が、起業家/経営者としての私個人にとっても非常に明確で、潜在市場が大きく、そして私だけでなく、周りのスタートアップ経営者の反応が非常によかったことを覚えております。

また、2018年末から始めた外部向けセミナーにご参加いただいた中堅/大手企業のお客様からも予想以上に反応が良く、自信を持って実証実験から正式な製品開発に移行しました。既存投資家含めその当時から応援頂いた方には感謝です。

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Takashi Hoshikawa

Takashi Hoshikawa

クラウドキャスト代表取締役。DEC/Microsoft技術部門で、新規サポート事業、モバイル開発部門立ち上げ等経験後、米国直属のSQLサーバー開発部門を統括。2009年に青学ビジネススクール在学中に創業、2011年に法人化。英国生活含め、人生2度の寄り道を経て今に至る。2015–2019年Fintech協会理事。